3-4(リオレイル視点)
レイからテレパシーが入ったのは、
アナと泉で食事をしている時だった。
お忍びにの時に使っているレイという存在だが、
レイという男は実際に存在する。
実際に伯爵家の3男で、神経質な男だが、
同年代でありながら自分の側近に選ぶほど優秀な人間だ。
特に書類の分類においては、
その内容を全て把握して分類できる者は少ない。
問題点の指摘も的確で、シリウスとは別の意味で、
信頼を置いている。
時々、入れ替わりにレイを使っているので、
高官からいじられたりして、苦労性でもある。
まあ、苦労の大半の原因は自分なので、
そのうちいい令嬢を紹介しようかなと思っている。
その苦労性のレイからのテレパシーだ。
テレパシーは誰でも使える訳ではない、
テレパシーの魔法がお互い使える上、
魔力を一定受け渡して、チャンネルを開いておく必要がある。
当然、テレパシーでやり取りする人間は限られるが、
レイはその少ない一人だ。
いつも通り、せっぱ詰まった様子で。
「リリアーナ様の2番目の兄上がお手合わせしたいそうです~」
と入ってきた。
詳しくテレパシーのやり取りをすると、
2番目の兄、レオナルドはかなりの剣の使い手である事。
王族と、隣国の貴族では手合わせは難しいので、
この機会に実力を見たいとの事だった。
私の噂を聞き、純粋に強い者と戦ってみたいとも言われた。
アナと楽しく泉にいる時にどうしようかと迷う。
しかし、アナことリリアーナとの結婚を考えると、
兄と仲良くなっておくにこした事はない。
純粋に、隣国の剣士の力が知りたいと言う思いもあった。
しばらく迷って、泉にいる事をレオナルドに伝えるように言う、
手合わせを受けると。
そして始まった手合わせは、自分でも驚く程のものだった。
私は風魔法、水魔法、身体強化、その他防御、テレパシーなど、
様々な魔法を使う事ができる。
私が強いと言われいるのは、身体強化の魔法の所も大きい。
体を鍛えている騎士からすると、
少しずるをしているようで悪い気もするが、
おかげで多くを守れるのだ、
必要な時は遠慮なく使う事にしている。
騎士達に尊敬の念を抱きながら。
そうして迎えた、レオナルドとの手合わせ。
いくら剣を交えるとはいえ、怪我を負わせる訳にはいかない、
あくまで力量を測る為のものだ。
身体強化だけかけ、6割程度の力で剣を打ち込む。
相手がまったくひるむ事がなかった所で、
7割、8割と力を上げていく。
レオナルドは身体強化は使えないようだ、
それでもこれだけ攻撃を受け、また重い攻撃を繰り出せる。
リリアーナが兄が勝つと思い込むだけある、相当なものだ。
内心称賛を送りながら、いきなり風魔法を使う、
水魔法を使ってしまうと、火魔法と相性が悪すぎて、
結界を張っていても、これだけの相手だとリリアーナに、
なんらかの影響が出る事を気にした為だ。
それに、もう少し剣を交えていたい思いもあった。
風魔法で剣の動きが上がったにも関わらず、
レオナルドは剣を受けた。
流石に受けきれなかったようだが、
相手も火魔法を使ってくる。
レオナルドは最初の剣戟で、
私が全力を出していい人物だと思ったらしく、
手加減なしで攻撃してくる。
純粋に自分の持つ力全てをぶつけてくる人物に、
私は剣を交えながら好感を持った。
これからは更に、繊細な攻撃が必要となってくる。
相手とほぼ互角の攻撃を繰り出し、
怪我を負わせず、
自分の実力を認めさせる。
魔法、剣に込める力、身体強化、
全てのバランスを取りながら、剣を交える。
そうして、しばらくした時、
いきなりレオナルドが剣を鞘に納めた。
もう実力は十分分かったというように。
どうやら、レオナルドに認められたと分かり嬉しくなる。
リリアーナだけでも魅力的だが、
公爵家の力、そして兄の力、
全てがリリアーナを王太子妃に迎えるのに相応しいと教えてくれる。
力ずくでリリアーナを奪うのもいいと思っていたが、
こうして周りに認められるのも悪くない、
そう思いながら剣を鞘に納めた。




