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四十五話

「ふぅー。」


学校に着き、机に突っ伏す。教室にはそれなりに人はいるが、特に何か話すような人はいない……


「あの、篠崎さん。」


と、誰かが思ったら話しかけてきた。


「何?」


不機嫌そうに顔を上げるとアワアワとした表情をしながらこう言って来た。


「参考書ありがとう。でも、今日の小テスト、少し不安で……、教えて欲しいん……だけど……。」


ああ、前に参考書貸した人か。たしか……、早川さんだっけ?


「生憎だが今日は化学だ。割と暗記メインだろう?自分で時間の限り、足掻けばいい。」


そう言ったが、食い下がるように懇願してくる。


「あの……、ここの問題の解き方がわからなくて。ここだけでいいから。」

「だから教科書なり参考書見ればいいだろう。」

「でも……。」


泣きそうな声で言って来るが、私だって面倒だから。無情な奴と思われたってべつにかまわない。


「そうやって私に話しかけている暇があるならさっさと勉強するといい。」


呆れたようにそう言ってやった。

早川さんは立ち尽くしたまま何かを言おうとしているが、言葉が出ないようだ。

「千遥、教えてあげな「来ると思ったよ。だが答えはNOだ。」千遥!」


いやぁ、だいたいこういう時に永島は来るからなぁ。

「つーか永島、お前が教えてやればいーじゃん。」

「俺は化学は苦手だ。」

「……ミトコンドリア。」「理科も苦手です……。」「xの……。」

「数学もヤバいです……。」

「…………。」

「……とにかく、困っている人は助けないと。」


はぁ、面倒な事を……。


「だいたい教えるのは教師の役目だ。せっかく無駄に多くいるんだから利用すればいいだろう?」

「先生だとちょっと……。」

「やっぱり同学年のほうがいーじゃんか。」


二人の言い分は滅茶苦茶だな。


「……しょうがない、最終兵器を使おう。」


何を言い出すんだ永島。何を使っても無駄……、

「雑誌で有名な『sweet paradise』の数量限定チョコレートブリュレ無料券を……。」

「…………。」

こちらに此れ見よがしに券をちらつかせる。


「……プレゼントするからこの子と俺に勉強教えて。俺も同じ内容の小テストがあるから。」

「…………。」

「千遥?」

「何をぐずぐずしている!さっさと教科書を出せ。徹底的に教えてやる!時間の許す限り、気を抜くな。私の言う内容は全部覚えろ!」

幸いにも永島は3時間目、私達は4時間目に小テストだ。多少時間はある。

「ちょっ、千遥。」

「死ぬ気でやるぞ!」



この後、目の色を変えた千遥のハンパない扱きによって、二人は初めて再テスト(60点以下)を免れる事が出来た。


私? もちろん100点だ。



明日は……、試験だorz

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