プロローグ
みなさんは神を信じますか?
今回は神を題材に上げて作ってみたという作品です。舞台はフォールの住んでいた世界とは別の時間軸にある、学園。主人公シーナとフォール、そしてその周りの人達の学園での日々を描いた作品でございます。バトルも混ざったりしますが、できればストーリー性を重視しつつでいきたいと思います。ミスがあればコメントで教えてくれると幸いです。
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突き抜ける風が空模様を悪くしている頃、長き学園の日々が終わり、少女はその学園を卒業した。少女は校門を出て一度家に帰ったかと思えた。しかし校門まで荷物を持ってゆっくりな足取りで戻ってきたのはすぐのことだ。その時の少女の目は期待に満ち溢れていた。
この後の予定は友人との長い長い旅だ。少女ことシーナはこの旅のために両親に旅支度を手伝ってもらい、今に至る。
「長かったな……」
シーナはたった数年の出来事を昨日あったかのように繊細に思い出した。楽しい日々だった。でも、これからの旅は想像を絶するほど長くなり、今よりも楽しい日々が増えるだろう。
シーナは両親から貰った、首元のものを触る。シーナはこれを渡された際のやり取りを思い出す。
旅支度をしている時に母親が私の前に手のひらを突き出した。
「お母さん、これは?」
母親の手の上にはネックレスがあった。そのネックレスはとても綺麗で、よくみると宝石が散りばめられているようだ。
「常に身に付けておきなさい、シーナ。」
いつもの優しい声でそう言った。でも、その声の裏にはどこか心配の気持ちが混ざっていた。やはり親は子を心配するものなのだろうか。
「大丈夫、ほらお父さんも」
娘が旅に出るといい、拗ねていた父親に呼びかける。すると、気持ちの整理がついたのか私の方を向いてくれた。
その顔を見て、私は驚いた。父親は悲しそうな顔であった。でも私は一度決めたことは曲げない。決めたことは貫き通す、たとえ両親の前でも。涙は不思議と出なかった。
「今までありがとう、またいつか」
校門の前を風が吹き抜ける。少しずつだが風が強くなっているようだ。天候が悪くなっているのに一向に来ないのは彼ららしい。
「待った?」
聞き慣れた声が聞こえ、後ろを振り返る。フォールだ。
「遅いよ」
「ごめんって」
「他は?」
他が見当たらず、周りを見渡す。
「そのうち来るさ」
とフォール。
「そうだね」
私は待つ間フォールと話せることが嬉しかった。フォールといる時間はどの時間よりも楽しい。
突き抜ける風はいつの間にか止み、空模様はいつのまにか晴れ模様に変わっていった――
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ここ誰か読むのか?