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俺のLVは上がらないのに、  作者: 松戸真 寿司
37/81

ある者の

しばらく更新を休みます。

再開は7月頃の予定。





 個■■メ■ 056■■-A■関■

■ ■■-■ 感■ 用や■ ■■■ 推■■■■

■ ■■ファ■■ 名■■ ■ ■ シシ■■■■ ■■

マ■■ノ■■ 急■■■■■ 


■■が■■■ 仕様■■■ ■■■

危■■■■ 要■■■

ハ■■ 主任 ■■次 ■■■■ ■■■


■■■ 要■■■■■■、■■■■■■さ■■■■■

■■■を■■■■。

■■■■来■■■、■■■■■■■■


絶■反■し■■■■、■■利■■を■■■

まとめ■には、■が最適とされた。


以上を持って、今後■事については■任するので、■て意味がない。




 終末暦32年4月22■


西暦にして大凡■024年位にな■だろうか。年数を含め、月日はかなり適当である事を付け加えておく。

何せ、基準と■る情報が全て失われた為、正確な暦が分からないの■。

因みに終末暦とは、私が勝手に考えた■■。

今の混乱した世界では、正式な呼び方が殆ど無い。

あるにはあるのだが、それらは為政者どもが人気取りの道具として乱立させた物なので、使う気にはなれない。


もっとも、今の世界は別の要因で様々な事がネジ曲がっているらしいので、どんなに観測をやり直しても正確には導き出せないのだから、どうやったって正確な年数は導き出せない。

