作戦会議?
短いです。
「…ということなんですけど…」
私はアンデッドのようなユリクさんから聞いた話をするべく、サリアさんの部屋にお邪魔して、全員に収集をかけた。
こういうことは皆に話しておいた方がいいと思ったからね。
だって相手は『エルフ至高主義者』だよ?
私をはじめ、エルフのエの字もかすってないメンバーは狙われるかもしれない。
で、話し終わったのはいいんだけどさ、皆さん何でそんな楽しそうにしてらっしゃるの?
楽しい話なんてしてないんですけど!!
「ふぅん?私のサーラちゃんを殺そうとした奴等のボスがねぇ…明日の夜会は血の雨が降らなきゃいいけど…ふふっ」
「サリア、程々にな。妾とて許せぬがこの国を無くすのは不味いじゃろう。のう?マリア」
「そうだよ、お姉ちゃん。無差別殺人はだめだよ?」
「うん。僕もそう思うー。」
なんだか物騒な会話が繰り広げられておりますよ!
何が怖いって、恐ろしい単語がバンバン出てきてるのに、皆が笑顔ってことだ。
目は全く笑ってないけど。
果たして明日の夜会は大丈夫だろうか?
私を含め、吸血鬼が四人、そして私の魔力の放出でも倒れなかったらしいジン君、そして精霊王たち。まぁ、ユリクさんは騎士団長として出席するんだろうから、終始私たちの側にはいられないとしても、相手が可哀想になるくらいの実力を持ったメンバーだ。
同情なんて絶対しないけど。
まあ、私ならこのメンバーを敵に回したいとは思わないな。うん。
ゲームでこのメンバーが敵として出てきたらどんな無理ゲーだよ!ってゲーム会社にクレームを入れるレベルだよ。
「えーっと皆、程々にお願いします。」
私がそう言えば、全員超絶笑顔で頷いてくれました。
その笑顔がとっても不安なんだけど…本当にわかってんのかな?
吸血鬼は病気にならないらしいけど、なんかすっごく胃が痛い気がする。
だってさ、皆、特攻型なんだもん。
私が読んでたファンタジー小説では、特攻型の人間を止める冷静な策士が一人はいるっていうのがセオリーだったんだけど…どうやら現実はそんな上手くいかないようです。
痛むような気がする胃を擦りながら、私は部屋を後にした。
このまま会話を聞いてたら胃に穴が空くと思ったんだもん。
自己防衛本能です…多分…不甲斐ない始祖ですんません。