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【第一御客様】前世の罪償…

記念すべき第一話目…

ぜひ楽しんでいってください…



このお話(輪廻転生センター)は週に一回の深夜0時に投稿されます。

死後の魂は、例外なくここへ送られてくる。

輪廻転生センター第七窓口。今日も朝から満席だ。


待合室では番号札を握った死者たちが順番を待っている。

事故死、老衰、勘違いによる転落死。理由は様々だが、みんな同じ顔をしている。

……まだ納得していない顔だ。


壁にはポスターが貼ってある。


────────────────

【今月の転生レア枠:辺境国の王子 提供数:3】

【家猫(上位家庭)ピックアップ中】

【害虫は現在確率上昇中】

────────────────


本当にろくでもないキャンペーンである。


私は第七窓口担当、転生振り分け係。

今日の処理予定数は三百二十七名。もうすでに帰りたい。


「番号A-203の方、どうぞ〜」


スタッフに呼ばれて入ってきたのは、少し腹の出た中年の男だった。

脂汗、猫背、無駄に低身長。生前の立場が透けて見える。


名前は……加藤周一。


端末に名前を入力すると、死人名簿が自動で展開された。


────────────────

〈加藤周一:54歳〉

〈職業:窓際会社員〉

〈趣味:ストーカー〉

〈生前行った良い事:13歳の時 道で困っているお婆さんを助けた〉

〈生前行った悪い事:51歳〜54歳まで会社の同僚をストーカー〉

〈死因:ストーカー中に車に轢かれ死亡〉

────────────────


評価ゲージは見事に濁っている。


……なるほど。

まあまあゴミ人間だ。


本来なら即・底辺転生ルート。

説明して、回して、終了。マニュアル通りの処理で済む案件だ。


だが、それではつまらない。


軽度〜中度の問題人物には、職員裁量の調整オプションが認められている。

要は、ちょっとした罰ゲームだ。


色々考えた末、


【生後即死転生ガチャ】を三回。

徳ポイントを削ってから、

【通常転生ガチャ】へ送ることにした。


これで行こう。


「では加藤周一さん、こちらへ…」


私は彼を生後即死転生ガチャの前まで誘導した。

遊園地の抽選機と業務用金庫を合体させたような、物騒な見た目の装置だ。


生まれてすぐ人生終了……徳ポイント調整用の罰則ガチャである。


「このコインを3枚渡します。貴方はこの後の死後、3回、このガチャを回してください。わかりましたか?」


「え? あ、はい……わかりました……」


理解していない顔だ。

まあ、理解してもらう必要もない。


どうせすぐ死ぬからな…


『ガチャッ、ガチャガチャ……ドスンッ』


ガチャから出たのは茶色いカプセルだ。


カプセルの色は七段階評価。茶色は最下位だ。



加藤周一がカプセルを開けると中には


────────────────

【死後即死転生ガチャ】

【転生先:南方区域の貧困家庭・長男】

【生存予想時間:短】

────────────────


と、書かれたチケットが一枚出てきた。


「し、死後即死……ガチャ……」


何かを察したようだが、文句言われる前に転生装置に連れていった。

彼を転送装置に立たせると


「あの、質問いいですか?」


と、言ってきた。


「うるさい、質問など受け付けていない。さっさと死んで戻ってこい…次が待ってるんだ」


と軽く、冷たく流した。


この転送装置は書類に判子を押すことで転送が開始される。


私は何の躊躇いもなく判子を押し、彼を転送した。


────────────────

【転生先:南方貧困区域】

────────────────


観測モニターに新しい個体情報が表示される。


────────────────

【転生ID更新】

【加藤周一 → マハマット・ネスカー】

────────────────


経過ログが自動再生された。


────────────────

【生存期間:二ヶ月】

【行ったこと : あんよ、食事、睡眠】

────────────────


まあたった二ヶ月だ。これくらいしか出来ないよな。


この輪廻転生センターと現実世界では時間の流れが違う。現実世界での一ヶ月がセンターでは一分になる。


さて、2回目の転生先はどうなるか……


────────────────

【間も無く帰還します】

────────────────


と言うアナウンスと共に転送装置から加藤周一が、マハマット・ネスカーの姿で出てきた。


