表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/97

新たな仲間


『ダイジョウブカナ?』

『シンパイ』

『マダオキナイ』

『マリョクノツカイスギ?』

『ハヤクオキナイカナ』


(ん?話し声が聞こえる?)


目がパチリと覚める。

最近ではもう見慣れた天井が目に入って、弾かれたように体を起こす。

クラリとする頭に顔をしかめながら声の主を探すと、そこにはフワフワと漂う発光体が…

って!何のホラーだよ!?


「な、な、なんじゃこりゃー!」


とりあえず叫んでみました。

だって幽霊とか苦手だし!幽霊にしては随分カラフルだけど、でっかいカブトムシがいるこの世界ならカラフルな幽霊だっているかもしれない。

ホラー映画は勿論、放課後の学校や夜のトイレにもビビる生粋のホラー嫌いの私にとって、この状況は恐怖でしかない。


「サーラ様!どうかされたんですか?!」

「何か御座いましたか!?」


私の叫び声に驚いたのだろう。

マヤとハイジが扉を蹴破らんばかりの勢いで部屋へ入ってきた。

猫耳がピンと立ってる二人になごみそうになったけど、今はそれどころじゃないと思い直すことに成功。危ない危ない。


「マヤ、ハイジ、私のまわりに幽霊が居るの!どうにかして!」


「は?幽霊…アンデッドでございますか?ハイジ、何か見える?」

「…何も」

「そうよね。サーラ様、まだお疲れになっておられるのではないですか?」

「そうです!まだ夕食まで暫く時間もありますからお休みになっていて下さい!」


なんか可哀想な子を見るような目で二人が去っていってしまいました。

え?何で?二人には見えない…の?

まさか異世界補正で私に霊感が備わったとか?

要らんわ!そんなもん!

てか、一人にしないでよー!

無情にも閉まる扉を見ながら私はガクリと肩を落とす。


『オキタネ』

『アンシン』

『モウダイジョウブ?』

『デモ、ゲンキナイ』

『ドウシテカナ?』


ひぃー!また話し声!

南無阿弥陀仏南無阿弥陀…

ん?なんか心配されてる?

恐る恐る発光体に目を向けると、ふるふると震えていた。


(あ、なんか可愛いかも?ってか、喋ったのってこの発光体…だよね?)


ふるふる震える発光体を不覚にも可愛いかもなんて思ってしまった。

カラフル効果なのか!?

いや、なんかおどろおどろしい感じがしないからかもしれない。

なんか心配してくれてるみたいだし?

よし、女は度胸!と気合いを入れて話し掛けてみることにした。


「ねぇ、あなたたちは幽霊…じゃないの?」


『ユウレイ?』

『チガウヨ』

『セイレイダヨ』

『ウン、セイレイ』

『シンパイデツイテキタ』


片言で話すからすっごく聞き取りにくいけど、幽霊ではないらしい。

精霊なんだって。


「なーんだ。精霊かぁ…って!!精霊!?」


ついに出ました。

ファンタジーにつきものの精霊!

まさか発光体でカタコトだとは想像もつかなかったけど。

なんか心配して付いてきてくれたらしいのに、幽霊なんて言ってごめんよ。





それから自己紹介も兼ねて少し話をした。

何とこの発光体…もとい精霊たちは精霊王なんだって!

赤い子が火の精霊王で『フレイア』

青い子が風の精霊王で『シルフィ』

緑の子が大地の精霊王で『アース』

水色の子が水の精霊王で『アクア』

オレンジの子が光の精霊王で『ルミナリア』

黒い子が闇の精霊王で『ダーク』


って名前らしい。自己申告なので真否はわかんないけど多分嘘はついてないっぽい。

勘だけど。

なんか発光体と話をしてるのがかなり不思議な感じだって言ったら、人型にもなれるらしい。

でも丁重にお断りしておいた。

だっていきなり裸の人とか出てきたら精神的にちょっと…ねぇ?

空中に向かって話してる姿は端から見ればかなりシュールだろうけど、裸の人たちと話してるよりはだいぶマシだろう。

今のところ誰にも見られてないのだけが救いだ。

頭がおかしいと思われるのも、変態だと思われるのもごめん被りたい。



で、話は戻って、精霊王達が何でここに居るかっていうと、森で遊んでたら大きな魔力に気付いて集まってきたんだって。

そこに魔力を使いすぎた私が倒れてたから心配で付いてきてくれたみたい。

完全に私のせいですね。すみません。


それにしてもなんて優しいんだ!精霊たち!って言ったら照れるかのようにクネクネ動いてた。

可愛すぎる!お姉さんはノックアウトですよ!

あ、お姉さんっていうのは私のことだよ?

精霊王達の声が幼い感じだから、勝手にお姉さんになっただけなんだけどね。


気になってた仲間の安否も確認できたし、襲撃してきたエルフの人達がどうなったかも教えてもらった。

カタコトだからちょっと聞き取りづらくて何回も聞き直したのは、まぁ、ご愛嬌だ。うん。


それにしても…結構長い時間話してると思うんだけど森に帰らなくていいんだろうか?


「ねぇ、付いててくれてありがとう。でも、森に帰らなくていいの?」


『ココニイル』

『モリナラダイジョウブ』

『ココガイイ』

『イッショニイタイ』

『ハナレタクナイ』


あー、さいですか。

なんか熱烈な告白されてる気分だわ。

モテ期到来だね。人じゃないけど。

それにしても…ダークは全く喋らないけど無口なキャラなんですかね?人見知りとか?

付いててくれたんだから嫌われてる訳じゃないと思うんだけど…うーん、謎だ。


まぁ、よくわかんないけど仲間?が増えました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