だから、勝手な暦を作っておく。

変な呼び方だが、ここに記す事は、少なくとも終わりの始まりなのだから、個人的には皮肉が利いていて気に入っている。



この日付や年数が後で読む者にとって意味ある物かは分からない。

だから本当は書かなくても良いのかもしれない。

だが記録・・・いや、これは単なるメモ程度だが、何かの参考になるかも知れないので、できる限りの情報を入れておく。


私の名は、、 ここでは、書かないでおく。

私の名を書いた所で、後の世界の者は知りようがあるまい。


何故なら、我々は滅びる。

その後継たる者たちが居なくなるであろう世界で、私の名前だけが残るのは寂しい。

だから、私の名は記録しないでおく。



滅ぶと書いておきながらも、今から書き記す事は生き残りをかけた記録でもある。

幸いと言って良いのか、我々は辛うじて抵抗し、まだ生きる事を許されている。

そして私は、我々の生存を脅かす敵を打ち滅ぼす為の武器製造に関わっている。


本当は、その敵は呼び込まれたものであり、我々とは直接的な関係は無かった。

そこに私は、ある時から違和感を感じるようになった。

だから、ここに記録しようと考えたのだ。


ここに記す事は実はある時点から唐突に思い付き、書き残そうとしたものだ。

それ故に、その前から行われていた幾つもの研究、実験、そして戦いの記録は端折る部分も多い。

それ以前の事に付いては、書くかも知れないし書かないかも知れない。


いや、恐らく書かないだろう。

何せ、それ以前の事は、私自身の愚かさの告白にもなるからだ。

それとて、実は確証がない。

利用されたのか、それとも本当に偶然の出来事であったのか判別がつかない部分が多いからだ。

故に、書かないでおく。


ついでに言っておくと、この世界での記録媒体の殆どは専用の機器がなければ読み解く事はできない。

だから私は、敢えて紙と言う物に記録を残す事にした。

紙と言っても特殊な素材なので、理論上は数千年以上は原型を留めておけるはずである。

これとて、必ず残るとは言い切れないのだが、運良くこれを手にする者が居たなら、過去に何があり、そして何者が居たのかを知っておいて欲しい。


我々の開発している物、それはマニトウと言う非常に強力だが、危険な武器である。

以降の事は、これの開発と周囲で起きる状況に付いて記録しておく。

因みに、これを書き残す以前だが、大体が失敗し、多くの犠牲が出た。

敵を倒す武器で我々が被害を被っているのだ。

そして、その武器自体も色々と不審な点が多く、それ故に我々は滅ぶだろう。

もっとも、これ自体で滅ぶという理由ではなく、これを使って戦う選択をしたが故に滅ぶ可能性が高いのだ。




 4月26日。天気、晴れ。


マニトウ、180号機が完成した。今回はかなり安定している。

素材を提供した班たちは相当苦労を重ねた様で、全員が酷い有様になっていた。恐らくだが、殆ど寝ていないのだろう。

かく言う私も、睡眠時間はかなり削られている。

素材が確かであれば、力の奔流も抑え込めるはずだ。


マニトウとは刀剣である。

銃や大砲さえある我々が、今更この様な武器を作るとは思っていなかったが、これ自体は唯の刀剣ではない。


ナノテクノロジーに始まり、極小あるいは融合型電子頭脳の搭載、縮退炉に力場変換発生装置など、まさにオーバーテクノロジーの塊である。

それを成している物こそが、「彼ら」から提供された超技術である。


超技術・・・高度な技術は魔法と区別がつかないと言うが、「彼ら」のそれは魔法と言って過言ではない。

実際、我々の持つ幾つかの技術は、それによって観測できない領域での融合や統合が可能となり、不可能を可能とした。

その恩恵に我々は歓喜したが、同時に落胆も覚える。

「彼ら」がその超技術を提供する変わりに求めた見返りは、敵を討ち滅ぼす武器を作ることだったからだ。


実質的に、「彼ら」の力は武器を製造する時に限って提供された為、我々自体の恩恵は少なかった。

いや、確かに色々な面で「彼ら」から与えられ、それによって直近の滅びは回避されはしたのだが、私は状況を冷静に分析していて、更に不味い事態に陥っているのではないかと考える様になっている。


マニトウ計画は、下手をしたらかつて我々を滅ぼした悪しき炎よりも恐ろしい武器となる可能性もある。

そして、それを持ってようやく対峙できる敵の存在。

我々は、退いても進んでも地獄へ向かう選択をしたのかも知れない。




 4月27日 天気、雨


実験は失敗に終わった。

いや、武器その物の完成度は完璧であった。

しかし、それを使う者が暴走し、最終的には安全装置で武器諸共消滅した。

データは取れたが、これでは何時もの繰り返しである。

制御は完璧だと言っていたのに。



 

