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流行病を抑える事、
リオレイル様の妃という立場、
どちらかしか選択はできない。
そして、私は流行病を抑える方を取った。
後悔はしていない、
私には力があった、それを使わないのは私が許せなかった。
でも、恋心はずきずきと音を立てる。
「私は黒の魔女の助言に従いました、
例え民の命を救う為とは言え、
許されない事をした事は分かっています、
婚約者の地位は返上いたします。
どうかお幸せに」
涙声で何とか伝える。
ああ・・・情けない、
もうこうぴしっと、とかしなしなととか、
雰囲気出せるでしょうと思う。
実際にはぐちゃぐちゃの涙声で、威厳も何もない。
「リリアーナ、君は私より、民を取ったんだね」
リオレイル様の言葉が胸に刺さる、
言葉にならず、こくんとうなずく。
ああ、本当に情けない、
一応公爵令嬢なんだけどねぇ。
お妃様教育係がみたら、雷落ちそう。
私って、やっぱり恋は向いてないのよね。
そんな事を考えていると、
リオレイル様が近づいてきて、
そっと私を抱きしめてくれた。
「ありがとう、大切な民を守ってくれて」
リオレイル様の言動に呆然となる。
あれ?断罪されるんじゃないの?
するとどこからか、
「はーい、おめでとう」
という軽い調子で、声がかかった。
?という風に声がかかった所を見ると、
真っ白な服を着た女性がいた。
しかもその服はスクール水着に、
大きなマントと大きな帽子。
どう考えても、普通の民がする服装ではない。
だれ?と不信に思っていると、
「わ・た・し・白の魔女でぇ~す、
リリアーナちゃんを聖女に認め、
祝福しちゃいます♪」
といきなり宣言されて驚く。
白の魔女?ならその服装も納得すべき?
無理矢理理解しようとしていると、
教会にいた人が皆わーと声を上げる。
「聖女様!」
「リリアーナ様、万歳!」
教会中のありらこちらで歓声が上がる、
そして白の魔女と名乗った女性は、
「ありがとー」
と何故か私の代わりに歓声に応え、ふっと姿を消した。
「消えた?」
「まあ、魔女だからね」
リオレイル様は慣れた様子だ。
「改めて、ありがとう私の最愛の妃」
リオレイル様に手に口づけされ、
私は予想外の展開に気を失ってしまったのだった。
そして、その3ヶ月後、
マルエプチ芋は国中に広がり、
謎の流行病は国からなくなった。
結婚式の馬車には、一目王太子妃を見ようと、
多くの民が押し寄せ、
盛大な結婚式となり、国中が幸せムードに包まれた。
王太子妃が着ていたウエディングドレスには、
レースがあしらわれ、
アクアマリン王国のみならず、周辺国でも話題になり、
アクアマリン王国のレース産業は一気に発展した。
ちなにみ、ガーネット王国では、
第一王子のデキテル王子が立太子し、
第二王子は辺境の領主になった。
第二王子に狂い、断罪される予定の令嬢は、
愛する王太子に出会い、誰からも愛される妃になったのでした。