「あのぉ…大変でしたよ……砂嵐に巻き込まれて……」


私は観測モニターを通して観ていたためその事は知っていた。


「あぁそうかい、じゃあ2回目の転生だ。またあのガチャを回してくれ」


そう言い私が指したのは死後即死転生ガチャだ。


「ま、またこれなんですか……」


私は何も返さず、無理やりに引かせた。


ガチャから出てきたのは銀色のカプセル

銀は中位のレア度。期待させて裏切る確率が最も高い。


────────────────

【死後即死転生ガチャ】

【転生先:日本の超裕福家庭・長男】

【生存予想時間:四年】

────────────────


チケットにはこう書かれている。


何故か大歓喜のマハマット・ネスカーを横目にチケットの詳細を調べると、死因は病死で、持病の心臓病が原因らしい。ちょっと可哀想だから黙っておくことにした。


「騒ぐな。次の人生が詰まっている…転送するぞ、お前の名前は田島會」


彼を転送してから大体一時間が経過した。


────────────────

【生存帰還 : 五年と二ヶ月】

────────────────


意外にも生存予想時間の四年より長く生き延びていた。


死因は……


────────────────

【死因 : 鏡を後部にぶつけ、脳挫傷により死亡】

────────────────


「持病じゃ無いのかよ!」


メチャクチャあっさり死んでいた。


────────────────

【間も無く帰還します…】

────────────────


「戻りました。死ぬほど痛かったですよ……」


「死んじゃってるじゃん」とツッコミたかったが、立場上そう言う事はよろしく無いのでやめておいた。


「そうか、楽しかったか?」


「まあ、はい多少は…」


「じゃあラストの3回目」


私が彼にそう指示をすると何の躊躇いもなくガチャを回した。


今度は最初と同じ茶色だ……


────────────────

【死後即死転生ガチャ】

【転生先:日本の捨て子】

【生存予想時間:七日】

────────────────


「チッ」


彼は舌打ちして転送装置自ら乗った。


「名前は……あぁ、いってらっしゃい」


「えっ、」


何かを言いかけたところで転送された。


そしてすぐ戻ってきた。


「今までの数倍苦しかったです……」


「そうか、どれ」


そう言って観測モニターの存命履歴という機能で、彼の在世の頃を見た。


────────────────

【出生:廃工場裏】

【発見:無し】

【死因 : 体温低下】

【生存時間:6時間14分】

────────────────


七日すら持たなかったようだ。機械は当てにならん。

私は端末を閉じた。


「うし、徳ポイント調整完了」


「え?調整…?」


「うん、本命はこっち」


私は死後即死転生ガチャの隣にある通常転生ガチャを指差した。


彼の顔が初めて明るくなった。


私は通常転生ガチャの電源を入れた。

確率表示が点灯する。


────────────────

【通常転生ガチャ】

【排出率 :】

【微生物 42%】

【家畜 31%】

【野生動物 18%】

【人間 8%】

【レア枠 1%】

────────────────


「え、なんか人外多く無いですか…」


「あぁ、そりゃお前加藤周一のとき…ゴミ人間だったじゃん。当然の報い……」


そう言って彼にガチャを引かせた。


『ガチャッ、ガチャガチャ……ドスンッ』


────────────────

【通常転生ガチャ】

【転生先:クマムシ】

【生存予想時間:不明】

────────────────


「クマムシ……クマムシ……」


小声で「クマムシ」と繰り返し言った。


「まあ当たりの方だな。お前は不死身だ」


彼の顔は浮かばれない……そして転送したらもう一生このセンターに来る事はない。


私は彼を転送装置に立たせ


「じゃあ楽しんできてくださいねー」


といい印を押して転送させた。


その後観測モニターで二年間分を除いたが、特に面白くなかったので次の人を読んだ……



輪廻転生センター第一話をご拝読いただきありがとう御座います。このお話は、お風呂に浸かってる時にふと死んだらどうなるんだろうなぁって考え始めた事で出来ました。なので楽しんでいただけるかは分かりませんが。自分が書きたいので書いていきたいと思います。


次回の第二話は来週火曜の深夜0時です。

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