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警告


扉をくぐったらそこは戦場でした…ってことは全然なくて、会場に集まっている全員がチラリと視線を寄越したくらいだった。

中にはジッとこちらを見てくる人もいたけど、これだけ美幼女から美女が勢揃いしてるからそれは仕方ない。

どうも元から美形な私のお仲間はそんな視線に慣れているようで、しっかり背筋を伸ばして歩いている。

約一名、挙動不審な人物がいるけどね。

まぁ、私なんだけどさ。

だってこういう場にもそんな視線にも慣れてないんだもん。元一般ピーポーだし。

と、心の中で言い訳してたら王様が会場に入ってきた。

ざわざわしていた会場が水をうったように静かになったのを見計らって、王様が口を開く。


「皆の者、よく集まってくれた。今日はゆっくり楽しんでいかれるがよい!」


それを合図に夜会が始まった。



「サーラちゃん!これ美味しいわよ!」

「ふむ。なかなかじゃな!」

「ちょっとリズナベット!あんたが食べるんじゃないわよ!私はサーラちゃんに…」

「まぁまぁ、お姉ちゃん落ち着いて…」

「ユリク様ー、これなぁに?」

「これは森の奥で採れる果実だ。ジンは食べたことないか?」

「うん。けど美味しいね!」


なんというか…平和だ。

いや、料理は確かに美味しいんだけどさ。

立食形式の夜会ってこともあって、好きなものを食べることが出来るし、私も食べてるんだけど…

ちょっとばかり緊張感が足りないんじゃないだろうか?

ユリクさんもずっと側に居るし、仕事はいいのか!騎士団長!

そんなことを考えていると、会場の空気が変わった。


『おい!見ろよ!』

『あ、ああ、美しいな』

『三人揃うとさすがに圧巻だ!』


会場のざわめきが大きくなる。

それになんだか招待客に落ち着きがない。

主に男性がだけど…。

不思議に思って騒いでいる男性たちの視線を辿ると、そこには三人の美女がおりました。

クールビューティー系、癒し系、気が強そうな感じと見事にバラバラな系統だけど、かなりの美人だ。


「ユリクさん!あの美人さんたちは誰ですか?…ユリクさん?」


「あの三人は従妹だ。」


「はぁ、美人さんですねー」


「……」


え?何故にそんな険しい顔をしてらっしゃるの?

まさかあの美人さん達が容疑者ですか!?

マジで!?


「ユリク!!久しぶりだな!」


クールビューティーがユリクさんに気付いて近付いてくる。

癒し系と気の強そうな美人を引き連れて。


「ああ、三人とも元気そうで何よりだ!」


「ユリク?そちらの方々は?」


チラリと私を見て、癒し系美人が尋ねると、ユリクさんはなぜか顔を赤くした。

え?どうしたの?


「こちらはサーラさん、そちらの方はナディアの側妃であられるサリア殿と妹君のマリア殿、そしてリズナベット殿。そこにいるジンは騎士団の見習いだ。」


「あらあら、初めまして。私はユリクの従妹のダリアよ。そしてこちらが妹のカチュアとラナ。よろしくね!あ、そういえば国王への挨拶がまだだったわ!それでは皆さん、失礼しますわね」


ウィンクしながら嵐のように去っていった癒し系美人はダリアさんで、クールビューティーがカチュアさん、気の強そうな美人がラナさんね…よし!覚えた。


名前を反復して覚えようとしていた私は気付かなかった。

ラナさんが小声で『気を付けて』と言ったことに。

そして皆が三姉妹の後ろ姿を食い入るように見つめていたことにも…。









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