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知りたいと思う気持ち

ドラゴンさんと別れて二日。

私は殆ど休憩も取らずに飛び続けた。

もやもやした気持ちを振り払うように。


そんな風に自分の体を酷使したところで、どうにかなるもんじゃないことくらいわかってたけど、そうせずにはいられなかった。


でも、そうやって飛び続けることで自分を見つめ直すことができた。それで気付いたんだよね。

私は力と始祖の記憶ってやつに頼りきりだったってことに。


この世界に来て、最初から魔法が使えて、すぐにアンディっていう同族にも出会えて…何でも上手くいってたから、私は知ろうともしなかった。

この世界のこと。


知識を自分から求めなかった。

どうにかなるだろうって楽観的に考えて。

でも、ドラゴンさんに会って気付いたんだ。

それじゃダメだって。

だから、これからはどんどん自分から知ろうとしようと思う。

うん。反省終わり!

いつまでもグジグジ考えてるのは私らしくない!


それにもう国境だし。

え?早い?

うん。私もビックリしたよ。

夢中で飛んでたらもうこんなとこまで来てたんだもん。


ナディア国に入ってミーナに会いたいのは山々だけど、私にはやらなきゃいけないことがあるから、それは後のお楽しみに取っておく。




(それにしても山の中に住んでるってアンディは言ってたけど…)


私は目の前にそびえる山々を見て溜め息をついた。

範囲が広すぎるわ!

ここから探せってちょっと無理難題すぎやしませんか?



そう思ってたはずなんだけどね。

あっさり見つかった。

だって映画で見たことあるような、正に『吸血鬼の城!』ってのが建ってるんだもん。

隠居生活してるってのは、私の勘違いかもしれない。

どう見ても悪目立ちしてるよ…このお城。

これで吸血鬼の城じゃなかったら同族見つけられる自信なくすわ…。

とまぁ、私の感想は置いといて、とりあえず、その城へ降りてみる。

うん。映画のセットみたい。


「それにしても雰囲気ありすぎだよ。」


「お待ちしておりました。始祖様。」


!!!

私がポツリと呟いた途端、いきなり背後から声がしましたよ!

え?さっきまで誰もいなかったよね!?

忍者?忍者なの?!

恐る恐る振り返ると、そこには笑顔のナイスミドルなおじ様がおりました。

黒髪に銀の瞳。間違いなく吸血鬼だ。


何か色々釈然としないけど…とりあえず、同族一人目見つけましたよー!!





「お初に御目にかかります。私はガリウス・ローゼンバルドと申します。立ち話もなんですので、どうぞこちらへ」


おじ様もといガリウスさんに促されて城の中へと入る。

中は驚くことに普通の家だった。

これで中も想像通りだったら怖くて逃げ出しそうだったよ。

良かった良かった。


応接室らしき場所へ案内されてガリウスさんと話をしようとしたところで部屋の扉がバンッと勢い良く開けられる。


そこにいたのは仁王立ちした綺麗な女の人。

同族みたいだから多分夫人だろう。

てか、何故に仁王立ち?

そう思いながら見ていた私には目もくれず、つかつかとガリウスさんの方へ近付いていく夫人。


バチーンという音と共にガリウスさんの頬へ夫人の平手打ちが炸裂した。


「あなた!やっぱり私より若い子のほうが良いのね!確かに私は最近肌のツヤもなくなってきたし…夜もマンネリだけど…だからって…若い子となんて!この浮気者ー!!」


うん。何か言いたいこと色々あるけどさ…とりあえず、この人、キャラ濃すぎません?





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