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同族


「こちらへどうぞ、お嬢様」


手を引かれ、城内へと誘導される。

青ローブはルーセウスさん、魔術師団の副団長さんらしい。

どうやら魔術師団長に言われて、私を迎えにきたらしい。

本人が来ればいいのに。


「魔術師団長はお忙しい方ですので…」


え!?私、今、口に出してないよね?


「そのような顔をされていれば言わなくともわかります」


そう言いながら微笑むイケメン副団長。

ルーセウスさんが私の中でエスパー認定された瞬間だった。


それにしても…魔術師団長の部屋、遠すぎやしないか?

もう20分くらい歩いてる気がする。

子供の歩幅だから、本当はもっと早く着くのかもしれないけど…。


「もうすぐ団長の部屋でございます。もう暫くご辛抱を」


むっ!また読まれた。エスパーめ。


「わかりました。」


とりあえず返事をすればまた微笑まれた。

イケメンの微笑みは目の毒です。慣れてないから。グスン。


「着きましたよ。ここが団長の部屋です。」


そう言ったルーセウスさんは部屋の扉にノックをする。


「入れ!」


すると中から声が聞こえてきた。団長の声だろう。


扉を開けるルーセウスさんに促されて部屋に入った途端、ドクンと胸が騒いだ。


(え!?なにこれ…血が騒ぐっていうかなんか変‥)


今まで感じたことのない感覚に戸惑いが隠せない。


「ルーセウス、下がれ」


「はい。」


ルーセウスさんと団長の会話が遠くに聞こえる。

そのまま私は意識を失った。








「ここは?」


目が覚めた私の目に飛び込んできたのは見慣れない天井。


(そういえば私、団長の部屋に入って…あっ!)


ガバッと身を起こすと私の傍らでは団長が膝をついていた。


「目が覚められましたか?」


どうやら私は団長のベッドに寝かされていたらしい。


「あ、すみません。ベッド…」


勝手に押し掛けて気を失ってベッドまで借りてる状態なんて恥ずかしすぎる。

そう思ってベッドから起きようとすると、手でそれを制された。


「あなた様はそのようなことを気にしなくとも良いのです。あ、申し遅れました。私はアンディ・コールセンと申します。失礼ですがあなた様のお名前を伺っても宜しいでしょうか?」


「えっと、サーラです」


なんとか名前を告げる。

もう私の頭の中はグシャグシャだ。

てか、あなた様って…。

なんでこんなに丁寧な扱いを受けてるのかもわかんないし。


「サーラ…サーラ様とお呼びしても?」


「はぁ、まぁいいですけど…」


「ありがとうございます。光栄の極みにございます」


団長もとい、アンディさんはそう言って嬉しそうに私の手の甲に口づけをした。


(なっ!なっ!キス!)


パクパクと言葉にならない叫びを上げる私を不思議そうに見るアンディさん、もといアンディ。

さん付けなんてしてやるもんか!


セラフィさん、あなたの憧れのアンディ様はロリコンいや、変態でした!!!



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