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大きな大きな…

まぁ待ち伏せ?されてたのは仕方ない。

是非とも今後の為に何で行動が筒抜けなのかが知りたいところだけど…口を割りそうな面子じゃないので諦めた。

諦めるのも人生において大事なことだと思うんだよね。

昨日の討伐依頼で学習した。

だってピリピリカリカリしてても疲れるし、何より今から依頼を受けるんだから体力とか精神力はすり減らさない方がいいと思うんだ。


ということで、ギルドへ到着。


「あのさ、先に言っとくけど…」


「サーラさんが依頼を決めると言うのだろう?」

「いいよー」

「僕もそれでいいよ」

「妾もそれでよいのじゃ」


最後まで言わせてすらもらえなかったよ…。

全くその通りだから「わかってるならいいけど…」としか言えなかったし。なんか悔しい…。


(えーっと…ワイルドベアの討伐…と甲虫の討伐…甲虫って何?虫?まぁ、いっか)


さすがに二日連続でワイルドベアの討伐をするのはなんだか芸がない。

というか、早くこの世界に慣れるためにも色んな魔物を見ておいた方がいいと思うんだよね。


「すみませーん、この依頼を受けたいんですけど」


受付のエルフのお姉さんに『甲虫の討伐』依頼書を受理してもらうべくカウンターへ向かう。


「はい。ランクBの甲虫の討伐依頼ですね!パーティで討伐される場合は全員が冒険者ギルドに登録していることが確認されてからの受理となりますが…あの…そちらの方は…?」


昨日のメンバーなら問題はなかったんだろう。

騎士のユリクさんでさえギルド証持ってるみたいだからね。

だけど今日はリズがいる。

端からみたら幼女のリズが。受付のお姉さんの戸惑いももっともだ。


「ん?妾か?冒険者ギルド証…ううむ、ん?あったあったこれじゃ!ほれ!」


ごそごそとポシェットから出したギルド証らしきものを私に渡すリズ。

そこには衝撃の事実が記されていた。


『リズナベット………

年齢 3027

ギルドランクA』


サリアさん、予期せぬところでサリアさんの年齢を知ることになってしまいました。

てか!ギルドランクAって‥…!冒険者で食べてるわけでも無さそうなのに…リズって何者なの!?


「あ、はい。承りました。それでは気を付けてイッテラッシャイマセ」


ほら!私がリズのギルド証渡したら受付のお姉さんがカタコトになっちゃったじゃん!

魔力とかの項目もゼロがいっぱい並んでた気がするけど、そんなの気にならないくらい衝撃だったよ…。

リズ!そのどや顔やめれ!

はぁ…なんか今日も疲れそうだわ…。




やって来ました、森の中!

昨日の緊張はどこへやら、私は完全にハイキング気分である。

だって昨日の討伐でユリクさん、マリア、ジン君の戦闘力は充分あるってわかったし、リズだってランクAの冒険者なら緊張するだけ無駄だもん。

精神力をすり減らすのはメンバーの行動と言動だけで精一杯!


「リズナベットさん、ランクAとは凄いんだな!」

「ふん、妾ともなれば当然じゃ!」

「お姉ちゃん、すごーい!」

「ねぇねぇ、サリアお姉ちゃんって小さい頃どんな子供だったの?」

「ふむ。それはじゃな…」


なんて会話が背後から聞こえてくるんだもん。

気も抜けるってもんだよ。


「はぁ…リズ、それで魔物は居そう?」


「ふむ。囲まれておるぞ」


はい?あんた今、なんて言った?

そういう大事なことは早く言ってよ!


悪態つきたい所だけど、魔物に囲まれてる今はそれどころじゃない。

それにリズに任せてて気配を察知するのを怠った自分にも責任はある。

そしてついに姿を現した『甲虫』を見て、私はポカーンと口を開けてアホ面を晒した後、叫んだ。


黒に近い焦げ茶色の鈍く光る体躯に一本の角、中には二本の角を持つのもいる。

ってかさ、これって…


「カブトムシとクワガタかーい!」


恐ろしいかな異世界。

見慣れた?その虫は私より大きな体で角を突きだし戦闘態勢?をとっていた。

あ、メスは居ないのね?なんてどうでもいいことを思ってしまったのは余談である。




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