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俺のLVは上がらないのに、  作者: 松戸真 寿司
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~謎の勢力~ -25. 天敵襲来 その10







 次の一手に備えながらも、アンガムは周囲を冷静に見渡す。

盾のアーマルデ・ロイデンらへの牽制攻撃はより激しくなり、更にはこっちを攻撃する連中の動きにも変化が見られた。

恐らくだが、大技に備えているのだろう。

しかし、状況の変化は僅かな間を生じさせてもいた。

そして、その変化を敏感に感じ取った者が一人、その機会を最大限に活かすべく動き出す。


「どけっ!」


敵の動きに僅かな緩みを感じた瞬間を、マツリカは見逃さなかった。

それに呼応するかの様に魔装騎士達は動いたが、これが鈍い。

それでも、僅かな隙間を縫ってマツリカが踏み込む。

鋭い斬撃はエレメンタリスの一人を捉え、一瞬だけ蜃気楼の防壁が彼女の剣を受け止めたが、尚も踏み込んだ一撃が遂に割って入るとそのまま両断する。


「おおっ!」


途端に上がる雄叫び。

騒然となる敵。


「ば、馬鹿な。アーマルデ・ロイデンの攻撃が届いただと・・・・?」


当然の疑問を口にした敵だったが、直後に飛び退き、直ぐ様激しい炎が辺り一帯を飲み込む。

遂に、フォービの大技が繰り出されたのだ。

 攻撃準備に入っていたフォービの首の一つが、強力な広範囲攻撃を放ち、周囲は一瞬にして火の海に包まれた。

それはターナとイユキだけではなく、フォーメルたちや、それと戦っていたはずのアンガムの仲間にも到達する。

が、アンガムの仲間達は、それに呼応するかの様に攻撃を放ちながら跳躍し、安全圏へと逃れた。

それにより釘付けとなったフォーメルたちは、まともに攻撃を喰らい二人があっという間に燃え盛って絶命する。


「集中しろ! 防御力を最大まで上げるんだ!」


絶望的な状況にあって、フォーメルは尚も指揮をとろうと試みる。

強力な魔力による炎は、魔法防御越しにも熱さを伝え、更には食い破って侵入せんとジリジリと迫ってくるかの様だった。


どこまで耐えられるのか。


ふと、彼は何時の間にか自分の守る対象が、マツリカに絞られている事に気が付く。

敵に切り込んだはずのマツリカは、何時の間に戻ったのか、ちゃっかりとフォーメルたちの円陣の中に退避している。

それを見て彼は一瞬、改めてアーマルデ・ロイデンと言う人ならざる者の為に命をかけるのを変だと思ったが、戦う仲間と言う意識があった為に不思議と受け入れもした。

そして、攻撃本を見てみれば、もう一つの首が更に攻撃する準備に入っており、フォーメルは自分の最後を覚悟する。

 フォーメルたちに続き、絶体絶命であったのがイユキたちだった。

攻撃の起点より、ある程度離れていたフォーメルたちでさえ、防御する事すらギリギリであったのだ。

その中心に居る彼女たちは、それとは比べ物にならないダメージを負う。


「う、くぅ・・・」


「イユキ、イユキ!」


強力な魔法の炎はイユキを容赦なく蝕み、ドレスがそれを示すかの様に端からボロボロになって行く。

それでもイユキはターナを抱きしめ、彼女を守る事だけに集中した。

攻撃を喰らい周りからジリジリとダメージを負う中、背中が比較的ダメージを負っていない事に気が付く。

盾は敵の攻撃を完全に遮断できているのだ。

それを知った途端、イユキは体を入れ替えてターナを盾の裏へと押し込んだ。

本当であれば攻撃の機会を作る為、ターナの自由を奪うことは避けたかったのだが、自分の力だけでは耐えきれないと覚悟した末の行動だった。

ある意味、敵の攻撃はイユキの想定を超えている。

そして、盾越しに敵の追撃が放たれ様とする気配を感じた時、イユキは思った。


(駄目かもしれない)


