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大帝


ムフフ、儲かった、儲かった!

まさかあんなに安く魔道具が買えるとは!

価格崩壊もいいところだ。

作戦B…プレゼント作戦の為に価格調査はしてたんだけどね、やっぱり魔道具って高価なんだよ。

庶民にはちょっと手が出しにくいっていうかさ。

元々、魔法が使える人にとっても、魔法が使えない人にとってもあって困るものじゃないしね。

それに、科学の代わりに魔法があるこの世界では、生活と切り離せないものらしい。

あとビックリしたのが…魔導鏡は金貨100枚もするんだって!

さすがに元一般庶民というか…節約生活をしてた私には手持ちはあっても買う勇気はなかった。

100万円のテレビ電話なんて買えないよ…。


それはともかく。


プレゼントを無事買えた私はホクホクしながらお城へ歩を進めていた。


「おい!そこの娘!」


(皆、喜んでくれるかな♪喜んでくれるといいな!)


「おい!そこの…吸血鬼の娘!」


(え?私?)


嫌な予感がした。

今日、種族差別の話を聞いたばっかりだったから。

でも…

恐る恐る、声のした背後を振り返って…私は脱力した。


「は?幼女?」


私の背後には『幼女』と呼ぶに相応しい外見の女の子がたっていたのだから。


(なんでこんなところに幼女が…それより黒髪に銀の瞳って同胞…だよね?)


「よ、幼女とは何事じゃ!妾は吸血鬼大帝リズナベットであるぞ!」


「はぁ…吸血鬼大帝…って!大帝!?」


なんかまた厄介事を拾った気がする…。





「離せー!離せと言うにー!」


「ちょっと黙ってて!今から他の同胞のところにいくから!」


バタバタと暴れる自称『吸血鬼大帝』の幼女の手を握りながら足早に歩く。

私の知識じゃこのちまっこい同胞が吸血鬼大帝なのか自称吸血鬼大帝なのか判断がつかない。

威厳の欠片もないし。

腰まであるさらっさらの黒髪に整った顔は、悔しいことにメチャメチャかわいいけど……。


(マリア‥…は怪しいけど、サリアさんなら何か知ってるかも!)


私は暴れる美幼女を引っ張りながらお城へと急いだ。

てか…大帝と始祖ってどっちが偉いの?!

私、不敬罪とかにならないよね?



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