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秒で発狂

作者: ことり。

私は断れない性格だ。



昔からこうなんだ。



例えば合コンに人数合わせで行っただけなのに、男の人から無理やり電話番号の交換をさせられてしまった。



「ねえーねえーいいじゃん。交換しよ!」



「え、、、でも、、、。」



仕方なく連絡先を交換して以降、暫く連絡が頻繁に来て困り果てていた。



「今度いつ会える?」とメッセージが届いた。



「じゃあ次の日曜の昼過ぎに◯◯駅で待ち合わせで!」



「はい。分かりました。」



本当は断りたい!行きたくない!



全く私のタイプでも無いし。



一体何を話せば良いんだろうか、、、。



そうこうしているうちに約束の日曜日になってしまった。



とりあえずデートと言えばスカートの方が良いかなと思いスカートにしてみた。



そしてメイクもいつもより少し濃いめだ。



何だかんだ準備してしまう自分も気持ち悪くて本当に嫌気がさしてくる。



まるで二重人格のようだ。




「待った?」



彼が手を振りながらヘラヘラしながら私に近づいて来た。



あー!やっぱりタイプじゃない!帰りたい!



「私も今来たところです。」



するといきなり彼が手を繋いで来るではないか、、!



「え!?」



私は驚きながらテンパっているとそれを見て



「かわいいね。」と言われてしまった。



うわーーーーーーー!!!気持ちわる!!



振り払いたい!かわいいねって何?!



いきなり手繋ぐか?!



なのになぜだかその手は静かに握られたままだった。



昔っからこうだ、、、。



手なんか繋ぎたくない!ってはっきり言いたい!



もう帰りたい!!



うわーーーーーーーーーーーー!!!



私は心の中で思いっきり叫んでいた。



今までこうしたい!!あーしたい色々あったけど、目の前のことに飲まれて全然自分の好きなようにできなかった。



いつもいつもこれは自分の選択なの?って疑いたくなるくらい逆の方に行ってしまう。



でももうそれも今日で終わりよ!!



「こんなのもう嫌ぁーーーーー!!!あなたなんてタイプでもないし、手なんか繋ぎたくない!もう連絡してこないで!じゃ!!」




私はその場から思いっきり走った。



後ろも見ずに逃げるように走った。



すると発狂したかのような声が私を追って来た。



「待てーーー!!待てってば!!」



うわっ!追いかけて来たようだ。でも私は振り向かない!



「おい!こらっ!勝手な事しやがって!」



その声は聞き覚えがある声だった。






      わ・た・し、、、だ!!


 



目の前にキャラが全然違う私そっくりの顔をした女が立っていた。



「え!?何?!」



「何じゃねーよ!私はあんたのハイヤーセルフなの!私あの男すっごいタイプだったのに、連絡先も交換出来て、デートにも誘われて、服も可愛くスカート履いてメイクもバッチリきめてきたのに!

手も繋げて私は嬉しかったのー!これからって時に何で突然発狂して帰るわけ?!いつも通り私の言いなりになっておけば良かったのに。何であんたが前に出て来るのよ!!」



「あなたが私を操っていたの?だからいつも苦しかったのね。あぁー私はこれからどうしたらいいのー。」



私はその場で泣き崩れた、、、。



「どうかされましたか?」



そこにはキラキラ光る王子様の様な男の人が立っていた。



一目見た瞬間に私は恋に落ちてしまった。。。



すると怒り狂って鬼の様な私のハイヤーセルフも彼に恋に落ちてしまったようで大人しく私の中に戻って行った。



そこには何ひとつ今までの様な違和感は感じられなかった。



そう、私たちは初めてひとつになれたのだ。。。!







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