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七人目の爆弾娘


「何であなたがここにいるのよ!」


「そこの娘に連れてこられたのじゃ!」


お城へ戻った私はサリアさんの部屋へ直行したんだけど…どうやら二人は知り合いだったらしい。

普段温厚なサリアさんが声を荒らげているから仲が良いようには見えないけど。

そして私は大帝さん?に指を差されている。

人を指差しちゃいけません!って習わなかったか!?と思ったけど、私が会話に入る余地などなさそうだから黙っておいた。

火の粉が降りかかりそうな発言は避けた方がよさそうだ。


「はぁ…リズナベット…あんたが何で始祖様であるサーラちゃんと知り合ったのかは聞かないわ。大体想像つくから。どうせ同胞を見つけた喜びで勢い余って『妾は吸血鬼大帝じゃー』とかふざけたことを言ったんでしょう?」


「…それは…その‥…まぁそんなところじゃ!」


呆れたようにサリアさんが問えば、『自称』吸血鬼大帝は無い胸を張って開き直った。


「サーラちゃん、ごめんなさいね?このバカ…じゃなかったリズナベットが迷惑を掛けたみたいで。すぐに摘まみ出す…じゃなくて帰って貰うから食事にしましょう」


サリアさん、本音が駄々漏れです。

明らかに怒っている?サリアさんの剣幕に押されそうになって頷きかけたけど、それは困る。


「あの!同胞なら血を与えたいんですけど…」


「あら、それもそうね。昔からろくなことをしないリズナベットだけど一応同胞だものね。仕方ないから少し居て貰いましょう。いいわね!?リズナベット!?」


「…うむ」


凄むサリアさんにたじたじの『自称』吸血鬼大帝はこくりと頷く。

それにしても、一体この二人の間に何があったんだろう。

サリアさんが尋常じゃなく怖いんだけど…。


(美人が怒ると怖い…絶対怒らせないようにしよ…)


そう心に決めた私は険悪な雰囲気から逃れるように自らの手首にキバを立てた。





「おぉ!力がみなぎってくるようじゃ!さすがは始祖様の血じゃのう。」


「あのー、リズナベットさん?そろそろ…」


「ん?妾の事はリズでよい」


「いや、そういうことじゃなくて…サリアさんが…」


ポフポフとベッドの上で飛びはねるリズは可愛らしい。

可愛らしいんだけどさ、そこサリアさんのベッドだし。

あんた用事終わったんだから帰りなさいよ!とでも言わんばかりにサリアさんがすっごい睨んでるんだけど…。

この空気居たたまれないんで、私、食事に行ってきていいですかね?




サリアさんの堪忍袋の緒が切れるのにたいした時間は掛からなかった。

「妾はここに居たいのじゃー!」とジタバタするリズを宣言通り、ぺいっと王城から摘まみ出したのだ。

確かに好意で滞在させて貰ってる私達に、王城に人を置く権限なんてないけど、幼女が摘まみ出される様はさすがに心が痛む。


「あの、サリアさん…」


「サーラちゃん、見た目に騙されちゃダメよ?リズナベットはああ見えても私と同い年なの。それに勝手に吸血鬼大帝と名乗ってるだけあって力も強いわ。城から放り出したくらいでどうってことないわよ。それよりサーラちゃん…あなたリズに気に入られちゃったみたいだから気を付けなさいね?」


マジですか…。

そんな情報いらなかったです。

それにリズがサリアさんと同い年って…。

サリアさんっていくつなんだろう…。


「サーラちゃん?女に歳を尋ねるものじゃないわよ?」


「…はい」


サリアさん、笑顔だけど目が笑ってないです。

それよりもさぁ、この世界の人ってエスパーばっかりなの!?

いくら考えてることが顔に出やすい私でもそんなに言い当てられるとなんか怖いんですけど!

そんなことを考えながら私はサリアさんと、皆の待つ食堂へと向かった。







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