 5月3日 天気、塵


外は塵による嵐が酷く、塀の先が全く見えない。

恐らくだが、戦闘による余波だろう。

防御装置が作動しているので影響は無いが、我々の世界が迎えた終末期を思い起こさせるので、この塵の日は嫌な気分にさせられる。


我々の計画は、データ上のモデル181から195を挟み、196の試作を次回に向けて製造する事が決まった。

また、委員会による別プロジェクトの発足が発表される。

計画名は「レジリオルノ」だそうだ。

「彼ら」の言葉で、何かしらの特別な戦士の事を指すらしい。


後もう一つ。

我々のプロジェクト、マニトウを「彼ら」は別の名称で呼んでいる様だ。

思わず口をついて出たと言う感じだったので、ハッキリと聞いた訳ではないが、何かの意図を感じなくもない。

ただの思い過ごしだと良いのだが。




 6月24または27日 天気、曇


マニトウ、モデル196が完成した。

出来上がり自体は完璧だ。

各種のテストもクリアした。それどころか、数値のみで見れば過去最高の能力を持つ。

鍛え上げた連中も納得の出来で、とても喜んでいた。

後は、人が持って上手く使えるかどうかである。

制御系に携わるチームによると、今回は幾重にもプロテクトを実装し、安全装置も完璧にしたとの事。

少なくとも、暴走による失敗はありえないと言っている。

これが上手く行けば、敵を必ず倒せる。


進むのが地獄と書いたが、少なくない希望を、私は今感じている。





、、



7月、


書く、、、







 7月 多分中頃


何を書いて良いのか。


先月は、上手く行くとか希望とか書いた気がしたが、全て徒労に終わった。


モデル196号の起動実験は、失敗どころか大変な惨禍を引き起こす重大な事故へと発展した。

多数の死傷者も出ている。

私も含め、生き残った者は互いの失敗を擦り付ける醜い争いをしている有様だ。


総合的に関わっているとはいえ私の主な仕事は、この計画における使用者の選定、育成だ。

それ故に、大部分における責任が我々にのしかかって来るが、物自体の制御が完璧と言ったのはコチラではない。


・・・・正直、責任の所在がどこにあるのかが、自分にも分からなくなってきている。

そもそも、未知の技術を理解しないままに利用しているのだ。

超技術を提供した側でさえ、我々の発想と技術にピンと来ていないので、問題がどこにあるのか検討すらつかない。

彼ら自身、その力を理解してはいないのでは無いだろうか。


敵の攻撃も激しくなっており、噂では最低でも一つの拠点が陥落したと言われている。

ここはまだ大丈夫らしいのだが、逆に内部にとてつもない危険地帯を抱え込んでしまった。

モデル196を手にした被験者は今も活動を続けているらしいが、既に生命反応は無い事も確認されている。


安全装置は一体どうしたというのだ。

そして、なぜ使用者が死んだのに動ける。

一帯は特殊シールドによって閉鎖され、一切の立ち入りが禁止されて危険地帯として指定された。


現在、この危険地帯への対処と対策が急ピッチに進められている。

話では例の新プロジェクトを動員するとかで、これによってモデル196は破壊、廃棄される事が決定した。


このままでは、計画の存続すら危ぶまれてくる可能性も出てきた。




 10月10日 天気、曇


危険地帯の解除がようやく成された。

システム「レジリオルノ」を動員した問題解決は、当初は効果的に行われると思われた。

しかし、蓋を開けてみれば主力が行き成り大ダメージを負って後退するなど、色々な意味で問題を後に残す結果となった。


今回の事件を受けて、委員会も含めてプロジェクトチーム全体が揺れている。


何せ、マニトウ本体の破壊には失敗したのだ。

沈静化した後、厳重に取り扱って今は保管されているのだが、まだ本体は起動状態にある為、予断を許さない。

これにより、レジリオルノプロジェクトも見直す声が上がっているとか。


一方で、マニトウの力は本物であるとされ、その活用の仕方においても議論が別れている。

だが、制御しきれないのでは話にならない。

今回は何とかなったが、下手をしたら敵よりも先に我々が滅ぶ事になる。

私個人としても、この辺りは複雑だ。


一つだけ収穫があったとしたら、素材だけは確かであったと言う事だ。

破損したと言う話もあったのだが、私が見た時には既に自己修復が済んでいた。

少なくとも、力の開放においては耐えうる土台を手に入れたと言える。

後は、使いこなすだけなのだ。




 10月30日 天気、塵


我々プロジェクトチームに、新たな方針が示された。

モデル196の素材を元にして、力を抑えたタイプを作る様に指示された。


言わば、性能を落とした廉価版開発にシフトしたという事だ。


これまでは敵の強さに対抗しうる武器を作るのが命題となっていたのに、ここに来て数の力に頼る方針に変えたらしい。

だが、それで本当に良いのか?


敵の強さは尋常ではない。

我々が想像していたよりも、奴らは何百倍も強力で残忍で狡猾だ。

我らに力を貸し与えた連中の力も十分に強力だが、それを上回っている可能性すらある。

実際、我々が持つ武器で対抗しきれないので、「彼ら」の力を借りて・・・・いや、使わされて新たな武器を作る計画を立ち上げたというのに、中途半端な物で、果たしてどこまで対抗できると言うのか。


