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さてと、
お父さまには第一王子派につくと言ったし、
本でしか入手できないロザリアの裏事情も話した。
これで本の世界からはだいぶストーリーが変わっているはず。
まあ、記憶もはっきり戻った事だし、
本の内容をおさらいしておこう。
本は現在2巻まで出ていて、今は1巻目の始め。
私リリアーナが婚約破棄を突き付けられる所から、
話は始まる。
筆頭公爵家でありながらも、魔法が使えない為、
次期王妃ではなく、第二王子の王子妃。
しかし、第二王子を愛していて、
幸せに暮らしていた。
しかし、いきなり婚約破棄を突き付けられ、
第二王子から第一王子の婚約者を排除できれば、
再び婚約者の座に戻すと言われる。
その時、黒の魔女に出会い、
魔法が使えないと言われていたけど、
一人の魔法が奪える能力がある事を告げられる。
第二王子を愛していた私は、
黒の魔女の言葉を信じ、
第一王子の婚約者であるプリシア嬢から魔法を奪い
様々な問題を起こす。
第一王子は白の魔女の力を借り、
私から魔法を奪い返す。
魔法が戻ったプリシア嬢と、第一王子は結ばれ、
国は発展する。
という物語。
私は第二王子を愛するばかり、
狂ってしまう悪役令嬢で、
悪役とついていながらも、その一途さに嫌いにはなれなかった。
むしろ、リリアーナを利用して、
自分の地位の事しか考えていないアホンダラ王子の方が、
ずっと悪役に思われる。
アホンダラ王子。
名前こそなんだかなだが、実際はアホではない、
むしろ、一流の詐欺師のように頭が冴える。
それを真っ当に利用できないのが残念なんだけどね。
ちなにみ、第一王子はデキテル王子。
ド〇えもんのできすぎ君といい勝負のネーミングである。
本当に私の名前が普通の名前で良かった。
これで、メスガキ令嬢とかだったら、
心まっすぐ生きていける自信がない。
とりあえず、私が第二王子にぞっこんでなくなった事で、
話は大きく変わったはず。
お父様も第一王子派にすぐに変われなくても、
心が大きく揺さぶられたはずだ。