自分がこれで消滅するであろう事を、彼女は強く感じ取る。



「勝ったな」


アンガムは一人呟いた。

アーマルデ・ロイデンが相手では、ある意味当然の結果であったはずなのだが、予想外の敵の戦いぶりに、この程度に苦戦したと言う事が許せない思いもあった。

 実は一段目の大技は、十分な充填を行わずに繰り出さざる得なかった。

何故なら、妙な鎧を着たアーマルデ・ロイデンに、仲間の一人が切られたのを見てカバーする為に、半ば急場凌ぎで放ったからだ。

結果から言えば、それは目的を達する事はできなかったと言える。

仲間は救えなかったし、雑魚を二人ほど燃やしはしたが、目標は逃げおおせたからだ。

これをあのソライに見られでもしていたら、嫌味を言われたかも知れない。その姿を容易に想像する事ができて、アンガムは苦笑する。

 とは言え、二撃目をフルパワーで放つ時間は十分に稼げた。

一撃目とて、考えなしに使った訳ではない。

実際、連中は完全に逃げ道を失っている。

この状態では、かわす事も守る事もできないだろう。

フォービの攻撃力は絶大だ。生半可な策ではどうにもできない。

勝利への結果は、当然の様にしてアンガムの元へ転がろうとしていた。

 しかし、その勝利への確信が、アンガムに僅かな隙きを生み出したのだろうか。

目の端に屈む姿勢を見せた大鎧を捉えていたのに、彼はそれに注意を払う事を怠ってしまう。


 ノロマが何をしようと無駄だ。


距離的な事も含めて、何かして来ても十分に対処できると考えたその時、目の端から突然緑色の塊が飛び込み、そして二撃目を放とうとしていたフォービを、大鎚で下から上へと殴り飛ばす。

正に攻撃が放たれる寸前と言うタイミングで殴られたフォービは、攻撃を上空へと放ってしまい、無駄撃ちとなったそれによって空が一瞬で真っ赤に染まる。

空振りに終わった攻撃だが余波は凄まじく爆風の様な物まで発生させた物の、それらは全て標的に届く事は無かった。

それどころか、体制を崩されたフォービの攻撃は、全て中断されてしまう。


「馬鹿な!」


驚きながら飛び退いたアンガムは、状況の把握に努めようとしたが、軽く混乱してしまい動揺を隠せない。


(今までの鈍い動きは、こっちを油断させた? いや、それよりも、アーマルデ・ロイデンの攻撃が、エレメンに通っただと!?)