一応、例の新プロジェクトがメインとなり、我々の計画はその補佐ともなるらしい。

故に、兵士その物の調達は心配しなくても良いと言う事だ。

だが、マニトウの力を引き出す為には、人の力が重要となってくる。

何故なら、そう設計してあるからだ。

紛い物では、例え廉価版であっても、力を発揮できないのではないだろうか。




 12月10日 天気、暑い


晴れてないのに暑い。異常気象だ。塵も多い。不快だ。


マニトウ計画は、データは取れたのでモデル196は破壊される事が決定した。

相当なマンパワーを必要とされるらしく、わざわざ専属のチームが結成された。


そして、我々の新しい計画、廉価版マニトウは順調と言える。


力を抑えた事で安定化したばかりか、暴走の危険性も嘘の様に消えた。

何より予想外であったのは、想像以上に高い戦闘力を保持できている事だ。

ただし、紛い物の兵士以外で使った場合に限るが。


しかし一方で、廉価版とシステムレジリオルノとの相性は最悪に近く、特に主力は一度敗れた事によって何かしらの影響が出たのか、廉価版を破壊しようとすらした。

これは私見だが、この主力装置もまた、安定性を欠いている様に見える。



 12月中旬


モデル196の処分が完了したらしい。

何か問題があったと言う話も出たのだが、それ以上の情報が出てこない。



 同月下旬


廉価版の挙動がおかしい。

量産の認可はまだ下りていないため実働中の物は数本に過ぎないのだが、その中から暴走に似た兆候が見られる様になった。


ただし、これは紛い物に使わせた場合であり、人だと概ね安定している。

もっとも、これ以降、人が使っても似たような挙動が報告されており、暗雲が立ち込めてきた。

制御に関してはどうにかなっているので、特に事故などは起きていない物の、今後に不安が残る。




 終末暦33年1月


試験運用中、システムレジリオルノの主力が勝手な行動を開始。

これを廉価版を持って何とか封じ込める事に成功した。


この結果を受け、廉価版は紛い物の兵士ではなく、人が持って扱う方針に一応決まった。

ただ、これには一抹の不安を覚えざる得ない。

本来、我々は対抗方法の開発と提供をするだけという話だったのに、今では前面に出て戦わされようとしている。


実は、これによって図らずしもシステムレジリオルノの力が確認された為、再評価されており、ここに来て2つのプロジェクトが対立する構図が出来上がってきた。

こんな事をしている場合では無いと言うのに。



 1月20日頃 天気、穏やか


塵が見えるが、何時もよりは少なくて穏やかだ。

この光景も見慣れてきた為か、その複雑な模様が逆に面白いと感じる部分もある。

もっとも、この塵は敵の攻撃が活発化している証拠でもあるので、呑気に見ていられる物でもないのだが。


昨日、同僚と久々に飲む機会があった。

彼はレジリオルノプロジェクトの一員で、立場的には対立関係にあるのだが、酒の席ではその垣根を取っ払う事ができた様だ。

まあ、対立していると言っても便宜上のものであり、本当はどっちも我々には必要なのだから、潰し合う事自体が間違いなのだが。


同僚の話によると、レジリオルノプロジェクトは非常に不味いらしい。

特に、主力の制御が段々と難しくなっているらしく、現在、それに対するカウンターシステムの構築に忙しいと言う。

ただし、それもどこまで機能するのか分からないらしく、彼は嘆いていた。

その嘆きには「彼ら」の技術のブラックボックスに関する開示も含まれており、何時までも不明確な状態で何かを作るのは、限界どころか危険であると言っていた。

それは、私も賛同するところだ。


ここで「彼ら」について、少しだけ書いておく。

その正体は単純な言葉で表す事もできるのだが、私はそれを良しとしないので、その言葉は敢えて使わない。

いや、昔の私ならば嬉々として使っていただろう。

「彼ら」は、その存在自体が別次元と言える物であり、実際に違う世界から来たのだろう。

少なくとも、我々よりは高度であり、それは生命力や能力にも及ぶ。


知識や知恵といった物を膨大に蓄え、更には我々の理を超える技術を持っていて、それを湯水の様に使う。

しかも、その一部を我々にも利用できる様に簡単に構築して見せたのだから、まさに・・・・いや、やはり断定はすまい。


だが、それなら「彼ら」は何故、我々に協力を求めたのか。


以前、似たような事に関するレポートを見た事がある。

それによると、彼らのアプローチでは敵には相性が悪いとあった。

そこで、別系統な思考を持つ我々に助けを求めたのだそうだ。

しかし、それすらも漠然としていて、何かを隠している様な印象を受ける。


これまでを振り返れば、「彼ら」は必ずしも我々の味方とは言い切れない。

どれ位の者が、その事実に気がついているかは分からない。

もしかしたら、私の被害妄想という事もあり得る。

しかし、過去において救い主を自ら名乗る輩は、大抵は利用する側である事が多い。

真に導く者であれば、我々を尖兵とする必要は無いはずだ。

そして、敵は「彼ら」を上回る。

同等以上の存在が居ると言う事実は、ある意味で彼らの存在がブレて見える。

果たして本当に、我々は彼らに付くべきだったのか。



 2月

レジリオルノプロジェクトが実戦投入された。

まだ試験段階ではあったが、その戦闘力は圧倒的だった。

特に主力兵器は凄まじく、単機でありながらも敵を殲滅して見せた。

これで廉価版マニトウとの相性が良ければ、なお言うことが無いのだが・・・。


