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幸せの定義  作者: いーさん
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運命の人#とは 2

アイツについて書くわ。

そいつの名前は飯田白虎(はくとら)っていうの。苗字と名前のギャップは、はじめて聞いたときは驚いた。

しかもこいつ、白虎って顔してないから余計によ。

大きい黒縁メガネを高い鼻にかけて、その奥に優しそうな目をおいて、ほおから顎にかけてシュッてしてる。天然パーマっぽいんだけど、そこまで強くなくて緩やかなカーブをした黒髪の長身男。典型的な草食系。

話し方も優しそうなんだけど、どこか頼りない。笑顔がなんかね…わからない?言葉に表せないあの感じ。初めてみる外国の小さなハムスターみたいな…伝わらないか。


違うの。私が一番言いたいのは友里との年齢差。今29歳よ。11歳差。

世の中にはそんなカップルごまんといるっていうかもしれないけど、18歳と29歳よ?18歳の高校卒業したての女子と付き合う男ってどうよ。

そもそもこの二人が付き合いだしたのって友里が高校2年生のときだから、27歳か。友里が今年19だから、付き合って2年。高2の女子に手を出す28歳って…ねえ?


しかも付き合うっていう言い方には少し間違いがあるわ。

この二人、実はもう結婚してるの。

でも周りから何を言われるかわからないし、バレたら最悪別れさせられちゃうかもしれない。

だから、信頼の置ける大親友の私が彼女の婚姻届の保証人になってあげたわけ。年齢とかはなんとかごまかしたわ…バレたら大変だけど。


私はものすごく心配だったんだけど友里がゾッコン。何をしても必ずあいつの話をするの。「白虎クンが朝ご飯作ってくれたのがすごく手が込んでて美味しかった」とか、「電車の座席に座って寝ちゃった白虎クンの寝顔がたまらない」とか。

ぶっちゃけどうでもいいんだけどね。


最近になって白虎の正体が見えてきたような気がしたわ。

この間、3人で夜に私たちの地元の駅近くに新しくできたステーキのお店に行ったの。

なんでお前がついて行ったんだって?それは白虎が奢ってくれるって言ったから。経済的事情よ。

白虎のやつはちゃんと会社勤めしてる。いい学校出たらしくて、IT系のそこそこいいポジションにいるみたい。会社のあれで、私服勤めOKらしくて、あつもカーディガンにカラフルなネクタイ。きっと友里が選んでるんだろうな。


それはそうと、しっかり食べて奢ってもらって駅でバイバイしたんだけど、ほら、友里と白虎はもちろん同居してるから地元とはいえお別れ。駅前で別れて帰宅の途についたんだけど、駅前の本屋でその月の雑誌をチェックしようと思って、駅に戻ったの。

そしたらね、白虎のやつが、友里の小さな顎を掴んでのキスしてたの。手をそれてじゃないわ。掴んでた。

びっくりしたわ。明らかに見た目草食系なのに、友里の身体が海老反りになるくらい白虎が友里の唇にかじりついてた。しかも駅前でよ。

私は絶対にバレないように駅前をさけて、本屋に行った。


その次の日に、友里を無理矢理ランチに誘って、白虎の正体を色々と聞き出してやったわ。友里ははじめ恥ずかしがってなかなか言わなかったけど、一つ言ったらポロポロと、照れながらも惚気て白虎のこと話してくれた。


それでね、わかったことは、白虎は外では猫かぶるけど2人になった瞬間、ドSになって、グイグイとくる、超ロールキャベツ男子だった。


ー中野美優の日記より抜粋

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