複数の事柄と予想外の出来事に、頭がかき乱される。

普通、アーマルデ・ロイデンの攻撃であれば、エレメンには素通りするはずなのだ。

あの変な鎧の戦士がやっているのがそれだ。

形が崩れると言う現象は起こる様だが、大した事はない。

そう思っていたのに、明らかにこの緑色の大鎧は、フォービに打撃を与えていた。


一撃を浴びせた大鎧は、重力に引かれて落下する僅かな時間に、更に二度、三度と攻撃を繰り出してフォービを殴打する。

それを見て冷静さを取り戻したアンガムが、炎のムチを振るった。

直撃したムチはしかし、鎧の分厚い守りに弾かれて明らかに効果がない。

直後、フォービが前足の一つを振るって大鎧を叩き落とす。




「がっ!」


「くぅっ」


敵の攻撃によって叩き落とされた俺とリディはしかし、上手く着地には成功するが、相殺できない落下の衝撃に襲われる。

敵の攻撃は効かないのに、物理的な法則には抗えないらしい。

もっとも、あの高さと力で叩きつけられたら、普通、俺は死んでもおかしくないので、やはり無傷なのはリディのお陰なのだろう。

だが、それとは別のダメージが俺にはあった。

 リディの鎧を自在に扱える様になったのは良いが、コイツを動かすのは凄まじい重労働だったのだ。

一回の突進と攻撃で、俺はかなりの消耗を強いられていた。

まるで、数百メートルを全力で走ったかの様な疲労が襲ってくる。

ただ、肉体の疲れと言うよりは、どっちかと言うと深部にそうした感じがあるので、魔力的な問題なのかも知れない。

レベル1の俺が操るには、やはり無理があるのか。

 しかし、泣き言など言っていられない。

攻撃してみて分かったのだが、あのフォービって奴は防御力も相当に高い。

全力でぶっ叩いたつもりだったが、感触的には大岩にでも打ち込んでいる感じでダメージを与えた気がしない。

実際、あれだけの攻撃を受けたと言うのに、まだ健在さを保っている。

それと、今は既に変化は見えないが、微かにアンガムの背後にある魔力を供給する穴が明滅した様な気がした。

恐らく何らかの作用を及ぼしてはいるのだと思うが、打撃程度ではどうも効果的な変化を与えられない様だ。

やはり、ここはブレンダン・バーズが必要だと俺は考える。

フォーメルが言った水たまりを破壊する攻撃なら、ハイドエレメンにも通用するかも知れない。

だが、俺に撃つことができるか?

