第1話 こんな毎日!
今…
あたしは学校の廊下を歩いている。
あたしが通るたび皆が後ろを振り返る。
「何あいつ。きも〜!しゃしゃってんの??女男だぁ〜!!」
きゃはは〜と仲間と笑っているのは、どっかの社長のお嬢さんとかいう…安田奈々って奴…。
――こいつは思い知らせなきゃ分かんねぇようだな…
あたしはくるっと反対の方を向き、安田って奴等の方に歩いていき、安田の目の前に立っておもいっきり睨み付けてた。
「…何?」
顔は笑って偉そうにしてるが、心底怯えてるのが見え見えだ。
「あんた…さっきこいつ等の前で何言ってた?もう一回言ってみろよ。」
「……」
相手は目をそらしだした。安田のダチ等は、安田の後ろで完全に怯えてる。
周りの奴等は見てみぬフリだ。
「もう一回言えっつってんだろーが!!!!」
安田の胸ぐらをつかんでおもいっきり怒鳴った。
「すいませ……ん……」
目をそらして謝る安田。
――もうめんどくせぇ。
「次今みたいな事したら…ぶん殴っからな。」
ぱっと手を離し、あたしはその場を去った。
みんな恐ろしい怪物を見るような目であたしの事を見てくる。
――ったく…悪いのはあっちなんだから、そんな目で見んなっつーの!!
あたしは飯田奈央。現在高校一年。言葉使い悪いけど、一応女。四人兄弟の末っ子で、上は全員男。母さんはあたしが小さい頃、違う男とくっついてどっかいっちまった…。つまり、あたし以外家族全員男。タフさも元気さも半端ねぇ。
あたしは今まで6・7回転校してきてる。全部暴力とか、厳しい学校は暴言とかで退学になっちまってんだ。自分で言うのも何だけど、成績はかなり優秀だぜ?
それなのに!最近の学校は厳しすぎなんだよ!兄さんたちの時は、めったに退学なんかなんねぇっつってたのに!!
まぁ、さっき位なら退学になんねーだろうけどさ。
* * * * * *
「ただいま〜」
「あ、お帰り奈央。」
こいつは三男の英章。高二。あたしは英兄って呼んでる。唯一この家族で、まともなやつだ。(笑)年が近いし、あたしとは結構仲良いんだ。
「英兄いたんだ〜今日の夕飯何〜?」
そう。夕飯係は英兄。英兄の作った飯はまじうめぇんだ!!
あたしの100倍な!!
「今日は久しぶりに焼肉だ!!!」
「お〜〜〜〜!!!やるな英兄!!!」
こんな会話をしながら英兄と盛り上がっていた。
「ただいま〜」
「あ!この声は達也兄だ!」
「お帰り〜」
「ひゅ〜外はあちい〜!中は天国だ〜♪」
この達也兄は我が家の次男。大学二年。この兄ちゃんが乱暴者でひどいんだ。大学に入ってからはおさまったが、高校・中学と暴れて、あたし以上に沢山の人に怪我を負わせてた、強者だ…;
「達也兄、最近は本当に暴れてねぇだろうな?!」
英兄は聞く。
「あったりめーだ!あ、そういえば、俺、彼女出来たんだぜ!!」
『え?』
あたしと英兄は声をそろえて言った。
「へへっあっちから告ってきてよ!俺に一目惚れだったんだと!今では俺もベタ惚れなんだよ。」
へぇ〜〜〜〜!あの達也兄が彼女を?!暴れるだけの脳ナシがか?!…っと!そんなこと本人の前で言ったら殺されちまう…
でも達也兄幸せそうな顔してたな〜〜
あたしも彼氏将来出来んのか?…出来るわけねぇか。こんな男っぽい女誰が好きに…
「…お…奈央!奈央ったら!」
はっ…!!
「なっ…何だ??」
「一点見つめてぽけらーっとしてたぜ…?大丈夫か?そんなに達也兄のこと衝撃的だったか?!まぁ確かに衝撃的だけど…」
英兄が心配そうに聞いてきた。
「奈央は彼氏作んねーのか??俺様みてぇなかっけぇ彼氏!!」
得意そうに達也兄は言った。
「ばーか!あたしみたいな男っぽい女に彼氏なんか出来るわけねーだろ!!大体達也兄みたいな彼氏ならいない方がマシだぼーけ!」べろべろべ〜〜と言ってあたしは達也兄をからかった。
「お前…いつのまにそんな口きくようになったんだ?あ?」
ふざけ切れしてる達也兄。
「きゃ〜〜!!ごめんなさぁ〜〜い!ゆるしてお兄さま〜〜!!」
きゃーきゃー言いながら逃げるあたしと追っ掛ける達也兄。
あたしたちの様子を見てケラケラ笑う英兄。
今日も楽しい夕飯が食えそうだ!!
あたしはこの時、これから起こる事件について知る予知もなかった…
今回は、達也・英章・奈央について説明(紹介)しました。出てき次第、お父さん・長男の紹介もします(^3^)/「あれ?お父さんと長男は?」と思った方、これから出てくるのでお楽しみに〜(^Q^)/^(笑)