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断罪予定の悪役令嬢ですが、隣国の王太子の愛され妃になります!  作者: あいら


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3-3

その後も泉を見て回り、そろそろ帰ろうかという時だった、

いきなり一頭の馬が凄いスピードで突っ込んできた。


そして転げ落ちるように馬から降りた人物を見る。


「レオナルドお兄様?」


二番目の兄、レオナルドだったのだ。


「どうしてここに?」


私の言葉を無視して、レイの元に向かう。


「俺と戦ってもらう」


そう言って、いきなり剣を抜く。


「何を言っているの?レオナルドお兄様!

 お兄様と戦ったら、レイが一瞬で吹っ飛ぶわ!」


その言葉にレイが顔を歪める。


「あまり信用されてないようだな」


レオナルドお兄様はレイがリオレイル・アクアマリンで、

王太子と言う事を知らないのかしら、

あまりの暴言に、狼狽えてしまう。


「大事なリリアーナを任せられるか確かめたい、

 剣を取れ」


「駄目よ、レイ、

 レオナルドお兄様はガーネット王国の騎士でも、

 かなり強いの、しかも火魔法まで使えるのよ、

 怪我をしてしまうわ!」


レイはふーと息を吹くと、控えていたシリウスに言う。


「剣を」


シリウスは頷き、レイに剣を渡す。


え?戦うの?


どうして?


どう考えても、レイに勝ち目はない、

レオナルドお兄様は幼い頃から剣術の才能があり、

それを努力で更に磨いてきた。


そんな兄に勝てる訳がない。


「アナ様こちらへ」


シリウスが距離をとるよう誘導する。


アンナも何も言わず、防御魔法を展開する。


シリウスとアンナの二重魔法、

それだけでも、この戦いが危険な物である事を語っていた。


「そっちから攻撃してかまわない」


レオナルドお兄様が言う。


「では」


とレイが短く答え、剣を鞘から抜く。


キンと剣が交わる音がして、兄が受け止め、

それを払い兄が剣を振る、


それで終わるはずだった。


兄の剣を受け止められる者はほとんどいないのだから。


しかし、剣戟の音は続く。


激しい剣の応酬。


え?あの兄と戦っている?


互角?


信じられない、レイってこんなに強かったの?


体つきからして全然違うのに、

負けていない事が信じられない。


無駄な動きはなく、まるで舞っているかのように、

剣と剣が交差していく。


はらはらして見ていると、

アンナとシリウスが冷静でいる事に気づき、

私も落ち着きを取り戻した。


正直、どうなっているのか分からない、

一瞬で決着がつくと思っていたのに、予想外の展開だ。


ただ、この2人が冷静でいるという事は、

どちらかが手加減をしているか、余裕があるのだろう。


その証拠に、あんなに激しく打ち合っているのに、

真剣でありながら、両者に傷1つない。


そう思っていると、レイの剣がいきなり速度を増した。


風魔法だ!


剣に魔法を乗せ、速度を上げる。


すると初めて兄が防御に回った。


そして負けじと兄も火魔法を使う。


風と火の応酬。


元々激しい剣戟だったのに、更に圧力が加わる。


防御魔法が展開されているので、

私は立っていられるが、

もし防御魔法がなければ、立つ事さえできないだろう。


いつ終わるか分からない戦は、

兄が隙をみて剣を収めた事で終結する。


「ここまでだ」


鞘で剣を受け止められたレイは素直に剣を引き、

レイの剣も鞘に納める。


「ここまでの使い手がいたとはな」


「こちらも慢心していました、

 更に精進する、いい機会になりました」


兄とレイがお互いを称え合う。


結界から出た私は、兄とレイの元へ行く。


「レオナルドお兄様、レイ!怪我はない」


「ないよ」


レイが笑顔で答えてくれて、ほっとする。


「そんなヘマ、俺がする訳ないだろう」


兄が自慢げに答える。


「とにかく、俺はレイを認める」


王族に向かって認めるとは何なのかしら?と思うが、

兄なりの愛情で、

レイが伯爵家3男設定だからこそできる事だと、

無理矢理納得させる。


レイに笑顔を向けられ、どきどきする。


かっこよくて、大事にしてくれて、その上強くて・・


「妹をよろしく、もらってもらってかまわないぜ」


そう軽く言う兄に、レイが答える。


「そう簡単にはもらえません」


その言葉にずきんと胸が痛む。

そう、レイの相手は2巻のヒロイン。


今は現れてないので、私にかまってくれているが、

回復魔法の使い手が現れたら、

魔力だけ強く、魔法の使えない私なんて忘れるはず。


そう、恋したって実る事はない。


この気持ちには蓋をしてしまわないと、

多分そうかな~とか思っているぐらいならまだ間に合うはず。


そう思いながらも、今まで楽しかった思いが、

一気に重いものに変わるのを感じていた。

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