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迷子の迷子の~♪

皆の生暖かい視線から逃れるべく、脱兎のごとく逃げ出した私は空を飛んでいた。

だって部屋に戻っても多分誰か来ると思うし。

パニック真っ只中の状態で、根掘り葉掘り色々聞かれるのはごめん被りたい。絶対に!



それにしても…ユリクさんが私に想いを寄せているって…本当なのかな?

この世界に来てからやたらと告白というか求婚?されてるけど、アンディとかアイザックとかキラキラ王子とかだし、はっきりいって本気になんてしてなかったもん。

まぁ、全員変態だったりロリコンだったりって一癖も二癖もあるような人だったし。

お付き合いすっ飛ばして結婚とか言われても、何の冗談だよ!って思うじゃん?

それに、私のなりは今こんなんだし、凹凸の乏しい体だし?見た目子供だし…あ、目から汗が…。


それに引き換え、ユリクさんはイケメンで優しくて誠実で…女性の理想とする男性像そのものだから、お付き合いするには最高の人だと思うけど…‥って!なに考えてるんだ私!!!

ユリクさんが本当に私の事を好きだとか決まった訳じゃないじゃん!!

もしかしたらダリアさんが勘違いしてるだけかもしれない!うん。そうだよ!そうに違いない!


(よし、落ち着こうか私!それにしても眩しいなー……ん?眩しい!?何故に!?)


えーっと、とりあえず今の状況を説明しますと、太陽が真上からサンサンと大地を照らしております。

いい天気ですね。絶好の運動会日和と言えるでしょう。

そしてその大地は私が見たことのない場所であります!えぇ、全く。

導き出される答えは…はい、迷子です。

てか、お城を飛び出したのって夜だったよね!?

どう考えても今は昼間なんだけど…どういうことさ!?



「てか、ここどこよ?」


迷子になった事実を受け入れつつ、思わず呟く。

村か町‥いや人さえ見つければなんとかなる…はずだ。多分。「ここはどこでしょう?」なんて恥ずかしい事を聞く勇気さえあれば。

それに、お城から出たのが夜の8時くらいだったから、仮に今、正午だとしても移動距離はたかが知れてるよね。


なんて軽く考えてた。

精霊王′sの言葉を聞くまでは。


『ここ、サイラン国じゃないわよ?』

『そうだね。エルフの気配が感じられない』

『ふふ、始祖様ったらあんなにスピード出すんだもの!着いていくのがやっとだったわ』

『すっげー!あんなに速く飛べるなんて!』

『…すごいね』

『…うん』


なんですとーー!!!





それから聞いた精霊王′sの話を要約すると、どうやら私は凄い速度で飛んでいたらしい。それはもう信じられないくらいの。

さすがに音速や光速とはいかないまでも、チートである精霊王′sが着いてくるのがやっとだったって言うくらいだから、相当だろう。

まさに鬼チートだ。無意識だけど…。この体のスペックを甘く見てたかもしれない。

それはともかく、ここはサイラン国ではないらしい。

じゃあどこだよ!って思ったけど、精霊王′sは『わからない』の一点張り。

まぁ、そうだろうね。

精霊王′sは能力的にはチートだけど、ずっと森に住んでた?らしいから。所謂、引きこもりだ。

聞く人を間違えたわ。

とはいっても、ここに他の人は居ないから、それ以外の選択肢は無かったんだけども。


「はぁ…とりあえず人を探そう。このままじゃ埒があかない。あ!目立つから実体化はといてね」


精霊王′sが発光体に戻ったのを見届けてから、私は低空飛行しつつ、人を探すことに専念した。


つーか、ほんとにここどこよ!?






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