第2話 衝撃
キーンコーンカーンコーン……
あたしは朝っぱらから校長室に呼び出された。
………
「はぁ???たいがくぅ???!」
「はい…退学です…」
「なんで退学なんだよ?!あたしなんもしてねーだろ!!!」
「昨日…安田さんに…何かしませんでしたか??」
「あ?あいつか?あいつになら昨日あたしの愚痴大声で言ってきたから、軽くがんとばしてやった。…それが何だ?」
「安田さんは…ヤスダ堂の社長の娘、いわゆるお嬢様…っていうのは知っているかい?」
「ヤスダ堂って…あの世界No1文具の王国って呼ばれてるヤスダ堂か?」
「…そのヤスダ堂です。安田さんのお父さんには我が校は沢山助けられていてね。安田さんが君に昨日ひどい目にあわされた、とお父さんに言ったらしくて、今朝お父さまから“飯田奈央を退学にしろ。さもないともうこの学校には一切援助はしない。”と言われてしまってね…彼女のお父さんの援助で、この学校はかなり助けられているんだ。君をこの学校においてあげたい。…だが…すまない…」
…なんで……
「…なんでだよ…」
「…本当にすまない…。あと、彼女のお父さんが君は男子校に行くべきだと言って…これ…書類…」
あたしはダンッ!と思いっきり机を叩いた。
「なんなんだよ!!!大人の意見で…大人の勝手な考えで決めてんじゃねーよ!!」
書類を校長から奪い、校長室を走って出た。
ダダダダ…
…何なんだよ……
この学校は今までで一番良かった。
これまでの学校は、あたしが乱暴者だと聞いて、教師は全員あたしに対して非難する目で見てきた。
…この学校は違ったんだ。こんなあたしでも、校長から誰から、暖かくむかえてくれた。
あたしもだからそれに応えようと、成績はいつもトップであるよう、問題はあまりおこさないよう、頑張った。
けれど…最終的に裏切られた。
大人は…何でこんなに子どもを裏切るのだろう…
………
「おかあたん、にもついっぱいもって、どこにいくのぉ?」
「近くのスーパーに行くだけよ。………奈央…いい子でね………」
「…おかあたん…?」
「…」
「まってよぅ!おかあたん!おかあたん!おかあたぁ〜ん!!!!」
………
……はぁはぁはぁ……
走りに走ったあたしは、近くの公園のベンチにどかっと座った。
――また昔の嫌なこと思い出しちまった…
「だめだなぁ…あたし…」
こんなあたしだって、女なんだ。言葉や力は強いからって…心も強いなんて限んねーんだ…。
――次…男子校に入れられるんだっけ…?
ガサガサ…
校長からもらった資料を、とりあえず見てみた。
“栄然男子高校”
「えいねん……って…結構優秀な学校じゃねーか…」
………
「よっっっ…しゃあぁあぁぁああぁあ!!!」
もー男子校だろうがどこだろうが、あたしは負けねぇ!!強くなる!!
見てろよ!!