表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第2話 衝撃

キーンコーンカーンコーン……




あたしは朝っぱらから校長室に呼び出された。



………

「はぁ???たいがくぅ???!」

「はい…退学です…」

「なんで退学なんだよ?!あたしなんもしてねーだろ!!!」

「昨日…安田さんに…何かしませんでしたか??」

「あ?あいつか?あいつになら昨日あたしの愚痴大声で言ってきたから、軽くがんとばしてやった。…それが何だ?」

「安田さんは…ヤスダ堂の社長の娘、いわゆるお嬢様…っていうのは知っているかい?」

「ヤスダ堂って…あの世界No1文具の王国って呼ばれてるヤスダ堂か?」

「…そのヤスダ堂です。安田さんのお父さんには我が校は沢山助けられていてね。安田さんが君に昨日ひどい目にあわされた、とお父さんに言ったらしくて、今朝お父さまから“飯田奈央を退学にしろ。さもないともうこの学校には一切援助はしない。”と言われてしまってね…彼女のお父さんの援助で、この学校はかなり助けられているんだ。君をこの学校においてあげたい。…だが…すまない…」

…なんで……

「…なんでだよ…」

「…本当にすまない…。あと、彼女のお父さんが君は男子校に行くべきだと言って…これ…書類…」

あたしはダンッ!と思いっきり机を叩いた。

「なんなんだよ!!!大人の意見で…大人の勝手な考えで決めてんじゃねーよ!!」

書類を校長から奪い、校長室を走って出た。



ダダダダ…


…何なんだよ……

この学校は今までで一番良かった。

これまでの学校は、あたしが乱暴者だと聞いて、教師は全員あたしに対して非難する目で見てきた。

…この学校は違ったんだ。こんなあたしでも、校長から誰から、暖かくむかえてくれた。

あたしもだからそれに応えようと、成績はいつもトップであるよう、問題はあまりおこさないよう、頑張った。

けれど…最終的に裏切られた。


大人は…何でこんなに子どもを裏切るのだろう…







………

「おかあたん、にもついっぱいもって、どこにいくのぉ?」

「近くのスーパーに行くだけよ。………奈央…いい子でね………」

「…おかあたん…?」

「…」

「まってよぅ!おかあたん!おかあたん!おかあたぁ〜ん!!!!」

………







……はぁはぁはぁ……

走りに走ったあたしは、近くの公園のベンチにどかっと座った。

――また昔の嫌なこと思い出しちまった…

「だめだなぁ…あたし…」

こんなあたしだって、女なんだ。言葉や力は強いからって…心も強いなんて限んねーんだ…。

――次…男子校に入れられるんだっけ…?


ガサガサ…


校長からもらった資料を、とりあえず見てみた。


“栄然男子高校”

「えいねん……って…結構優秀な学校じゃねーか…」


………

「よっっっ…しゃあぁあぁぁああぁあ!!!」



もー男子校だろうがどこだろうが、あたしは負けねぇ!!強くなる!!

見てろよ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