何より、向こうも大人しく喰らってくれるとも思えない。

俺は必死に考えようとしたが、その暇すら敵は与えてくれなかった。

 次々と火炎弾が降り注ぎ、炎のムチが振り下ろされる。

一回の動作にかなりの消耗を強いられる俺は、回避する余裕もない。

幸いだったのは、ターナとイユキへの注意が逸れている事だ。



「ご主人様」


「我が君」


「「来るな、二人共。アシュレイの所まで下がれ。これは、命令だ!!」」


駆け寄ろうとしたターナとイユキに強い口調で命じたが、二人はビクッとしただけで、まだ迷っていると言う感じで留まろうとする。

アニーズで確認すると、イユキは『損傷・大』となっており、ターナも小判定となっている。

イユキがターナを守ろうとしたのだろう。

これ以上、無茶をさせる分けには行かなかった。


「行け!」


二度目の命令により、ようやく二人は弾かれる様にしてその場を後にした。

さて、ここからどうするかだ。


 フォービの攻撃が放たれる瞬間、フォーメルは何もかもが終わったと思った。

しかし、奇跡は起こった。いや、最初からハルタの狙いがこれであったのか。

ハイド・エレメンから止めの一撃が放たれようとした正にその時、大鎧が異常な速度で突撃、そして叩きのめすと言う芸当をやってみせる。

その光景に、仲間からも歓声が上がった。

恐らくだが、皆、単に敵の攻撃が遮断された事だけに声を上げたのではない。

アーマルデ・ロイデンがエレメンに干渉したと言う事実にも驚いたのだ。

そして、あれだけの重量があるものが、これだけの速度で動くと言う事にも何かしらの希望を見出したのだろう。

あれがハルタの言っていた切り札なのかもしれないが、喜びがある一方でフォーメルは、やはり一手足りないと心の中で零す。

実際、繰り出された光景こそ派手ではあったが、肝心のハイド・エレメンは大してダメージを負っていないのが分かったからだ。

ただ、こちらが生き残る時間が延びたのは、確かに感謝すべきだろう。

もっとも、敵の追撃に対して次の策があればの話だが。

事実、敵親玉の攻撃が不発に終わり、更には完全にかき消されたと思った瞬間、退避したはずのエレメンタリスたちが間を開けずに攻撃してきたのだ。

この辺は、流石と言うべきか。

仲間の死と思わぬ反撃に多少は動揺した様だが、直ぐ様立ち直ると、連続した攻撃を一層激しく繰り出してきた。

それに対し、フォーメル達は再び防御の体制を取るが、今まで以上に辛い状況へと追いやられる。

 その敵の攻撃を見て、マツリカは、明らかに動きにブレが生じているのを見出していた。

それは味方を失った事も少なからずあったかも知れないが、何よりも侮っていた相手の攻撃が届いた事にもあるのだろう。

警戒してか、踏み込む範囲に甘さを見て取る。

 そのマツリカの見立ては間違っていなかった。敵エレメンタリスは、今まで信じ込んできた事が次々と覆す様な事が起きた事に、少なくない動揺を持っていたからだ。

 アーマルデ・ロイデンも言ってしまえば魔法武器の一種である。

少なからず魔力を持った攻撃を行う事ができるが、それは魔法を専門とする分野から見れば微々たる物であった。

アーマルデ・ロイデンの魔力消費の多くは、その体の維持に使われる為、他に回す余裕が無いと言うのが一般的な説だ。

故に、アーマルデ・ロイデンがエレメンを倒す手段があるとすれば、その体を持って自爆するしか方法が無いと言われているが、それでも発動には時間がかかる為、見切るのは容易い。

 だが、この相対したアーマルデ・ロイデンは、明らかに魔力の流れを剣に乗せると言う芸当をやってみせている。

エレメンタリス、或いは魔法を使える者は魔力をある程度感知できるし、手練であればそれを見る事もできた。

それだけに彼らには疑問が付きまとっていたのだ。

この程度の魔力で、どうして自分たちの魔法防御を突破できたのか?

