第4話 登校初日!
「ただいま〜」
「あ、おかえり〜!どーだった?!入学説明会。」
いかにも興味津々な英兄。
「めっちゃでかい学校だった…校長はありえねぇ位テンション高かったし。(笑)」
嬉しそうに話すあたしを見て、安心したのか、英兄は
「良かったな。今度こそ信じれる学校が見つかったんじゃね?校長がいい人なら教師も当たり多いかもよ??(笑)」
当たりって…教師はクジかよ…;
「あぁ…そうだといいな…。」
あたしはその他にも、校長とどんな話をしたとか、自分男として学校生活を送ることになったとか、色々英兄に話した。
――英兄は、やっぱりあたしの心の支えだ。
ずっとな……
* * * * * *
次の日、あたしは一段と張り切って学校に向かった。
「うっしゃ!頑張っぞ!!」
軽く意気込みを入れ、あたしは走りだした。
ドンッ
「痛っ!!!」
誰かとぶつかり、おもいっきりしりもちをついた。
「すまねぇ、大丈夫か?!」
そういい、ぶつかった相手は手を差し伸べてきた。
――こいつ…いいやつだな…
「あっさんきゅー!悪ぃな!」
そういって立ち上がったあたしに、相手は顔を近付けてきて、
「今度からは気を付けまちょうね〜おチビちゃん??」
そういって相手はにっこり笑って去っていった。
あたしは呆然と立ち尽くした…
………
おちびちゃん?
しまいには赤ちゃん言葉?
…完っ全にあたしのこと馬鹿にしてたな…
「キィィ〜〜〜っっ!!何だあいつは!!あたしのこと馬鹿にしやがって!!!」
まわりにいた人全員がこっちを見ている。
……あ…
やべぇ……
今“あたし”っつっちゃった……!
しかも大声で………
あたしは軽く咳払いをし、
「おっ!やべやべ!遅刻しちまう。急がなきゃなぁ〜!」
と言って全速力で走って玄関に向かい、そのまま職員室へ直行していった。
はぁはあ…
朝っぱらからよけいな気使わせやがって……
…んじゃ、入るか!
ガラガラガラ…
「失礼しまぁ〜す……」
職員室はやはりどこの学校もコーヒー臭い。
「えと〜…1年B組担任の前川先生って…」
「わたしよ。」
「わっ!」
目の前に美人でスタイルが良く、いかにも女性らしい前川先生がいつのまにか立っていた。
「あなたが飯田くんね?可愛いじゃない♪私は1A担任の前川由佳里。よろしくね!」
そういって手を差し伸べられた。
「よ…よろしくお願いします…」
あたしと前川先生が話をしているところを見つけた校長が、嬉しそうにこっちに向かってきた。
「おやおやこれは。飯田君と前川先生。飯田君、今日から君はここの生徒だっ!頑張るんだぞ〜!!前川先生、よろしくお願いしますね。」
『はい。』
校長はスキップしながら校長室へと戻っていった。
「さ、そろそろHRが始まるわ。いきましょ。」
「あ、おう…!」
こうしてあたしたちは教室へと向かった。
* * * * * *
教室へ向かっている最中、先生が話だした。
「あなたが入る1年A組は、頭が良い子、スポーツが出来る子、イケメンから音楽家まで、選びぬかれた特別な子たちの集まりなの。どの学年でもA組はそういう子たちの集まりなんだけど、今年は特にすごい子ばかりで…。」
……そうだったんだ…
そりゃすげぇな…
「でも…何で俺みたいなのがA組なんだ?」
「あなた、前の学校で凄く成績優秀だったんでしょ?そりゃA組しかないじゃない♪」
ヤケに嬉しそうな先生。
なんか…あたしすごいところに来ちまったんじゃねーか?!
「さ、A組はここよ。」
中からギャーギャー騒ぐ声が聞こえてくる。
…ほんとに優秀なのか…?!?
「じゃあちょっとここで待っててね。入ってって言うから、その時に入ってきて!」
そういって前川先生はウインクし、教室へ入っていった。
……この先生もテンション高いんだな…
中から声が聞こえる。
「今日は、転校生を紹介します。飯田くんです!入ってきて〜!」
あたしは教室のドアを開けた……