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サイラン最高!

「ぷはぁー極楽極楽♪」


王宮生活二日目、私は湯船に浸かっておっさんのような言葉をはいた。


いやね、最初はどうなることかと思ったけど、王様も気さくでイイ人だし、ユリクさんは紳士的で素敵だし、しかも博識ときた!もう言うこと無しですよ!

ほんとに色んな事を知ってて、異世界一年生の私には有り難いことこの上ない。

それに何よりも素晴らしいのは侍女として付けてくれた二人の猫耳娘!

マヤとハイジって言うんだけど、猫耳大好きな私としてはパラダイスな訳だ。

ほんとに、やらなきゃいけないことが終わったらこの国に住みたいくらい。

アンディとかアイザックとかキラキラ王子とか煩そうだけど、いざとなれば強行突破だよ。

それくらいにこの国を気に入ってしまった。


それに…この王宮には図書館があってね、貴重な蔵書が沢山あるんだけど、王様の計らいで読ませてもらえることになったの。

それで見つけたんだよね、ドラゴンさんを治す方法を!

ドラゴンさんだけじゃなくて全ての生き物に有効らしいんだけど、やっぱり私の血を分け与える事みたい。

なんでも吸血鬼の血には病気になるウイルスとかそういうものを破壊する働きがあるんだって。

だから吸血鬼は病気にならないらしい。

前にドラゴンさんに血を与えた時は加減がわからないからほんの少しだったけど、もっと与えたら治るかもしれない。

だってやっぱり死んでほしくないもん。

せっかく仲良くなったんだしさ…。

貧血になりそうだけど、サリアさんに相談したら、手伝ってくれるって言ってくれたからきっと大丈夫だと思う。

サリアさんも私の血を飲んだら力が湧いてきたって言ってたからね。

最悪、血を飲ませてもらって貧血を回避しよう。うん。


「サーラちゃん!私もお邪魔するわねー」


そんな事を考えていると、浴室にサリアさんが入ってきた。

サリアさんはどうやら女の子が欲しかったみたいで、やたらスキンシップが激しいけどイイ人だってこの二日で思った。

隙あらばキラキラ王子と婚約させようとするのがたまに傷だけど。

マザコン王子は絶対無理です!




「サーラちゃん、今日はなにをするのかしら?」


湯船に浸かってボーッとしていた頭がサリアさんの問い掛けで覚醒する。


「うーん、このままここに居たいのは山々なんですけど、そろそろこの国を出ようと思うんです」


「そうね、サーラちゃんにはやらなきゃいけないことがあるものね…」


「はい、ところでサリアさんは他の同胞がどこにいるか知りませんか?」


「うーん、そうね…私の妹がサイラン国に居るみたいなんだけど…見つからないのよね。」


「そうですか…ならとりあえずドラゴンさんの所に行ってからまた戻ってきますか?」


「ええ、そうしましょ!サーラちゃんとの旅楽しそうだわぁ♪」


ウキウキなサリアさんを見てふと思う。

おい、側妃、国に帰らなくていいのかと…まぁ、本人がそう言うのだから大丈夫だろう。

キラキラ王子も「母は自由な人だから」って言ってたしね。

あの国、なんかきな臭い事になってるみたいだけど、アイザックが居れば大抵のことは平気だろうし。

なんたって吸血鬼は一騎当千らしいから。




浴室を出て準備をし、王様とユリクさんに暫しのお別れとお礼を言った私達は羽根を広げ空へと飛び立った。

見送ってくれた王様とユリクさんはなぜか顔を赤くしている。

二人の視線を辿った私は理解した。


「サリアさん!スカートで飛ぶのはやめてください

多分、色々丸見えです!」


「あら、大丈夫よぉ!高度を上げれば見えなくなるわ」


いや、そういう問題じゃないと思うんだけど…。

この人、天然なのか?

はぁ、なんか先行きが不安だわ…。


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