侮った相手からの説明のつかない攻撃手段に、彼らの連携は乱れ始めていた。

 その敵の変化をマツリカは敏感に感じ取る。

それは非常に微妙であり、余程注意していなければ見抜けなかっただろう。

実際、フォーメル達はそれに気が付いた様子はない。

その状態で、マツリカは再び敵の動きを冷静に感じ取る事に集中する。

 妖刀の魔力は、今のマツリカでは制限がかかっていて、完全に引き出す事はできない。

ダオウルルズを始めとした敵から吸い取った物をを上乗せする方法もあるが、元より、今の自分には大した容量が無い上に、敵から吸いとった血やら魔力の多くは質が悪い。

マツリカ自身の容量を含めた吸収能力は、結局はハルタの血によって担保される為、彼から取り込んた血以上の事はできない。

ハルタ以外の敵の力を吸収したとしても単純な力の変換で比べれば、同じ量でもそれは微々たる物に過ぎないのだ。

こうした事を見ても、如何にハルタが特別であるかが分かる。

 そうした事情を考えれば、今の状態では、どの様にして切り込んでも力負けするだろう。

しかし、何度か攻撃した事で分かった事もある。

敵が使う魔力による作用は、均一では無いと言う事だ。

 これまた僅かなので気が付くのには時間がかかったが、奴らの蜃気楼状の防御壁には、ムラの様な物が存在する。

言わば、強弱が混ぜ合わさって展開されているのだ。

それは本当に僅かな隙間ではあったが、上手く滑りこませれば、今の妖刀の魔力でも切り裂く事ができる。

マツリカはそう確信し、実際に成功させてみせた。

後は、これを繰り返せば良い。

少々時間がかかり過ぎるのと、結局エレメンに対して有効なダメージを与えられないのは気に食わないが、ハルタの力を使わない状態での解決策としては上々と言えよう。

特に、動揺したのか敵の動きが乱れ始めた今なら、もはや敵ではない。


「ハッ!」


マツリカは、気合を入れ直すかの様に気を吐いた。




「オラァ!」


雄叫びに気合を乗せ、俺は再び鎧を突撃させる。


「ブラットン!」


フォービの火炎弾攻撃に合わせて、俺は必殺の一撃をカウンター気味に叩き込んだ。

本来、空中で放つ技では無い為か、十分な力が得られないのを感じる。

だが、出し惜しみしている場合じゃない。

しかし、案の定パワーが足りないのか、多数あるフォービの一つがしてきた頭突きによって俺の攻撃は相殺された。

追撃を繰り出すもかわされ、逆に反撃を受けて再び地面へと落下、そこへ敵が容赦なく攻撃を浴びせて来る。


「ぐ・・・はっ」


かなりの疲労に息をするのも苦しい。攻撃を無防備に喰らっているのは分かっているが、どうしようもない。


「主君よ、大丈夫ですか」


その俺を心配してリディが必死に呼びかけるが、それに返事をする余裕も無かった。

 このままでは不味い。

やはり、アーマルデ・ロイデンでは、エレメンタリスには勝てないのか。

そう思っていた時、マツリカが敵を切り伏せるのが目に入った。

魔力の流れからして、本当に力を温存した状態で成し遂げたらしい。

しかも、今切った者と合わせて倒したのは二人目のはずだ。

勝てないと言われていたのに、マツリカは見事にそれを覆して見せた。

これで奮い立たない方がおかしいだろう。

俺は、限界を迎えつつある自分にムチを入れた。

 が、現状は甘くは無い。

全力を出してやっと互角に持ち込めるかどうかのコチラに対し、フォービとアンガムと言う敵は力を余る程に残している上に、その状態で取る行動の一つ一つが上を行く。

大体、空を飛んで移動できると言う時点で、機動力に差がありすぎるのだ。

観察していると、アンガムとフォービは一定の高さに留まったままなので、これ以上は高く上がれないのかも知れない。

そうであるなら、こっちもドノロファル戦で見せた様な動きを連続で繰り出す事ができれば、或いは連中の肝を冷やす事もできたかも知れないが、今の俺には無理だった。

水中で息を止めるがの如く、機動性を上げていられる時間には限界がある。

しかも、一回行う度にかかる疲労は半端ではなく、次第に持続できる時間も短くなって行く。

それでも気合で何とか持続時間を伸ばす様にし、敵に気取られない様にしているつもりだが、どうもバレている気がする。

相手の動きに余裕が見え始めたのだ。


 ハルタが危惧していた通りに、アンガムは既に大鎧の動きには制限と限界がある事を見抜いていた。

その巨体に見合わないスピードは確かに脅威ではあったが、繰り出せる時間が大体決まっており、更には次の行動に移るにも一定の間隔が存在している。

恐らくだが、何かしらの力を行使するのに溜めが必要なのだろう。

そして、その力も発揮していられる時間が決まっている。

エレメンに打撃を与えられる事と良い、最初こそ驚かされたが、所詮はアーマルデ・ロイデンと言う事か。

アンガムは再び自分が有利な立場に立てた事を確信した。

一方で、味方がアーマルデ・ロイデンに切り倒されたのを見て、憎悪の様な物がもたげて来る。


(ただ殺すだけではつまらん。 あの勇者って奴を引きずり出して、息吹の火で半永久的に苦しめてやる)


 息吹の火。

それはフォービを介して使う魔法の一種であり、相手の体の中に魔力のこもった火を燃え上がらせ、その肉体を媒体として徐々に燃やすと言う攻撃方法であった。

しかも、その火は媒体とした者に同時に生命も与える為、喰らった者は最後まで苦しみながら死ぬと言う残酷とも言える方法だ。

実際、アンガムは拷問に良くこれを使っており、その与える苦痛を十分に理解していた。

ただし、発動させる為には、やはりある程度の溜めが必要であるのと、フォービの7つの首に同時に噛みつかせる必要もあった為、戦闘中の攻撃手段としてはいささか使い勝手が悪い。

故に、彼はこれを拷問用としていたのである。

 いや、どうせなら、他のアーマルデ・ロイデンに使っても面白いかもしれないとも彼は考え始める。

アーマルデ・ロイデンはただの人形に過ぎないと聞いてきたが、目の前に居る連中は表情が豊かだ。

痛みを感じるかどうかは別として、マスターである者と一緒に苦しめて処刑すれば、どんないい顔をするだろうと想像すると、今までの不快感が消え、むしろ愉悦が彼を満たして行く。


(楽しみが増えたな)


そう考えたアンガムは、先ずは眼の前の敵を片付ける事に全力を注ぐ事にした。


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