表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

外人さんと話すときって妥協多めだとうまく話せるよね

こんにちは、僕は佐藤陽。突然だけど、もし、「異世界で人生をやり直せるよ」と言われたら貴方は異世界へ行くだろうか。

今ある生活、家族、友人、または積み上げてきた実績や時間。それらすべてを捨てて異世界という完全アウェイへ行くというのはかなりリスクがある。

簡単な話、僕がもしそう投げかけられたのなら断る。なぜって、現状満足だから。


ここまで話して察しのいい人は僕に何が起きたのかわかると思う。つまりは異世界へ行く羽目になった。死にたい人に限って交通事故にあわないのと同じだと思ってる。運がいいんだか悪いんだか、少なくとも今の僕は、


お花畑のど真ん中、大きな建物を呆然と眺めている。




一応、どうしてこうなったのかを考えてみると、僕は電車に乗って帰るところだった。学校帰りでぼーっとしていた。部活はしてないけど帰宅部でも疲れる時はある。それで、大きな揺れがあって、つり革を掴み損ねて、おっとっと、ってなって・・・


何を言ってるかわからないかもしれないが、僕が一番わからない。転ぶと花畑に行くと学校では教えてもらってないが、目の前のものが真実だ。とりあえず目的は「元の世界に帰る事」そして「生き残る事」だ。周りは花畑、前方に建物、周囲に人の気配なし、僕は丸腰。一通り現状確認をしてみたが、さっぱりわからない。


冷静に考えた結果、やっぱこれ夢だということで、一度眠ることにした。





ーーーどれくらい経っただろうか。足音が聞こえてきた。だんだんこっちへ近づいてくる。一人のようだが、今は丸腰だ。クマの前では死んだふりとよく聞くし、半ばやけくそで狸寝入りした。


?「あれ、誰だ?」


声を聴く限り男のようだ。異世界行ったら最初はかわいい女の子だと思っていたので少しがっかりしたが、その声に敵意は感じられなかった。ここは思い切って目を開けて、「あれ・・・ここは?」みたいなことを言っておこう、そう思って僕はゆっくりと目を開いた。




目の前にいたのは、ゴブリンだった。






?「いやぁびっくりしたぜ。急におっきい声出すんだもんな。」

陽「ごめんなさい。びっくりしちゃって。」

?「俺もびっくりした、こんな所で寝てるとは思わなかったよ。なはは。」

陽「あの、僕は佐藤陽っていいます。・・・貴方は。」

ビル「あぁそっか。俺はビル。2年C組だ。」

陽「C組・・・?」

ビル「ん?どうした?」

陽「・・・学生?」

ビル「そうだぜ?お前も学生だろ?」


異世界に学校があるパターンは想定してなかった。どうやらビルは僕も同じ学校の学生だと思っていたようだ。確かに制服を着てはいるが・・・。よく見ればビルも制服のような服を着ている。しかし、ここで機転を利かせた嘘がつけないので、とりあえず本当のことをビルには話すことにした。見たところビルは悪い奴ではなさそうだし、ゴブリンが人の肉を食う話も聞いたことがない。・・・しかしビルは、話している間終始きょとんとしていた。


陽「・・・ということなんですが。」

ビル「あー。ごめんよ陽、俺考えるの苦手でさ。」

陽「そう・・・ですか。」

ビル「でもなんとなくわかった!とりあえず学校に行こうぜ!もっと頭のいい奴いるから!」

陽「ありがとうございますビルさん」

ビル「呼び捨てでいいよ!てか、敬語じゃなくていい!」


ゴブリンのビルに助けられ、人のいる場所へ連れて行ってもらえることになった。と同時にこれが夢じゃないこともわかった。生まれて初めてゴブリンを見て、友達になった。もうこれ以上の驚きはそうないだろう。謎の自信が僕にはあった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