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森の中、熊さん?に出会った

ギルドの扉を開けて中へ入る。

衝撃の事実を知ってしまったけど、だからといって今の私には何も出来ない。

始祖の記憶が私に何をさせたいのかはわかんないけど、私に与えられた使命はやらなきゃいけないいけないことだってなぜか『解る』のだ。

ユリクさんも「こんなことを無くすために尽力する」って言ってたし、今はそれを信じることにしようと思う。

自分が何もできないのが悔しいけど…。



「ねぇ、サーラお姉ちゃん、何の依頼を受けるのー?」


「あ、これなんかいいんじゃない?はぐれドラゴンの討伐!」


「うん!それがいいと思うー!」


あー、うん。

この二人はマイペースなんだね…。

そのお陰で暗い気持ちが少し晴れたんだけどさ。

でもね、ジン君、マリア…ドラゴンさんは却下で!

バルさんもはぐれドラゴンは悪いドラゴンだって言ってたけど、何日か前に別れたドラゴンさんを思い出すから無理!絶対!

ユリクさんは「危険じゃないものは…」なんて言いながら薬草の採取系依頼書ばっか見てるし…どうやら私が選ぶしかないようだ。

この三人に選ばせたら大変なことになりそうな気がする。


「よし!これにしよう!あ、意見は認めないからね!」


そう念を押しながら私が取ったのは一枚の依頼書。


『ワイルドベアの討伐』

一体につき金貨一枚。

討伐証明部位として角を取ってくること。

毛皮の状態により買い取りもします。



とご丁寧に書いてある。

依頼書を持って受付で受理してもらった私たちはギルドを後にした。

なんかユリクさんが「もっと安全なものを…」とか、マリアが「もっと楽しそうなものを…」とか、ジン君が「熊さんかぁ…」とか言ってたけど無視だ。

最初に意見は認めないって言ったもんねー。

大体、私の仕事に勝手に着いてきたわけだし。

それよりもさ、熊って角生えてたっけ?!




「この辺りから結界の範囲外だ。」


ユリクさんの言葉に緊張が走る。

町から歩いて二時間ほどたった森の中。

町からここまでは結界のお陰で魔物には遭遇しなかったけど、今からは違う。

いつ魔物が出てきてもおかしくないのだ。


「ジンくーん!そっちなんか居るー?」


「居ないよー!マリアお姉ちゃんの方はー?」


「こっちも居ないよー!ユリクさんの方はー?」


「こちらにも居ないようだ」


てかさ、この人たち自由すぎやしませんか?

緊張してたのは私だけなわけ?

なんか気が抜けたわ…。


「はぁ…あのさ、皆、もうちょっと緊張感ってものを…っっ!何か来る!」


「えー?あー、熊さんだぁ!」


「熊だね!」


「熊だな」


私の前の木の陰から現れたのは二メートルくらいの熊。

いや、確かに爪は鋭そうだし、魔物なんだろうけど、ただのでかい熊なのだ。

テレビでしか熊なんて見たことないけど、地球育ちの私には頭の角がすっごい違和感。

それよりもさ、ワイルドベアって一応Bランク指定の魔物なんだけど…この人たち本当にわかってんの?

リアクションが軽すぎる気がするんだけど…。

はぁ…やっぱり連れてくるんじゃなかったかも‥‥



戦えませんでした。


次回予告

ワイルドベアの爪がサーラへと襲いかかる!なすすべもなく立ちすくむサーラ。

熊に蹂躙される仲間たち。

果たして生きて帰ることはできるのか!


嘘です。熊ごときには負けません。多分。


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