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刺激が強すぎる

あの後、ガリウスさんの説明で私が始祖だと知った夫人、(ナタリアさんというらしい)は、「失礼しましたぁ!始祖様とは気付かず!」と言いながら、それはもう見事なスライディング土下座で謝ってくれましたよ。

私は何もされてないからすぐ頭を上げて貰ったけどね。

むしろ、ナタリアさんはガリウスさんに謝ったほうがいいと思う。

見た目10才くらいの私と浮気してるなんて言われたんだから。

まぁ、ガリウスさんは気にしてないみたいだからいいんだろう。

左頬に手形がバッチリついてるけど。



とりあえず誤解も解けたところでナタリアさんも一緒に応接室で話をしようとしたんだけどさ…。


「バカだなぁお前は。私がお前以外の女性に靡くはずないじゃないか。」


「そうよね…。ごめんなさい、あなた」


「理解してくれたらいいんだ。愛してるよナタリア」


「ええ!私も愛してるわ。ん…」


目の前では甘ったるい会話をする夫婦がいるわけで…。

目をそらしててもリップ音が聞こえてくるわけで…。

てか、私、完全にお邪魔だよね?

帰っていいかな?

いやいや、ダメだ!

私には使命がある。

ここは早いとこ用事を済ませて退散するのが得策だ。…多分。


「あのー、御二人とも?」


私の呼び掛けに目を丸くして二人がこちらを向いた。

うん。完全に私の存在忘れてたよね。

別にいいけどさ。


とりあえず私がここへ来た理由を話して血を飲んでもらいましたよ。ちょっとだけど。

「力がみなぎってくる」って二人とも言ってたけど何か変わったのかな?


よく考えたら何で私の血を同胞に与えなきゃいけないのかも知らないんだよね、私。

結果、吸血鬼が繁栄するならいいんだけど。

今度アンディにでも聞いてみよう。


「ところで、御二人は他の同胞がどこにいるか知りませんか?アンディ以外で」


これだけは聞いておかなきゃいけない。

いくら早くこの場から退散したくても。

今後の予定がたてられないからね。


「ふむ。私の従兄弟のアイザックが今は確か…ナディア国の宰相をしておるはずです。他の同胞のことはアイザックの方が詳しいと思います。お力になれず申し訳ありません」


「いいんです。どうもありがとうございました。じゃあ私はこの辺で」


「ええ、いつでも遊びにいらしてくださいね」


ナタリアさんはそう言ってくれたけど、もうここへは来ないと思う。

こちとら彼氏いない歴=年齢だった元18才ですよ。

なんか色々刺激が強すぎるのです。


うーん、次はナディア国か。しかも中枢とは…。

いっそのこと八百屋とかで働いててくれたら楽なのに‥…。

あー、気が重い。

キラキラ王子に魔法放っちゃったしな。

不敬罪とかで捕まったりしないよね?

そんなことになったら全力で逃げよう。

異世界にまで来て牢屋で過ごすとか…絶対無理!

想像するだけでゾッとするわ。


それにしても…吸血鬼が宰相をしてるなんて噂になってもおかしくないよね?

アンディは他の国でも有名みたいだし。

何でミーナは知らなかったんだろ?

ま、いっか。アイザックさんに会えばわかるだろう。



そう思いながら私は空へ飛び立った。












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