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最後の一人

えー、なんといいますか…『後悔先に立たず』という先人の教えを痛感しているサーラでございます。


いや、ショタっ子が精霊王′sの主とか訳のわからん事を言い出したからやんわり誤魔化そうと違う話題を振ってみただけだったんだよ!?


『神様ってどんな方なんですか?』って。


だって興味あるじゃん?

日本に居た時は、八百万の神々とか信じてなかったし、仏教徒とはいっても決して信心深いわけじゃなかったけど、私が所謂異世界トリップしてきたってことは、神様が関与してるんじゃないかなんて思ったわけ。

小説では神様に会って~とか召還されて~とかがテンプレでしょ?

そういうのすっ飛ばしていきなり売られる寸前の馬車スタートだったわけだけど、恐らく何かしらの干渉というか、介入がなきゃ、今の現状が説明つかないもん。

だからただ何となく聞いただけだったんだよ!

それなのに…何をとちくるったのか、目の前のショタっ子は神様について熱く語ってるわけで…


「我々が信じる神は男神ゼフ様ただ一人。ゼフ様とはこの世界の唯一の神にして創造神でもあられるお方なのだ!教会のエンブレムでもある神獣ポラを従え、黒衣を身に纏い、それはそれは見目麗しい方だと伝えられている。教会の中央には恐れながらゼフ神を模した石像を飾らせて頂いておるが…」


まぁ、こんな感じでもう一時間も喋りつづけてるんだよね。

つーか、神様が見目麗しいって会ったことあんの?とか黒衣を身に纏ってるってそれこそ邪神とか死神じゃないの?とか、神獣ポラって何?あの鷲みたいなやつ?とか、息継ぎいつしてんの?とか突っ込みたいところは山程あるけど、黙って聞いてますよ?

これ以上話長くなったら面倒だし。


「教皇殿、始祖殿が困っておられる。その辺にして食事でもされてはどうか?」


おお!誰かわかんないけどナイスタイミング!って思って声のした方を振り向いたら…なんか居た!


「えっと、貴方は?」


「失礼した!始祖殿がおられると聞いて居てもたってもおられず参上した次第でござる。(それがし)はナギサ・ラスクウェルと申す」


うん。どこから突っ込めばいいのかな?

えーっと、まず、後ろで束ねた黒髪に銀色の瞳で同胞ってことはわかった!

でもなんで着流し姿!?

つーか、(それがし)って時代劇かよ!?

しかもなんか名前まで日本人っぽいし…まぁ、要するに変人が一人増えたってことか。

はぁ…同胞ってまともなのはいないのだろうか!?

こう、普通っぽい人とかさ。

まーいいや、とりあえず、最後の一人見つけましたよー!(ヤケ)




場所は変わって教会内の大広間。

色とりどりの果物やサイラン国では滅多に食べられなかったお肉(なんの肉かは不明)、高そうなワインが並べられたテーブルを見て、私は目を輝かせる。

だって、お腹が空かないとはいえ、美味しいものは食べたいしね。

一つ不満を言うならば、椅子に座っている面子が神様大好きショタっ子と侍崩れの同胞、そして実体化した精霊王′sだってことぐらいだ。

つーか、こんなときだけ実体化する精霊王′sに軽く殺意が芽生えたのは言うまでもない。

どうせ私の言いつけを無視して実体化するんだから、ショタっ子が神様うんぬんを熱く語ってる時に出てきて助けてほしかったし。


「吸血鬼始祖様、精霊王様方、どうかゆるりと召し上がってくれ」


ショタっ子の話し方にはいまだに慣れないし、なんで侍崩れがこの場に居るかはわからないけど、食べ物に罪はないので美味しくいただくことにしました。

所謂、ヤケ食いというやつです。


うわ!このお肉うまー!!この果物もうまうまー!


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