前へ目次 次へ 3/27 0 橋に建てられた街灯の上に、どうやって登ったのか中学生くらいの少女が立っている。 風が吹いた。 肩まで伸びた髪が、風に吹かれて顔にかかる。風に吹かれた少女は、不愉快そうに髪を押さえ、風の声を聞く。 しばらくじっと耳を傾け、静かに口を開いた。 「嫌なにおいだ」 顔をしかめ、においの先を見据える。 「死にゆくにおいだ」 川をまたぐ橋の上。 吹き抜ける風が強くなる。 「虚構が死にゆくにおいだ。ぼくは〈旋風に生きる者〉。死にゆく虚構を見定めよう」