第三話
前回に続きまたまた投稿です。前回読んで下さった方、ありがとうございます。では、また残念クオリティですが、最後まで見ていってくださるとうれしいです。では、どうぞ。
「では、先ずわしのこの強大な力について話そう。」
【大英雄の神剣】はその事について話し始めた。
「それは昔の話。遥か昔の古の戦い。まだ人が【特殊兵装】という強力な武具を手にしていなかった頃。神々の軍勢と、同じ神である筈の邪神と邪神が率いる魔人の軍勢による全面戦争があった。その戦いは150年に渡って続いた。結果は引き分け。そして、後に神が邪神を倒すために人間に与えたものが【特殊兵装】じゃ。当時は神器と呼ばれていた。」
「人間が【特殊兵装】を手にして間もない頃、邪神は傷を癒し、世界を我がものにせんとやってきた。だが、人類も抵抗した。しかし、邪神の力は絶大だった。もう駄目かと思われたが、1人の少女が立ち上がった。少女の【特殊兵装】は剣。彼女の【特殊兵装】であった剣の能力は、自らの体を犠牲に封印を施せる剣だった。そして、その少女の封印によって魔神は一時的に眠りについた。」
「さて、その少女の剣はどうなったのか。ここからが重要じゃ。その少女は封印する前に自らの魂だけは剣へと移した。それは何故か、少女は分かっていた。封印はまた解けてしまう。だから、自分が【特殊兵装】となり、力を蓄え、いつの日か邪神を完全に倒さなければならないと。その意思を汲み取った神は少女に力を与えた。守る力と模倣する力。そして力を蓄える力を。ここまでくればもう分かるな?そう、その剣こそ今主が所持するわし、【大英雄の神剣】だ。」
俺は話を聞いていて薄々気付いていた。なぜこいつが少女の姿なのか、それは魂を移したことによって体は変わらないから。なぜ【大英雄の神剣】に強力な力があるのか。それは力を何年にも渡り蓄えてきたから。
「さて、ここまで説明したのがわしの強さの秘密だ。つまり、主よ。お主もまた今代の魔神を封印、または倒さなければならないといけないのだ。お主には酷な話かもしれん。だが、宿ってしまった以上は仕方ないのだ。」
俺は自分が途轍もない重圧のある使命を受けた事にあまり実感が湧いていなかった。だって、俺は出来損ないだった。だが、蓋を開けてみれば世界を守る為の犠牲にならなければいけない。これには動揺が隠せなかった。
「主には覚醒したこの時より備えてもらわねばならぬ。魔神は次の3年後には復活する。それ迄に何とか魔神と渡り合う為に鍛えるのだ。幸い、わしは主の強さによってその力を強くする。だから主よ、強くなるのだ。」
真剣な表情で、俺にそう言ってくる。どうすればいんだろう。俺は確かに【大英雄の神剣】という強力な代々魔神を封印してきた武器がある。でも、心は別だ。こんな重圧に耐えられるのか?下手をすれば世界が滅んでしまう。
「主には使命が託されているのだ。確かに、世界に関わる事で精神的な苦痛もあろう。だが、主よ。お主にはわしがおる。何か心配事があればある程度は聞いてやろう。お前には妹や家族もおろう?辛くなれば、そこに吐き出せばいいのだ。」
俺はなんて下らない事で悩んでいたんだろう。【大英雄の神剣】のお陰で頭がクリアになった。そうだ、俺には家族がいるんだ。辛くなったら吐き出せばいいんだ。もう覚悟は決まった。
「.......分かった。今代の【大英雄の神剣】の所有者に選ばれたからには、魔神を封印どころか、叩きのめしてやるよ!」
そう言うと、【大英雄の神剣】はニヤリと不敵な笑みを浮かべ
「今代の主は魔神を叩きのめすと申すか!あっはっはっは!面白い!ならば、わしもその運命に付き従おうではないか!」
そこで、俺の心の中での会話は終わった。ここで話が終わったって事はそろそろ目が覚める頃だろう。
「ん.....眩し....」
目覚めると眩しい光が目にあたってきた。どうやら俺はどこかの部屋にいるみたいだ。
「おや、目が覚めたかい。」
声のした方を見ると、そこに初老の男性が椅子に座っていた。
「あなたは.....」
「ああ、先に名前を言わなくちゃな。わしの名はバーディン・スーディア。しがない医者だ。これでも国立の病院の院長だ。」
「そうなんですか.....とゆう事は、ここはオルテシア国立病院ですか。」
「うむ、それにしても酷いものだった。外は全く傷がないのに、中への傷は凄く酷かった。一歩間違えれば死ぬかもしれなかったんだぞ?まあ、何とか治療出来たが.....」
おかしい、確か傷は【大英雄の神剣】の最適化で全治していた筈。
『すまぬ主。言い忘れていた。文字通り最適化はその場で扱える体に最適の体にする機能じゃ。故に、外のダメージを消し、多量のアドレナリンを噴出させる事により痛みを無くしていたに過ぎなかったのだ。中への傷はしっかりとあったのだ。すまぬ。』
そんな能力だったのか。まあ、その場しのぎだしな。それ位だろう。
「俺の【特殊兵装】の事情上、俺がダメージをくらって痛みを感じているとしても、アドレナリンを大量に噴出させることで痛みを消していたので、文字通り表面上は完璧に回復してたんです。」
「そういうことか。だが、まあ。よくあのブラックドラゴン相手に生き残ったな。あ、そうそう。もうそろそろ君の妹さんが___」
病室の扉が思いっきり開けられた。そしていたのはサラだった。
「お兄ちゃん!」
俺へと飛び込んでくる。また泣いてやがる。全く、本当に泣き虫だなぁ。
「ほんと、心配したんだから.....急に倒れちゃって凄く焦ったんだからね?」
「あと頼んだって言ったろ?心配しすぎだ。」
そう言って頭を撫でると、サラは不満そうな顔を少し緩めてされるがままにしている。
「兄弟愛を見せてくれるのはいいが、一先ず落ち着きたまえ。」
俺達は顔を赤く染めた。そりゃそうだ。恥ずかしい。取り敢えず落ち着くことにした。
「そんじゃ、説明するよ。アレン・シース。君にはまず勇者階級の引き上げがされた。審議の結果一先ず上級にするという措置になった。そのうち特級にも到達するだろう。それで、次に君の【特殊兵装】のランクについてだ。Aランク兵装として登録された。強力だからね。さて、一応伝えろと言われている事は伝えたからね。多分その様子だともう全治してるから、退院届け出しても大丈夫だよ。じゃ、わしは行くよ。」
そういってバーディンさんは病室を出ていった。
「じゃ、帰ろっか。お兄ちゃん。お母さん達待ってるよ。」
「ああ、分かってる。退院届け出しにいかなくちゃな。」
俺はああは言ったもののまだ少し俺の先の未来に不安がある。でも、俺がやらなくちゃいけない。【大英雄の神剣】の所有者に選ばれたのだから。それだけの価値があると踏まれ神に与えられたのだから。実際は違うかもしれないが、少なくとも俺はそう思っていた。
さ、明日から鍛えなきゃな.....未来の為に。
最後まで読んで下さりありがとうございます。楽しんで頂けていたら幸いです。
感想やブクマ是非待ってます。
では、また次回。




