第3話 最初の戦い-スキルって最高!
さて、オオカミは、まだいる。諦めて去ってくれれば良いが、それは都合の良い話だ。根比べでは、水も食料も無い僕が圧倒的に不利だし、仲間を呼ばれると、厄介なことになる。
腹をくくって戦うか。戦うとなると、ステータスオール200がどのくらいの強さであるか判明していない内は、近接の戦いは避けたい。そうであれば、スキルで戦うしかない。
ステータス画面で気になっているのは、スキルの右端の「→」だ。おそらく、これを指定すると、スキルの詳細が出現すると思う。そこで、「各スキルの「→」を表示する」と唱えた。いきなり、ステータスウインドウの周りに、スキルウインドウが5つ現れた。
[収 納(中級)]
・収納1(生物不可)
容量:20m×20m×20m
効果:時間停止、自動整理、検索取出、解体収納、廃棄
距離:収納10m、取出10m
・収納2(生物可)
容量:4m×4m×4m
効果:時間進行調整、温度調整
距離:収納0m、取出0m
[鑑 定(中級)]
・鑑定1(物品)
名称、産地、価値・用途、形状等
・鑑定2(人物)
名前、種族、年齢、称号、職業、レベル、冒険者ランク、出生・出身地
状態、スキル、ステータス等
・鑑定3(魔物)
種別、ランク、出生地、スキル、状態等
・被鑑定
隠ぺい、改変、阻害
[回 復(中級)]
・ヒール(傷治療)
ヒール、ハイヒール、エリアヒール、エリアハイヒール
・キュア(状態異常治療)
キュア、ハイキュア、エリアキュア、エリアハイキュア
・ディスペル(解呪)
ディスペル、ハイディスペル
・リザレクション(再生)
リザレクション
・リフレッシュ(HP・MP譲渡)
HPリフレッシュ、MPリフレッシュ
[錬金術(中級)]
・付与
属性付与、魔法付与、強化付与
・合成・分離
合成・分離(金属、樹木、土、生物)、ポーション作成、生薬作成、レシピ、
素材調査
・修復
修復(金属、樹木、土、生物)
・変性・変形
変性(金属、樹木、土、生物)、変形(金属、樹木、土、生物)
・ゴーレム
ゴーレム(樹木、土)
[忍 術(上忍)]
・体術(骨法術)
当身、体ねり、唐手、活殺拳、呼吸術、跳躍、瞬動、神足、ムササビ
・武器術
忍具(忍刀、手裏剣、苦無、暗器、火薬)、投擲
・遁術
木遁、火遁、土遁、風遁、水遁
・諜報
隠密、追跡、探知、忍足、耐性、解錠、罠、夜目、遠見、聞耳、解読、伝達、 変化、謀術、暗殺
スキルも、中級の上限になったら、色んなことが出来るのはわかったけれど、情報が多過ぎ。オオカミを撃退するために何を選べば良いのか。
とりあえず、オオカミの鑑定だ。オオカミを見ながら、「鑑定3」と唱える。直ぐに、結果が表示された。
[種 別 (ラージフォレストウルフ)、ランク(E)、出生地(ビギンの森)、
状態(興奮)、スキル(爪撃、噛み付き、咆吼、突進)]
Eランクだから、途轍もなく強いという訳ではなさそうだが、近接は避けたい。[忍術]の[投擲]を使えれば良いのだが、投げる物がない。どうしたものかと考えていたが、[収納1]の距離に気がついた。収納10mということは、手を触れなくても10m先の物まで収納できると言うことだろう。今いる場所が、10m近くの高さだから、地面の石ころくらいは、収納できるだろう。
で、どうすればいいんだ。今までは、明確な目標があったから、それに手を向けて詠唱していたんだが。そもそも詠唱は必要か?試しに、足下の地面からこぶし大の石を[収納]するイメージを浮かべた。
「指定された大きさの石を12個収納しました」
頭の中に声が流れた。なんと優秀なシステムだ。早速、石を2個取り出した。指定したとおりこぶし大だ。この石を投擲しても良いのだが、一手間加えることにした。
「2つの石を合成、圧縮して強化、石槍の先へ変形」瞬時に、僕の手の中に、硬い石槍の先が現れた。更に落ちている枝を2つ収納し、取り出して合成、圧縮強化、変形で柄を作った。ツタで柄の先に石槍の先を取り付ける。信じられない速さで、しっかりとした石槍ができた。
さて、準備はできた。立ち上がってオオカミを見た。オオカミは背中をこちらに向けて、寝そべっている。こっそり木から下りて逃げようとしたら、振り返って襲いかかる罠だろう。
僕は石槍をつかみ、オオカミの頭へ向けて思いっきり投擲した。と同時に、そのはずみで枝から落ちてしまった。頭から落ちたんだが、なんと空中で回転して足から着地した。ステータスを上げた効果か?[忍術]スキルが発動したのか?
