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【連載版】私は脅迫されております!  作者: 頼爾@11/29「軍人王女の武器商人」発売


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いつもお読みいただきありがとうございます!

すごい。

すごいすごい、すごい。夕日が綺麗。朝日じゃなくて夕日。

私は書き終わったレポートを前にじーんと涙ぐんで感動していた。


借金まみれの時は課題のレポートが終わるまで休みをつぶし、睡眠時間を削ってギリギリで仕上げていた。別に手を抜いていたわけではない。ただ、書いているうちにあーでもない、こーした方がいいと悩みまくって時間がかかっていた。


それが今、借金を返せる目途がついてみてどうだろうか。

休みはまだあと一日残っている。講習会があったせいでレポートの取り掛かりがいつもより遅かったにも関わらず、普段よりも相当早くまとめ終わっている。


「どんだけ頭の効率落ちてたのよ、私」


悩みがない状態だとここまで違うのか。いや、無意識に自分を追い込み過ぎてああなっていたのかもしれない。


「デートはめんどくさいけど、レポートは終わったし良かった!」


明日はユージーン様に急に誘われたおデートでめんどくさいことこの上ないのだが、レポートも終わったし清々しい気分なので仮病を使うのはやめておく。


「契約書にデートの項目はなかったから仮病使ってもいいんだけど」


最初は大事だものね。支援打ち切られても困るし。



初回デートは待ち合わせだった。そうだった、寮まで迎えに来られると目立つから待ち合わせにしたんだった。

そういえば、待ち合わせの時にドタキャンってどうするんだろう。誰か友達に頼んで伝言してもらう? なら私、友達いないからドタキャンできないわ……。


私の服装を一目見て、ユージーン様は速攻服屋に入った。

え、制服じゃない服着てきたけどこれじゃまずかった? 普通、初回デートって制服じゃないお互いを見てドキドキして目を合わせられないという萌えるシチュエーションが発生すべきよね? 私に無縁なのは分かってるんだけど。いきなり服のダメ出しはキツイ。


「何かダメでしたか?」

「その……あまりに服に使用感があるから」


あなたの服と比べたらそりゃあ違うでしょう。あなたの服は新品みたいにパリッとしてるし、洗うのにいい匂いのする石鹸使ってるんでしょーよ。私にはこの服が一張羅だ。


「そりゃあそうですよ。汚れたら洗濯して、ほつれたり穴が開いたりしたら繕うんですから。臭いませんし、カビも虫食いもないですよ?」

「そのパッチワークはちょっといただけないだろう」

「これしか布がなかったんですよ」

「これとかどうだ?」


とうとう話を聞かずにワンピースを一着差し出してきた。お値段を見ようとしたが指でしっかり隠されている。ちっ、気が利くボンボンめ。


濃いめのブラウンのワンピースで派手過ぎず、幼すぎず。どちらかというと大人っぽく見える。それに今日の靴とも遜色なく、合う。ブルーとかイエローって綺麗だけど、全体のコーディネートが難しいのよね。この辺りも遺憾なくユージーン様はボンボン振りを発揮する。


「いいと思いますが、お金なくなっちゃいます」

「私が買うに決まってるだろう」

「えっと……借金に加算とか?」

「そんな小さいことはしない」


さっさとお買い上げして着替えてくるように言われる。値札はばっちり取られてしまって見えなかった。ボンボンの買い物め、むかつく。


着替えて出たところで店員に「彼にお返しを考えたいからワンピースのお値段を教えて欲しい」と慣れない媚を売ってみたが、ユージーン様に気付かれて阻止された。またもむかつく。


「デートは男と女の戦いじゃないぞ。何でそんなに張り合おうとしてくるんだ」

「それは分かってますが、やたら奢られると腹が立ちますね」

「必要経費だ」


私達の手には肉の串焼きがある。

アーロン様がリストアップしてくれた肉の美味しい店のうちの一つだ。


「きっと牛の肉だから腹壊すんだ! 牛以外の肉にしといた!」


と笑顔でリストをくれたので思わず拝んだ。もうアーロン様に足向けて寝れない。


ただ、ユージーン様はいただけない。「腹が減っているから臨戦態勢なのか?」と私を野獣扱いしてくる。このボンボン、私如きの女心が分からずにどうするんだろうか。


「あぁ、そうだ。君が誤解している影についてだが」

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