1 マリエール
マリエールはハロルドに小屋を貸せ、鍛冶屋とガラス工房を紹介しろと言った。どこの誰とも知らない奴にそんな事できるかと言った。
1 マリエール
マリエールは天真爛漫な少女だ。街で見かけた子ども達にお菓子を配ったり、大きな荷物を抱えた老人に手を貸したり、しかし彼女の街を出歩く最大の目的は商品を複製したりそれを売る事だ。事情は商人のハロルドが知っている。
半月前、マリエールはハロルドの店にやって来た。15歳くらいの可愛い美少女だ。マリエールは笑顔で、
「私マリエール、一応貴族の娘よ。冒険者もやっているわ。お願いがあるの。作りたい物があるの。空いてる小屋と鍛冶屋とガラス細工の職人を紹介してくださるかしら。勿論お礼はしますわ。」
他に同じ年頃の少女達が3人いる。どう見ても護衛には見えない。ハロルドは、
「はいそうですかと言えるか。どこの誰とも知らない奴をおいそれと信じろと言うのか。」
マリエールは笑顔を潜めた。
「事情があって身分は明かせないわ。冒険者カードならあるわ。前払いするわ。それで信じてもらえないかしら。」
マリエールは小金貨の入った袋をハロルドに渡した。ハロルドは、金銭をあらためた。小金貨36枚だ。
「判った。使っていない小屋の貸し出しと、鍛冶屋とガラス細工職人の紹介でいいのだな。言っとくけど鍛冶屋とガラス工房の支払いは別料金だからな。今から行くか。」
ハロルドは店員に留守を任せ、マリエールと出掛けた。
小屋は30平方mほどの小屋だ。特に問題なかった。ハロルドはマリエールに鍵を渡した。次は鍛冶屋だ。マリエールは鍛冶屋の親父に図面を渡した。親父はめんどくさそうに職人を呼んで図面を渡した。職人はマイクという。マイクは、
「これは何に使うんだ。この回転する所が大事なのか。それとも隙間か。この図面だけではイメージが浮かばないよ。」
マリエールは細かく説明した。最後にマイクは、
「一週間はかかると思う。完成したらハロルド商店に納品すればいいね。」
マリエールはマイクに熱心に遠心分離器について語った。マイク少年は同じ年頃のマリエールに一目惚れしたようだ。一方ガラス工房は図面を渡すと、
「それほど複雑な物ではないですね。これなら数日中には揃いますよ。納品はハロルド商店でいいですね。」
フラスコ、ビーカー、試験管は無事揃いそうだ。ハロルド商店に戻るとマリエールは、ハロルドに大金貨3枚を渡した。
「商品の代金とハロルド商店の手数料はこれで足りますか。足りないようならもう少しだしますが。」
ハロルドは、暫し考えた。
「取り敢えずこんなもんだろう。小屋を半年以上使うなら追加料金もらうさ。一週間過ぎに立ち寄ってくれ。納品された物を渡すから。ところで、何始めるのだい。」
マリエールは嬉しそうに、
「新薬の製薬を始める予定です。魔獣の素材を使って新薬を作るつもりです。エリクサーが夢ですが、そこまでは無理ですからエリクサー擬きができればいいと思います。国民の健康願い私でもできる事がしたいと考えました。」
ハロルドはマリエールに感銘を受けた。マリエールは貴族だと言った。国中の貴族がマリエールのようであればいいとその時は思った。
ハロルドはマリエールに目的を聞いた。国民の健康のため新薬を作るのだと言った。国中の貴族がマリエールのようにあればいいとその時は思った。