すぐにオオカミを見ると、石槍が頭にささり苦しんでいる。僕は、後ろから近づいてオオカミに触り、「[収納2]」と唱えた。目の前からオオカミが消えて、「ラージフォレストウルフを収納しました」と声が聞こえてきた。
ひとまず、危機は脱した。とりあえず、ここから離れて水と食べ物と落ち着ける場所(寝床)を探そう。10m位の高さから落ちたにもかかわらず、足はなんともなかったので、歩き始めた。
しばらく歩いて、オオカミを収納しているまま鑑定できるか試した。
[名称(ラージフォレストウルフの死体)、価値・用途(緑魔石中、牙・爪は中級
武器の素材、肉は食用可であるが不味い、毛皮は状態が良く高額売却可)]
早速、[収納2]から取り出し、[収納1]へ解体収納し、内蔵・骨などは収納内で廃棄した。肉については、どのくらい不味いのか気になるが、どうしても食料が見つからなかったら、挑戦してみよう。それにしても魔石か。ファンタジーの定番素材だが、使い方もよく分からないので、しばらくはそのままにしておこう。
石槍が、少々、刃こぼれしていたので、収納している石、10個を加えて合成、圧縮強化した。元の石槍より若干大きくなっただけで、強度はかなり増したように感じる。
柄の方も5本ほど枝を拾い、合成、圧縮強化した。5本合わせたのに、1本分の手頃な太さになった。森での取り回しを考えて、石槍の先と合わせて全長1.5m程にした。
忘れずに、石槍を柄に取り付けるツタも強化した。石突も付けたので、武器としては上出来だ。1本では心許ないので、同じ様に2本目も作ったが、薙刀風にそりを付けた石刃にした。
これらの作業は、歩きながら5分足らずで完了している。ついでに、オオカミの爪撃で破れたジーンズの裾も、錬金術の「修復]を使ったら、瞬時に元に戻った。[収納]、[錬金術]スキルの使用感は最高だ。初心者の僕が思い通りに作業できる。
木から落ちてなんとも無かったのも、石槍が正確にオオカミの頭にあたったのも、きっと[忍者][投擲]スキルのおかげだ。ステータスオール200が効いているのか、さっきから森の中を30分ほど歩いているが、少しも疲れていない。腕時計の方位磁石が指す北に向かっているが、特にあてがあるわけではない。異世界でも、磁石は北を指すのだろうか。
今のところ、他の魔物には出会ってないが、即座に対応できるよう、薙刀の方を手に持って歩いている(石槍は[収納1])。近接の戦いはこれで良いが、離れた敵と戦うために、手裏剣を作ることにした。その辺の石を、合成、圧縮強化し、命中率・殺傷力の高い棒状手裏剣を10個作った。それを、いったん[収納1]に納め、掌に出す練習をしたが、素早く出し入れできる。石槍も、薙刀も同じように出し入れできるので、結局、手ぶらで歩くことにした。
・次の投稿は,2月17日の予定です。




