6-1
リオレイルがお膝に抱っこした時から、
リオレイルは二人きりの時、スキンシップを取るようになり、
ドキドキさせられながも、幸せな時間を過ごしている。
王太子妃教育は、元々王子妃教育を受けていた事もあり、
スムーズに習得できて、
いつ結婚しても大丈夫と、教師陣からお墨付きをもらっている。
「本当にリーナは優秀ね」
「お褒め頂いて嬉しいです、王妃様」
「もう!王妃様だなんて他人行儀ね!
お母様と呼んで頂戴!」
王妃は2人の子供がいるとは思えない若々しい顔を、
わざとしかめて、そう告げる。
顔をしかめた所で、その美しさが損なわれる事がないのは、
さすがとしか表現できないだろう。
「しかし、まだ結婚もしてませんし」
「いいの!私が許可します!
それに早くに母親を亡くすなんて、寂しかったでしょう、
私が全部埋めてあげるわ!」
実際の所、長兄を筆頭に、家族、使用人、
皆に愛されていたので、寂しいと感じた事はない。
しかし、王妃様の気持ちも嬉しいので、
素直に甘える事にする。
「お母様、ウエディングドレスですが」
「ええ、希望通りレースをドレスに付ける事にするわ、
私のドレスもレースを付けるつもりよ」
その言葉に嬉しくなる。
ウエディングドレスだけでも注目されるが、
王妃様までレースを使ったドレスを着るとなると、
一気に国中に広がるだろう。
お母様と話しをしていると、
トントンと扉を叩く音があった。
「マリア様がいらしています」
侍女がゆっくりと告げる。
「まあ、いいかしら?」
お母様が私に声をかけ、私は頷く。
すぐに、小さな女の子が部屋に入ってきて、
私の膝の上に上る。
「まあまあ、お母様よりリーナなの?」
その様子を見たお母様が楽しそうに話す。
私が麦を食べなければいいと言って、
体調が戻った事を知ったマリアは、
私にとてもなついてくれて、傍にいるとべったりだ。
最近のリオレイルの様子を思い浮かべ、
やっぱり兄妹なのねと微笑ましく思う。
「すっかり元気で良かったわ」
そうして3人で楽しく話していると、
お母様がぽつりと言った。
「最近、原因不明の病気が流行っているみたいだから、
あまり町には行かないように」
その言葉にどきんと胸が跳ねる。
原因不明の病気、それは2巻でこの国に起こるイベント。
もしかして、もう2巻のストーリーが始まっている?
「ちなみに、黒い瞳で、黒い髪か茶色い髪の女性で、
教会に保護された、回復魔法の使い手はいませんか?」
お母様は目を見開く。
「まあ、知っていたの?
でも、勝手にリオレイルと結婚すると言っているだけよ、
誰も本気にはしていないわ」
やはり!
どうやら2巻はすでに始まっているらしい。
ヒロインもこの世界にやって来ているのだ。
しかも、この世界の物語を知った上で。
少し考えた私に、王妃様が続ける。
「大丈夫よ、何も心配ないわ」
その優しい笑顔に。
「そうですわね」
と笑顔で返した。




