三十七話
眼鏡が出来上がるまで私は喫茶店に行くがお前らはどうするんだ?と、聞くと付いて来るみたい。
はぁ、まぁいいけどさ。
とりあえず店を出て、喫茶店に向かう事にした。
喫茶店『Tea・Gentleman's』と言う紅茶とお菓子が激ウマな場所だ。(もちろんコーヒーや軽食類も豊富だ。)それに……、
「いらっしゃい……て、アキラじゃん。」
店員が私に向かってそう言った。そして、「あっイケメンじゃん。後でメアド交換しよ。」と、永島と早田に向かって言った。
2人が「えっ……。」といったような顔をする。店員はスーツにメガネで執事の様な格好だ。どこから見ても男だ。
「ああ、ここは男装喫茶。みんな女性だよ。」
「じゃあ『アキラ』って……。」
「私はここで働いてるの。その時の名前。」
「千遥の意外な一面。」
「びっくりした……。この人、アッチの趣味の人かと思いました。」
早田がそう言うと店員がクスクスと笑いながら「愛里です」。そういう動作をすると女だということがわかる。
とりあえず窓側のテーブルに座りメニューを見る。やっぱりと思ったけど二人も同じテーブルに座って来る。
「千遥〜、ここのオススメって?」
「………。」
「シカトしないでよ〜。」「………紅茶とコーヒーどっちがいいの?」
「コーヒーがいい!」
「ブラック?」
「砂糖多めでミルクが入ってるやつ!」
「砂糖とミルクつければいいな。早田は?」
「俺もコーヒー、ブラックでいい。」
「了解。菓子は二人とも適当なものでいいよな。」
「オッケー!」
「大丈夫です。」
「ヒロ!」と、呼ぶとさっきの店員が来る。
「愛里でいいのに……。」「いーじゃん、ここの店の店員はみんな男設定だろう?」
「はいはい。で、何?」
「ミルクティーの砂糖無しとコーヒー、ミルクと砂糖は一人分でいい。あとクッキー適当に持ってこい。」
「わかった。」
ヒロ、もとい愛里は注文を言いに行った。
「そういえば。」
不意に早田が口を開く。
「メアド渡したけど連絡なかったね……。少し寂しかったよ。」「えっ!…………ああ、忘れてたな。」
「今ケータイ持っている?」
「………君は私の胸ポケットからケータイが見えないのか?」
「いや、交換しようって事なんだけど……。」
はぁ……、永島もだけど何でメアドなんか交換したがるんだ?
「千遥、無理矢理交換しなくてもいいんだよ。」
「お前がそれを言うな。無・理・矢・理交換したくせに。」
「うっ……。」
大事な部分は強調しないとね。案の定、言葉につまっているし。
んで、早田に……
「あんまりメール送るなよ。返信するのがめんど……勉強の邪魔だから。」
「あ、うん。わかった。」
永島がやや不満げだったがとりあえずメアドを交換してあげることにした。
「よし、二人まとめて受信拒否に……。」
「「するな!」」
見事にツッコまれた。10分の3は冗談なのに……。