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七話
学校に着いた瞬間、少し油断していた事を私は後悔した。
教室に入ると昨日の奴がいきなり現れた。
「――っ!」
「おはよう。昨日はいきなり逃げるなんて酷いな。」
と、奴は言う。そして……
『ビシッ』
額に小さな衝撃が走る。デコピンされた。
「!!!」
「お仕置きだよ。人に話しかけられたらちゃんと答えようね。」
「知らない奴に話しかけられたら逃げろって習っているが?」
「ちゃんとこの学校の生徒だって言ったじゃん。」
「同じ学校って言っても知らない奴だし!」
「俺は3組25番の永島龍斗です!」
「ご丁寧にありがとよ!でも今やることじゃねぇ。」「龍斗って呼んで。甘える感じで♪」
「断る!」
ギャーギャー騒いでいると他の生徒の視線が私達に向けられる。
そりゃそうだ。私はほとんど騒がないし、言い争っている相手はそれなりに美形だ。
女子が少し陰口叩いたの聞こえたぞ。ったく女子は。
騒ぐのに夢中で時間が確認出来なかったが、ある程度時間が経ったのだろう。
SHRが始まる5分前のチャイムが学校内に響き渡った。
永島って言うヤロー「じゃあね。」と言って、自分の教室に戻った。