日記の内容
「このかぼちゃパンツ?とシャツはパジャマ…ってことでいいんだよね?」
ワンピースと一緒に置いてあったかぼちゃパンツと薄手のシャツを手にとって呟く。
体はお風呂でポカポカだけど、心の中は軽いブリザードが吹き荒れている。
だってさ、かぼちゃパンツとシャツって明らかに子供だと思われてるよね!?
(いや、洋服を用意してもらっただけでありがたいんだけどさ…)
サリアさんやマリア、リズでさえ、寝るときはキャミワンピみたいので寝るって言ってたし!
確かに凹凸に乏しい体つきで、見た目は子供だから仕方ないかもだけど、精神年齢18才としてはすっごく微妙な気分。
(もしかしてリングル国ではこれが普通…とか?どちらにしても明日ショタっ子に聞いてみよ…)
項垂れながらベッドへ腰掛けて件の日記帳を手に取る。
読みたいような読みたくないような…。
だって☆とかつけちゃう人が書いた日記だよ?
何が書いてあるか全く想像できない。
これ以上頭痛のたねが増えなきゃいいけど…そんなことを考えながら日記帳を開いた。
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今日から日記を書こうと思うの!
だって誰もが憧れる異世界トリップってやつをしちゃったんだもん!
それに…なんと!!吸血鬼になっちゃったみたい!
吸血鬼よ?吸血鬼!!
もう、ビックリ!だって私、昔からヴァンパイアものの映画が大好きだったし。
きゃー!これからめくるめくラブロマンスなんて事があるのかしら!?
人間と吸血鬼の禁断の愛!素敵すぎる!
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パタン。
あ、思わず日記帳を閉じちゃったよ…。
なんていうか‥…これを書いた人が凄くおめでたい頭をしてたってことしかわからなかったね。うん。
一ページ目でこれってことは、暫くはこんなテンションの日記が続くと思って間違いないだろう。
しかも憎たらしい事に、この日記帳、結構な厚さがあるんだよ…。
(今日は色々あって疲れたから明日読も…)
これを読むには、並々ならぬ精神力が必要になると考えた私は、明日にまわすことにした。
わざわざ、疲れている時に精神力を削ってまで読む必要がないと判断したからだ。…少なくとも今の時点では。
まぁ、読み進めていったら何かわかるかもしれないけどね。
早々に読むことを諦めた私はベッドへ潜り意識を手放そうとした時に大事な事に気付いた。
あ、侍崩れに血を与えるの忘れた…。