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第十一話 結果発表

学園に戻ると一旦、寮に戻って、ダンジョンの埃を落とす。

制服に着替えた後、校舎内の買い取りセンターに向かう。

センター内はガランとしていた。

カウンターに魔石とドロップアイテムと生徒手帳、オーダー証明書を置いて、買い取り査定をお願いする。

「あら、早いのね。36万3千よ」

カウンター業務についてる茜先生から、生徒手帳を返される。

学園内では、現金の受け渡しは一切ない。

全て、生徒手帳を使用した電子マネーである。

「まだ、他の生徒は戻ってないんか?」

「ええ、貴方が一番よ。何時もなら、チラホラ帰ってくるのだけど、何故か今日はまだ誰も来てないわ」

今は3時半、ん~、嫌な予感がするな。

「茜先生、防衛隊に手紙回せる?」

「ええ、大丈夫よ」

其れを聞いて、ストレージから、手紙を二通出して、預ける。

「カウンターは茜先生一人か?」

「ええ、そうよ」

「今日、争奪戦してるの聞いとる?」

「え、初めて聞いたわ。何かいいものが景品なの?」

「悪いものではないと思うで、フラ○ツの壺プリンやな」

「……………私の分、ある?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それからが大変だった。

生徒会のメンバーは4時頃帰ってきたが、4時半頃には、カウンターは長蛇の列になっていた。しかも、続々人数は増えてくる。

俺は列の案内をしているが、今にも暴動が起きそうである。

そんな中、会長から電話が掛かってくる。

「少年、どんな感じだ?」

「あきません。暴動寸前やな。この人数捌ききれんで」

「そうか。今日は魔石の換金しかしない旨を通知しろ、後、17時までに列に並んだ生徒は、争奪戦に参加できる旨もだ。応援として、紬先輩をそちらに廻す。持ちこたえろ」

そう言って、電話が切れた。

「オイオイオイオイ!5時迄に買い取りおわんねえだろ。どうすんだ」

並んでる生徒がいちゃもんをつける。

「並んでいる方は争奪戦の参加資格ありにします。ただ、査定に時間がかかってますので、ドロップアイテムの査定は後日でお願いします」

「ちぇっ、早く列捌けや」

笑顔で対応する。大人やな俺。

そうして、紬先輩の応援もあり、なんとか暴動は起きずに17時になろうとしていた。

廊下を猛烈に走ってくる人がいた。

中嶋さんや。

「ハッハッハッハッ。ま、まにあった?」

「ギリギリセーフやな」

「良かったぁ~」

その場で座り込む。

「中嶋さんも、甘いもん好きやったんか?」

「そうでもないけど、金曜日の夜、女子寮で麻生先輩がむっちゃ自慢していて、すっごく美味しいプリンやったと言ってたんで、興味があるし、それに、先輩からはプリンといい武器との交換も打診がきてるよ」

その話を聞いて、案内メールを確認する。

譲渡禁止の項目がないな。まずぃ。

「それに彼氏のいる先輩は、おねだりしていたり、男子生徒の中には、好きな子にプレゼントする為に気合いをいれてる人も多かったよ」

「それなら、かなり無謀な所に突っ込んだヤツおるんやないか?」

「何人かはいたみたいね。風紀に捕まった人もいたみたいだし」

紬先輩がそういった。中々、大層になっている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


それから、買い取りが終了したのが、18時を過ぎていた。

茜先生、引きええなぁ。ぐったりしてる。

俺は部屋に戻って、いろはを連れ出し、食堂へと向かう。

食堂はまだ混雑の前だったので、いろはと二人で食事をさっさと済ませた。続々と生徒が集まってる中に生徒会のメンバーの姿を確認できた。

「いろはたちズルい。もう、夕食すましたの?」

「ああ、後になったら、食事できるか分からないからな」

「さくら、私達は食事より、準備だステージに行くぞ」

食堂の奥にあるステージに行く。

「会長、誰が司会するねん?」

「司会は麻生だ。彼女はいつもしているからな」

「そうだよ。司会は任せてだよ」

そうして、生徒会のメンバーで争奪戦の結果発表の準備をする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


19時になった。食堂は生徒で溢れている。みんなの顔は期待に満ちている。

「はーい。みんなー、準備はいい!争奪戦の結果発表するよー」

麻生先輩がノリノリで司会を始める。

「まずわ。いきなり、一位の発表だ~♪」

「「「「「オォーーーー!」」」」」

「一位は、862万で……………………………………………………空気を読まない三井会長だ~」

「「「「「エェーーーー!」」」」」

「ま、今回は生徒会のメンバーは除害なんで、次行くよ」

「二位は、804万。射撃部長 轟さん 相変わらす、魔物殺しまくりですよ」

パチパチパチパチ

轟先輩流石、キッチリ、二位に入ってる。

「三位は、526万。剣術部長 青井さん いつも通り結果をだしますね」

「四位は、522万。なんと、探索部長 高宮さん 初トップファイブではないですか!!」

パチパチパチパチパチパチパチパチ

「そして、シークレットナンバーは…………」

麻生先輩は封筒の端を切り、紙を取り出し読み上げる。

「147番!!」

紬先輩が該当者を確認して、名前を告げる。

「147位、18万3千、一年の中嶋さん」

「中嶋さん、おめでとう、初ダンジョンで15万ごえは、将来の有望株がでてきたよ」

「「「「「ウォーーーー!」」」」」

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!

「エ、え、私…………。ヤッターーーーー!!」

中嶋さん、むっちゃ喜んでいる。

「それでは、プリンを渡すので、壇上にあがってきて」

そして、上がってきた四人にプリンを渡す。

会場から、割れんばかりの拍手が、なり響く。

「ええっと、最後に一つだけ、注意点を挙げます。プリンを物品と交換するのは禁止、プレゼントはOK!特に中嶋さんはこの場で食べて、感想言って。」

と、麻生先輩、中嶋さんにスプーン渡して無茶ぶりやな。麻生さんもノリに流され、その場でプリンを食べてるし。

「…………………………………………………」

中嶋さんは食べた瞬間、驚きの顔をして、時間がたつと頬が下がる。

「むちゃくちゃ、美味しい~~~~~」

満面の笑顔である。


最後に会長が壇上に立つ。

「今回は、争奪戦に参加してくれて、ありがとう。みんな、張り切って、魔石を集めてくれたおかげで、速報値だが、過去最高額になりそうだ。一年生も初ダンジョンなのに、全員無事、生還できた。とても喜ばしいことだと思う。これからも、勉学と技を磨き、楽しい学園生活を送ろう」

そう言って、争奪戦の幕は降りた。



『中嶋様はラッキーガールですぅ

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