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断罪予定の悪役令嬢ですが、隣国の王太子の愛され妃になります!  作者: あいら


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2-6

フリュイデルのお店に向かう。


市場から歩いて徒歩10分程、

そんなに遠くはないが、横道に入ったせいで、

一気に喧噪がうすれた気になる。


私はこんな場所もあるんだと、

興味深げに周りをきょろきょろする。


「ここだよ」


そうして案内されたのは、

どう見ても普通の家としか思えない建物だった。


レイは迷う事なく、家の横に進みドアを開ける。

するといきなり階段が見えて、2階に上がれるようだった。


レイが先頭に立ち、階段を登っていく。


ちなみに、盗賊団を追い詰めていた騎士達とは別れ、

私とアンナ、レイとレイの従者らしき人の4人だけだ。


レイ、私、アンナ、レイの従者の順に階段上り、

部屋に入ると、そこは別世界。


王族がお忍びで来ると聞いていて、

納得できるだけの豪華な内装がなされていた。


公爵家で見慣れているので、さほど驚かないが、

平民なら足を踏み入れるのも躊躇いそうだ。


「どうぞ座って」


すでに連絡が行っているのだろう、

中央に大きなテーブルが1つだけあり、

椅子は丁度4つ用意されていた。


「ここは元々王宮専属パティシエがしている店なんだ、

 引退したんだけど、王妃がどうしても、

 このパティシエのタルトを食べたいと言ってね、

 そうして、この店を作ってもらって、

 本来は王妃が友人とお茶を楽しむだけの場所なんだ」


椅子に座るなり、砕けた様子で話すレイに、

なるほどなと思う。


元々店として経営するつもりではなかったのだが、

王妃の強い要望で、特別タルトを提供していたのね。


そうなると、今日レイと出会ったのは本当に幸運!


王妃様に愛されるタルト、ぜひご賞味させて頂かねば。


「改めて自己紹介を、私はレイ、彼はシリウス」


シリウスと紹介されたレイの従者が頭を下げる。


「私はアナ、こちらはアンナよ」


「おや、リーナお嬢様と呼ばれていたと思うけど」


う、確かにそう呼ばれたかも。


でも!お忍びに仮名は必須。


一応ちゃんと設定してあったのよ!


「アナです」


私はもう一度繰り返す。


「お嬢様と呼ばれていたので、貴族だよね?」


「下町娘です」


「え?」


レイが不思議そうな顔をする。


再び、


「下町娘です」


とそれ以外は受け付けませんという風に答える。


レイはくすくす笑いながらも、


「分かった、下町娘のアナだね」


と言ってくれた。


誤魔化されてくれたのが分かり、私は頷く。


「さて、タルトは何にする?

 と言ってもタルトのみ、3種類しかないけど」


それを聞いて、私はさっき市場で食べた、

梨のような果物のタルトを頼む。


「ロディオの実が好きなの?」


あら、さっき食べた実、ロディオっていうのね、

そう考えながら答える。


「そうゆう訳ではないわ、

 ただ、市場のおばちゃんが、今が旬と言っていたのよ」


「なるほど」


そうしていると、程なくして、

ウエートレスが4人分のタルトを運んできた。


オーダーを取りに来ていない所を見ると、

どうやら魔法でやり取りしたらしい。


日本でいう所のテレパシーだ。


基本魔法を使えるのは貴族のみ、

レイは伯爵家出身、

れっきとした貴族なので魔法が使えてもおかしくない。


美味しそうなタルトの他に、

紅茶も運ばれてきた。


ありがたく、タルトと紅茶を頂く。


「美味しい!」


市場で食べたロディオはしゃりしゃりしていた、

その食感はちょっと残っている程度で、

全体的にしっとりに変化し、甘味も増している。


甘いカスタードに、甘すぎないロディオ、

その組み合わせは絶品で、

確かに王妃が愛するのも分かる。


「余分な事はしていないのね、シンプル、

 それゆえに誤魔化しはきかない」


私の感想にレイが驚く。


「分かるのかい?」


「まあ、何となくね」


元々パフェ巡りが好きで、甘味はさんざん食べてきた。

それに、プリンやケーキなんかは自分でも作っていた、

そうした経験から、何となく作り手の事は想像できる。


「君は不思議だね」


「貴方程ではないわ」


王妃だけが本来利用できる店、

そこに急に来れるだけの立場。


間違いない、この男性はこの国の王太子、

リオレイル・アクアマリン


こんないい男と結婚できるなんて、

2巻のヒロイン羨ましすぎる!


そう考えていると、レイが何か考えている顔をしていた、

それに気づき声をかける。


「どうしたの?」


「いや・・・」


少し迷った後、ぽつりと言う。


「妹にも食べさせてあげたかったなって」


「妹さん?」


2巻の内容を思い返す、

あ~そういや王族にはもう1人年の離れた妹がいて、

体が弱かったんだっけ・・・でもそれは・・・・


「小麦を食べなければ大丈夫です」


つい口から言葉が出てしまい、はっとなる、

ちょっとヤバイかも?


「小麦?」


「いや、ちょっとそう思っただけで・・・」


しかし、レイの視線が誤魔化されてくれそうにない、

仕方なく話を進める。


「私の周りに、ある特定の食べ物を食べると、

 体調を崩す人がいたのです、

 多分、妹さんの場合小麦かなと」


怪しい・・・本当に怪しい・・・・・・


自分で言っていてかなり無理があるなと思う。


だいたい、この話は2巻でヒロインが、

王女が小麦アレルギーである事を見抜き、

評価を上げる内容なんだよね~


やらかしちゃったよ~


黙り込むレイとシリウスに。


「ま、駄目でもお金がかかる訳でもないし、

 試しにやってみるぐらいでいいんじゃないかしら~」


流し目で答える。


「どうしてその情報を・・・」


突っ込んでくるシリウスに。


「女性のネットワークをなめては駄目よ」


とだけ答える。


「とにかく、小麦なのよ!」


同じ事を2度繰り返す時は、

それ以上答える気がない、

それを察してる2人は、それ以上何も聞いてこなかった。


ああ、あぶない。


そう思いながらも、紅茶を喉に流し込んだ。

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