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第十三話 お願い

「キヨ、もういいわ」

「はい、承知しました」

出雲がそう締めると、キヨちゃんの姿は消えた。

「東雲さんがグリーンで監視役なのは確定とすると、協力は無理かな」

「厳しいかも知れへんな。それでも、巻き込んだほうがおもろいか」

「そうですね。巻き込むのはアリかと」

「そっちは俺がどうにかするわ」

そう言って、時計を確認する。まだ、 21時頃だ。

「いろは、会長はどうする?こっちは確実に引き込みたいんやけど」

「難しい感じがするな。会長は協力してくれたとしても、積極的には関わらないと思う」

「そんな感じやな」

「ハイですぅ」

「ですが、三井様の協力があるとなしとでは今後の計画に大きな差がでますよ」

「とりあえず、俺から探りいれるわ」

「京、すまんな」

そう言って、東雲さんと会長の対応を決める。

「ええって。そしたら、当分は通信網の整備やな?」

「いえ、手順を変えましょう。通信網を整備して、観測地点を作る案は優先度を下げるべきです」

「その心は」

「ダンジョン主の寝床が確定しても、今の京様の実力では、救出は無理です」

「痛いことゆうなぁ」

「と言いますか。近づいて≪つばさ≫様の確認すら不可能です。ですので、京様の訓練を第一事項に提案します」

「結局、それが確実だな。京、訓練に必要なものあるか?」

「ああ、それなら、いろはにお願いしたかったことがあってん。ショートソード一本、打ってほしいねん」

「ショートソード?」

「流石に魔物と戦う時、素手では戦える魔物のが限定されそうやから、魔法剣使ってるのも隠したいしな」

「そうか。希望はあるか?」

「特には、あまり長すぎたら扱いづらいから、刃渡り40センチぐらいで、切れ味よりも、丈夫で軽いのがええな」

「京、普通は丈夫にすれば、重たくなるで」

「あまり重たそうなら、刃渡り短くしてええ、使える回数重視でお願いやな」

「ん、回数は本数で賄ってもいいと思うぞ。収納に問題ないし」

「ちゃうがな。多分、深い階層では、回数がポイントのなると思うねん。傷みが早いし、武器を換装する隙がないねん」

「それは、あり得ますね」

「そうか。とりあえず、一本打ってから検討するか」

「それで、お願いやな。」

これで、武器の依頼はええかな。

「会社のオーダーはどうする?」

「今月の週末は物質輸送に充てて、来月からは月一で、その他は生徒会と一緒にダンジョンに潜るので宜しいかと」

出雲がそう提案する。

「それでいこか。会社との調整まかせるわ」

「いろははどうする?ダンジョンは入れんか?」

「すまん無理だ。ダンジョン主は今でも俺を狙っている。十中八九、ダンジョンに入ったら襲われる」

「勝てる見込みは?」

「ある。あるがその場合は国を相手に戦争になる。ダンジョン主を倒せば、ダンジョンが崩壊する。それを防ぐ為に、防衛隊は俺を隔離しているのだから、美里さんも救出はOK、討伐はNGと言ってる」

「そうですね。いろは様がダンジョンに入ったら、グリーンが暗殺にくるでしょう」

「その一番手が、姉貴か東雲さんか、あかんな東雲さんはともかく、姉貴は相性が悪すぎる。暗殺防ぐの無理やで」

「蘭様は強すぎですぅ」

「そうですね」

「ま、仮定の話は置いといて、いろはは研究とバックアップ、出雲は分析と情報収集、俺は訓練やな」

今後の方針を決めて、俺は地上に戻った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日、午前中の授業が終わって、さくらが声をかけてきた。

「いろはと、京君、一緒に食堂に行こう」

「ごめん、さくら。予定があるねん。いろはと二人で食べてや」

「そっか。そしたら、いろは行こう」

満面の笑みで、いろはと教室を出ていった。

なんかへこむ。

俺も教室を出て、隣のクラスを覗き、東雲さんを捜す。

残念、教室を出た後だった。

『イーちゃん、会長の位置わかるか?』

少し、悩むイーちゃん。

『生徒会室ですぅ』

俺は購買部によって、パンを買った後、生徒会室に向かった。

生徒会室の扉の前で中の様子を伺い、会長が一人であることを確認して、ドアをノックする。

「入っていいぞ」

扉を開けると、昼食を食べながら、仕事をしている会長の姿があった。

「会長行儀悪いで、食事しながら仕事するんわ」

「解ってるんだかな。時間に追われるとつい。ところで、少年なんか用事か?」

「ああ、会長に用事があってん。一人、生徒会にメンバー追加してくれへんか?」

「あんまり、人数は増やしたく無いんだか。で、そのメンバーは?」

「一年Bクラスの東雲梓、ランキング戦は七位やな」

会長はしかめっ面になる。

「ランキング戦七位か、微妙だな」

そう言って、部屋の壁にランキング戦の試合風景を映す。

「普通だな、優等生ではあるが飛び抜けて、凄いわけでもなく、マナも394か、悪くもなく、良くもなくか」

益々、渋い顔つきになる。

「ダメだな。前衛は今のメンバーで足りている」

会長がそう切って捨てる。

「あかんか。会長でも実力見抜けんか」

「少年、どういう意味だ」

「ウイちゃんに聞いたら、ええで」

そう言った瞬間、目の前にマシンガンが突き付けられる。

「少年、どこで知った」

俺は両手を挙げて、応える。

「イーちゃん、姿出してええで」

すると、俺の横にイーちゃんが姿を現した。

「三井様、初めましてですぅ。」

会長が驚く。ん、驚いた顔も美人やな。

「ウイ、どういうことか、説明しろ」

「望、椎堂様は唄姫のマスターなの」

ウイちゃんが姿を現した。

「唄姫とは、何だ?」

「えっ、会長そこからか?」

「少年、どういう意味だ?」

驚いた顔で尋ねる。

「ええっと、会長はウイがなんやと思っておったん?」

「サーバントの変種、やけに馴れ馴れしいサーバントやと思っていたが」

「あちゃあ、根本から説明せなあかんな。とりあえず、銃下げてな」

そう言うと、会長は銃を下げてくれた。

「まず、謝ります。すんません。てっきり、俺が唄姫のマスターだとバレて生徒会に勧誘されたと思っておってん」

「いや。さくらが入るおまけで誘っただけだ。たが、自分の目は確かだったぞ。これだけ有能な事務要員そうそういないからな」

会長が満面の微笑みでそう言った。

「ほんまに偶然やったんか。さっきの話し振りやと、根本も知らへん感じやな。ウイちゃん説明してないんか?」

「ハイなの。望は尋ねないから、話してないの」

「会長、普通訳分からんかったら尋ねんか?」

「少年、サーバントに自分が何者であるかを問うのはおかしいぞ。そんなことを応えれる筈がない。一応、調べてはみたが素性が全く解らなかった。だから、突然変異のサーバントと思い、ウイが何か解らなかったが便利だったので使っていたんだ」

「神経ぶっとすぎやろ」

「そうか」

「説明どないしよか。いろはも混ぜたほうがええな。会長どこかで時間取れるか?」

「いや、私は早く知りたい。この後の訓練の時間をミーティングに変更しよう」

「そうでっか、そんなら、事務処理手伝いますわ」

そうして、会長と二人で昼食をとりながら、事務処理をして、昼休みの時間を過ごした。



『ウイ、イーちゃんルームにようこそですぅ』

『イー姉様、宜しくなの』

『三井様はリアリストですぅ』

『メルヘンが足りないなの』

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