しかし、問題が無いわけではない。

レジリオルノ全体としては安定して機能しているのだが、主力兵器に関しては挙動に怪しい部分があると言う。

これに対し、同僚がカウンターユニットを作り上げたと言うが、兵器を兵器で抑制するなど、本末転倒である。

それは、ある意味で我々の計画にも当てはまるのだが、やはり開示されない技術で何かを作るのは無理があるのだ。



 2月15日頃 天気不明


大変な事が起きた。

多くの死者が出て、仲間も何人か死んだ。

我々は、何をやっているのか。

誰の為に、何のために危険を犯して武器を作る必要があると言うのだ。




 2月末もしくは3月 天気、塵


遂に、レジリオルノプロジェクトと主力兵器との切り離しが決定された。

先月?の暴走事故により、主力兵器は脅威となりうるとハッキリと判明した。

これにより、レジリオルノプロジェクトその物が、かの主力兵器を抑え込む為の装置に転用されてしまった。

そして、その決定はそのままマニトウ計画にも影響し、廉価版の研究開発さえも凍結が検討されている。


その決定は残念だが、私個人としてはホッとしている部分もあって複雑だ。


ただ、悪いことばかりではない。

「彼ら」の世界で生き残っていた勢力との接触が成功し、別の計画を立ち上げる目処が付いたのだ。

これにより、新しい技術と媒体となる兵器が提供されたので、より安全かつ安定した形で武器の開発ができるかも知れない。


しかし、一方で更に悪い知らせもある。

敵の勢力がこちらに迫りつつあり、更には見たことの無いタイプの敵に関する報告も上がっていると聞く。

我々が対抗兵器を作っているのと同様、相手も対抗手段を身につけているとでも言うのだろうか。

だが、そこに私は違和感を感じている。

資料映像を見せてもらったのだが、何となくだが、こちら側の技術を使っている様な気がしたのだ。

単に、私の印象に過ぎないのだが、後で数人とその話をすると、やはり同じ様な事を思っていた。

嫌な予感がする。



 3月 天気、変わらず


新プロジェクトは、何とも言えない状態だ。

安定した素材の提供は、確かに安全ではあったのだが、逆を言えばポテンシャルが低いと言う問題を抱えていた。

向こう側の勢力が提供した武器類もそうだ。


我々が作った物と比べ、安定した戦闘力と機能、能力の付与を得られる変わりに、敵に対しては明らかに力不足であった。

彼らが主力としている機動兵器はそれなりに有効ではあったが、言わば足止め程度にはなるが、抵抗力とはならない。


これに関し、我々による独自の改良を目標にプロジェクトが各種立ち上がったが、どうも上手く行かない。

素材が悪い訳ではないが、限界値が低い為に機能を盛り込むと、何かの不具合を起こしている様なのだ。

これは他の提供された武器も同様と言える。


そこで、武器は専用化して能力を特化させ、機動兵器は別系統の術を施す事で性能の底上げを狙う事にした。


あちら側の勢力との接触は、我々の技術体系も変えてしまったが、向こうが漠然と使っていたのに対し、我々は研究と分析を進めた為、今ではコチラの方がよっぽど専門的だ。

もしかしたら「彼ら」の持つ力の一部を解明できると言う期待も高まってきている。




 4月 天気、変わらず


我々が行ってきた機動兵器に新たな機能を付与すると言う計画は失敗した。

より正確には、動かす為のエネルギーの確保に失敗したと言っていいだろう。

コイツを安定して動かす為には、防御装置を動かす規模と同じエネルギーが必要なのだ。

これでは、あまりにも効率が悪すぎる。


ところで、気になった事がある。

この計画には、あちら側の勢力関係者も携わっていたのだが、この失敗を見ても大して落胆してはいなかった。

まるで、こうなる結果が見えていたかの様だ。

もしかして、似た様な事を既に試したのだろうか?


いや、そんなはずはない。

ここにある技術は、我々独自の物だ。

少なくとも、我々の知識が無いと至らない。

彼らだけでは、絶対に不可能、、


そう言えば、失われた拠点の人員は、どこに行ったのだろうか。

研究開発を行っていたのは、我々だけではない。

何かしらの形で、その技術を手に入れたのだとしたら・・・・



 4月の終わり頃


駄目だ。何もかも駄目だ。

やはり、我々は  。





 終末暦34年頃 月は不明。 天気は塵。最後に太陽が見たかった。


防御システムが破られた。

敵はアチコチから侵入を開始し、各地で被害が広がっている。

内部の迎撃装置は働いてはいるようだが、足止めにすらなっていない。

我々の計画も続行中だったが、遂に成功する事はなかった。

私は、ただ逃げることしかできないでいる。


敵は我々人を除けば、攻撃しない物に対しては感心を向けない。

皮肉だが、それ故に、プロジェクトの成果は丸々残る可能性が高い。

もっと擦り合せが進んでいれば、あれは成功していた可能性もあるだけに、今となっては時間の無さが悔やまれる。



食われるのは嫌だ。

せめて、自分の命はだけは自由にしたい。

できれば、死骸すら奴らに喰われたくはない。


誰か、助けてくれ。

連中は真っ先に逃げ出した。

やっぱり、我々は利用されただけだったのだ。






これを読んでいる者へ


救世主だの超常の存在だの、御大層に名乗る連中は絶対に信用するな

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