5-1
パーティで庭から戻った私達は、
リオレイル様がその場で王に求婚して
了承の返事をもらった事を伝え、王が2人の婚約を宣言した。
普通、父親の許可が必要なのだが、
娘がいいと言ったらいいよ~と父はすでに許可を出していたらしい。
公爵家に仕える人達は大喜びしているし、
次男のレオナルドも認めている。
ちなみに、身体強化を使わなければ、
兄であるレオナルドの方が強いのだが、
例え身体強化が使えた所で、
剣術が疎かだと、まともに剣を交じり合わす事はできない。
お互いの努力の能力を認め合い、
リオレイル様とレオナルドお兄様は、
すっかり打ち解けてしまった。
こんな風に、上手くいっているようだが、
この婚約に複雑な思いを抱えているのが1人、
長兄のアレクセイである。
元々、アレクセイとリリアーナは、
シスコン、ブラコンの関係、
周りから見ても、仲が良すぎる兄妹だった。
リオレイル様以上の結婚相手はいない、
そう思っていても、アレクセイはどこか認められないでいた。
リリアーナがアクアマリン王国で王太子妃教育を受け始め、
しばらく経った頃、
アレクセイがアクアマリン王国の王宮にやってきた。
王太子妃確定の令嬢の兄として、
アクアマリン王国では丁重に迎えられる。
そして、アレクセイとリリアーナが並んで座り、
その向かいにリオレイルが座る。
ちなみに、アンナが私の後ろに、
シリウスがリオレイルの後ろに控えている。
「ようこそ、我が王宮へ、
長旅さぞお疲れの事でしょう」
リオレイルが笑顔でアレクセイを歓迎する。
「リーナの顔を見たら、
疲れなんて吹き飛んだよ、
リーナの為なら、世界の果てまでもいくさ」
「まあ、お兄様ったら」
アレクセイはリリアーナを自分の傍によせその腰を抱く。
リオレイルの顔が少しピクリと動いたが、
笑顔を張り付かせたまま対応する。
「リリアーナ、好きなお菓子を用意してあるよ」
リオレイルが告げると、
「どれだい」
とアレクセイがリリアーナに聞く。
「これよ」
とリリアーナが指を指すと、アレクセイがそのお菓子をつまむ。
「はい、あーん」
リリアーナはいつもの事なので、
何の抵抗もなく、お菓子をぱくりと口に含み、
「美味しい!」
と食べる。
そのリリアーナの髪を兄が撫でて、
嬉しそうな顔をする。
「そうだ、あれを」
アレクセイが指示を出すと、
アンナが公爵家に仕えるメイドに指示を出す。
すると、大きなぬいぐるみが運ばれてきた。
パッチワークが美しく、
いかにも手が込んでいるウサギのぬいぐるみだ。
「まあ、ひょっとすると、
マダム、レティシアのぬいぐるみかしら?」
「そうだよ、大好きだろう」
「お兄様!大好き!!!」
そう言って、アレクセイに抱き着くリリアーナを、
リオレイルが何とか笑顔を保って見守る。
「まあ、ドレスやジュエリーを贈って満足するようではな」
こうして対面は、笑顔で和やかに過ぎたのだった。
まあ、そう思っているのはリリアーナだけなのだが・・・・




