プロローグ-2
白い閃光が治まると、俺を覆っていた封印が跡形も無く消えていた。
「やはり、やはりそうか!『誉れ高き詐欺師』ギルバート・リグランディの子孫はお主だったか!」
俺の目の前にいるのは銀色の髪を後ろで一つにまとめている少女だった。
「え、え?そんな筈無いですよ。だって『至高の賢帝』のギルバート様の子孫はあそこにいらっしゃるレイ様のはずです」
少女が見ているほうを見ると金髪を肩口まで伸ばしている人を小ばかにするような笑みを浮かべた青年がいた。
「そうだ。この私こそがこのリフランディ帝国の第120代皇帝、第一継承権を持つレイ・リグランディだ。そこにいるのは騎士百門の第三門、『閃光』の一人娘だ。間違っても私と同じ家系であるはずが無い」
やはりこやつは好かんな。喋りといい表情といい人をいらつかせる見本のようだ。
「騎士百門?何だそれは。それとお主、レイといったか?お主は喋らんでいい」
見事な青筋を立てているな。
「き、貴様この私を誰だと思っているのだ?」
「詐欺師の傍系の血縁者。それよりも騎士百門とは何だと聞いている。そこの女、早く答えろ」
俺が指差すと少女は一瞬身を強張らせた
「は、はいっ!あのですね、騎士百門というのは帝国最強の百人のことでして、それぞれが二つ名、あるいは騎士名を持っているのですよ。因みになのですが我が父、リンオウ・セノクンはその第三位に値する第三門なのです」
「ということは先程の『閃光』というのが二つ名、もしくは騎士名ということか?」
「はい。我が父は光系統の攻撃用魔法が得意でしてそこから『閃光』の二つ名が付きました」
「では次にそこのお主、お主の先祖には『悪鬼羅刹の暴風』レイボルト・ラングレイがいるな」
今までこちらを親の敵のように睨み付けていた女のほうに向き直りながら聞くと殺気と魔力を放ってきた。
表情を見る限りこちらの正体には気づいているようではあるのだが。
「確かにそうだ。どこでそれを、と言いたい所だがアンタなら分かるだろうな『輪廻の傍観者』シオン・ヴァルキリー・ホウレイ」
「全く、そこまで分かっているなら何故そうも怒っている?」
「当たり前だ。私が今まで隠していたことをあっさりと暴露されたのだからな」
「何故隠す必要がある?」
「教える必要は無いな」
「そうか。ならよい。無理に聞くことでも無いしな」
ふと傍系のほうを見ると青筋を立てすぎて今にも米神の血管が切れそうな男がいた。
「全く、何故君はこうも有り得ないことばかりしてくれるのかな。せっかくこの私が封印を解きに来てやったというのに」
「お主では完全には解けなかったがの」
言った途端に青筋が消えて怒りに顔を真っ赤にし吼えた。
「黙れ!そもそもなんだその態度は。この私は皇太子だぞ!」
「そんな事知らんな。大体お主が何者であろうと俺には関係ないしな」
「どこまでも人を馬鹿にしおって。もう我慢ならん!燃え盛る炎よ 彼の者を焼き尽くせ『フレイムダンス』」
レイが呪文を唱え掌をこちらにかざすと炎の奔流が噴出してくる。
「青いな。絶対防御『イージス』」
指を鳴らし目の前に障壁を張るとフレイムダンスは弾かれる様に消えていった。
「くっ!古代魔法だと?ならば。煉獄の炎よ 地獄より来たりて 全てを燃やし尽くせ『デス・イクスプロージョン』」
今度はレイの足元に魔方陣が現れ深紅の炎が飛び出てきた
「地獄の劫火よ『フレイムダンス』」
再び指を鳴らすと真紅の炎がレイの炎を飲み込み消えていった。
「あ、ありえん。古代魔法の一つである『デス・イクスプロージョン』を中級魔法で打ち消す、だと?」
「ありえない事などはこの世に存在せん。現に今こうしてお主の魔法を打ち消しただろうが」
ガタガタと震え始めたレイは地面に座り込み気絶した。
「全く。無駄が多いのだよ。お主の魔法は」
すいません。
本当にすいません。
自分に文才が無いのに小説を書き始めるなんて無謀なことをしてすいません。
ですが何とか書き続けていくつもりです。
感想などは書かないで頂きたいです。
自分の心が砕け散ってしまいますので。