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ここから始まった

誤字がある可能性があります。訂正して欲しいところがありましたら教えて下さると幸いです。

「ん……」

 シーナはベッドから身を乗り出し窓を見る。カーテンから漏れる朝日が部屋の床の敷物を照らす。

 おそらくまだ時間ではないだろう。朝日の明るさから大体あと数時間は眠れるはずだ。そう考えて乗り出した身をベッドの上に戻そうとしたその時、扉が激しく開いた。

「いつまで寝てるんだ?!」

 扉の開き方と同様に激しい口調で部屋にズシズシと入ってきた。そんなとても怒っているのは私の父親である。私の父親はとてもガタイが良く、何事にも熱心だ。普段は怒らないが怒ると怖い。

「まったく15歳にもなって……」

 そう私は今年で15歳になり、魔法学園に入学する歳となったのだ。それは私としても誇らしいことで、そして嬉しかった。

 魔法学園に入学することは立派になったという証でもあるので、私の父親のように魔法学園に入学する歳と成人する歳が同じと考えている人が多い。

 だが私はそう思わない。なぜなら私はまだ子供を楽しみたいからだ。そうは言ってもここで父親に反抗してはいけない。なぜならめんどくさいからだ。

 シーナはあくびとのびをしながら、ベッドから足を下ろす。

 こんなだらしない姿を見せるシーナは一見魔法を使えなさそうに見えるだろう。しかしシーナは特別であった。シーナは幼い頃から魔法を学び、その先天的な才能と努力で15歳にして魔法界を脅かす存在だ。「シーナは魔法において必要なものを全て持っている」とまで言われるほどだった。底なしとまで言われる魔力量、最難関とまで言われる無詠唱魔法を複数使用可能、抜群の運動神経、魔力は全属性適正、教わった魔法の早すぎる吸収速度などと挙げたらキリがない。

 そんな完璧な私もだらしなさは人一倍だ。でもそれ以外が完璧なんだから別にいいと思っている自分を父親が許さない。

 シーナは父親と一緒に廊下へと出て、下の階の大広間へと向かう。その僅かな時間もシーナは魔法の特訓に有していた。自分自身の周りに魔力の壁を作り出し、あらゆる攻撃から身を守っているのだ。こんなことをする理由は常に魔力を放出することで自分を強く見せるため、さらには連続で魔法を使っていても疲れないようにするためである。それを寝ている合間も、食事をしている合間も常に行っている。この生活を続け何年にもなるだろう。

 階段を下り、大広間に着いた。ここで食事をとるのだ。この大広間は基本的に食事とパーティーでしか使われず、いつもは静かだが、使われる時は給仕や執事などが忙しく働く。

 私は自分の席に着くと、父親も自身の席に座った。私はもうひとつの席を見るが誰も居ないことに気づいた。

「あれ?お母さんは?」

父親に尋ねる。

「いるじゃないか。」

私は席を見るといつの間にか母親がいることに気づいた。私の母親は普段は温厚で綺麗な人だ。そんな母親だが、たまに人ではないかのような動きを見せる。今回は突然現れるといったところだろうか。

 シーナは自分から母親に話しかけた。そこに父親が混ざってきて、さらに賑やかになった。どこの家庭にでもあるような家族の団らんだ。

 ふと私は部屋を見渡す。そういえば私は気にしてなかったが、何故こんなにも広いのに食事とパーティーにしか使われないのだろうか。以前食事以外で使われたのは、たしか私の誕生日パーティーだったはずだ。その誕生日パーティーは私の今までの記憶の中で1番衝撃的な出来事が起こり、私の決心がさらに固まった日でもあった。


 その日の誕生日パーティーは普段と違く、より多くの人が集まっていた。その多さは大広間から飛び出し、庭もパーティーの会場であった。恐らく私が15歳になったから成人(私は認めてないけど)を祝ってのことだったのだろう。でも人が多い分多くの人と話すことになり、普段より疲れてしまった。だから私はそさくさと自分の部屋に戻ったのだ。そこでひと休みしようという算段だった。その時、外の空気がざわつき始めるのと同時に、空が瞬くほどに明るくなったのだ。私は窓から首を出し空の上を見上げ原因を探ろうとした。だが原因を探るまでもなかった。

「魔法陣……?」

それは空高くにあった。ぽつんとある小さくある訳ではなく、この国ひとつを光で覆うほどの魔法陣だった。しかもただ大きいだけでは無く、目を凝らしても見えないほど緻密な線で描かれていたのだ。空に魔法陣を作れるのは、魔法使十聖でも聞いたことがない。その上、ここまで緻密に作れるとなると……

「賢者?」

そのくらいしか居ない。賢者は物語に登場する魔法使いで人知を超えたような魔法を見せる。

 もう一度自分の目で魔法陣を確認する。

 私の魔力量ならばこの大きさの魔法陣を地面に作ろうと思えば作れるのかもしれない。でも空中ではここまで安定して作るのは難しいし、ここまで緻密には絶対に作れない。私では()()()だ。もしこの魔法陣が賢者の魔法であるならば、私はこの魔法陣以上のものを作れないといけない。

 シーナはギュッと手をにぎりしめる。

 私の目標は二百年間不動の魔法界序列一位賢者を破ることだ。賢者の魔法じゃないのなら、超えてみせる。

 シーナは固く決心し、自身を覆っていた魔力の壁の密度が上がった。

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