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夜会の前に


「明日、夜会を開くそうです。ぜひサーラ様にも出席していただきたいと国王様が…」


朝食のサンドイッチをもきゅもきゅ食べていたらマヤが紅茶を淹れながらそんなことを言い出した。

ちなみに、精霊王達は世界に充満するマナ、つまり魔力の元みたいなものらしいんだけど、それを糧としてるから食事は必要ないんだそうだ。

まぁ、実体化すれば食事は出来るらしいが、あくまで趣向品って位置づけらしい。


まぁ、それはひとまず置いといて…


「…夜会って…ヒラヒラしたドレス着て、コルセットでギュウギュウに締め付けられてダンスとか踊るあの夜会のこと?」


「サーラ様、コルセットはこの国では着用しませんよ?」


「ダンスは今回どうかわかりませんけど…概ねその認識で正しいかと…」


そうか…コルセットは着けなくてもいいのか…。

いや、着けたことないけどさ、すっごい苦しいって小説とかで読んだから、それはひと安心なんだけど…このタイミングで夜会って…絶対何かあるよね?

だってさ、私、昨日襲われてるんだよ?

そのあとに精霊王やらなんやらで大変だったから幸いなことにトラウマにならずに済んでるけど、普通ならショックで寝込んでてもおかしくない。

しかも、それがわからないほど王様は愚王じゃない。

ってことは…何かあるって言ってるようなもんじゃん!


(出席するのは、すっごーく憂鬱だけど…まぁ、王様が決めたことなら仕方ないか!まぁ、精霊王達もいるし何とかなるっしょ!)


サンドイッチの最後の一切れを食べ終わった私は、マヤとハイジに言った。


「喜んで出席させていただきますって王様に伝えてくれる?」と。


その言葉を一時間後には激しく後悔することになるとは知らずに。







「……もう無理…休ませて…」


「まだ半分ほどしか終わってませんよ?」


「あと少しです!頑張って下さいませ!」


…マヤ、ハイジ、夜会に出るとは言ったけど、これは聞いてない。


私の前には女性が5人。

マヤ、ハイジ、それに服飾職人の方々だ。

なんでも王様が気をつかって王族御用達の服飾職人を呼んでくれたんだって!

夜会用のドレスを拵える為に。

また、その服飾職人の方々のテンションが半端なく高くてさ…


「こちらの色もいいんじゃないかしら?」

「あら、でもこっちも素敵よ!」

「可愛らしいお嬢様だもの、最高のドレスを拵えなきゃね!」


なんて言いながら張り切っちゃって…体の隅々までサイズを計られたり色んなドレスを試着させられたり…恥ずかしさやら疲れで、私のライフは既にゼロだ。

だけど助けてくれる人は居ない。

『四面楚歌』って言葉が頭に浮かぶくらい。

マヤとハイジまでキャイキャイ言いながら生地を選んでるし…はぁ…もう、どうにでもしてください。





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