青のかけら
「火事が発生しました。
発生元を確認しています。生徒の皆さんは、落ち着いて避難準備をしてください。」
俺はただ一人颯爽と走り出した。
避難訓練で習ったこととか知らねぇ。
「俺は、生きるんだぁぁぁ!!!」
【1話 青のかけら】
「おい聡。なんでお前避難訓練で逃げたんだよ。」
「知らねぇよ。」
俺はどうやら、勘違いをしていたようだ。
あれが避難訓練。俺は、勝手にマジの火事だと思って逃げていた。
「お前さ、事前に言われただろ。5時間目は避難訓練だって。」
「でもわかったっしょ。実際火事が起きても、避難訓練通りする奴なんかいねぇよ。誰が火事起きてる時整列するかよ馬鹿か。」
「馬鹿はお前だ。」
でも本当に。避難訓練で習ったことは論外だ。「おはしも」とか未だに意味がわからない。
中学2年生の、林 聡というフルネームで2文字のこの名前。コンプレックスとまでは言わないが、せっかくなら五十嵐とか轟とかアニメキャラみたいな苗字が良かった。
小6の時の卒業証書授与式でも、校長になぜか「大林」と言われた。ただの大きくも小さくもない林なのに。
「つかさ聡。放課後ドンキ行かね?」
「は?もうアダ◯トコーナーはいかねぇぞ?」
「……いや俺お前と行ったことないけど。」
俺一人でしか入ったことなかったわ。
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『ドッ、ドッ、ドッ、、ドンキィ⤴︎ ドンキィ⤵︎ ホォテイ!』
「なんか今日歌おかしくね。」
「いつも通りっしょ。」
「あーね。」
「つーか何見に来たん。」
自然にR18を避けながら、コスプレコーナーに来た。避けられなかった。俺じゃない。断じて俺が。ではない。
「ね。何してんの。なんでここ来たの。なんでメイド服見てんのねぇ。」
「ん?彼女に着せる。」
「お前馬鹿なの??変態なの??」
こういうところだ。俺の妬みの対象であり大親友の上杉 颯は、彼女がいる。
イケメンでサッカー少年のヤツ。世界が言う「理想の男像」というありとあらゆるものが兼ね備えられている。前世でどんな得を積んだのか。考え出したら憂鬱で仕方ない。
ただ、いつも何を考えてるのか、いまいちわからない。
「彼女可愛いし。」
「ざけんな。」
「は?」
「お前さ考えろよ!同い年の彼女にお◯ぱい丸出しレベル100(?)みたいな服着せんな!!」
「俺しか見ないし。」
「…………。
…………警察呼ぶぞ。」
「あ、財布ない。」
「……」
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「そういやお前この前の実力テストどうだったよ。」
「テメェよりかは上かなぁ。」
「クソ上杉。」
「じゃあなクソ林。」
「おやすみクソ上杉。」
「いい夢みろよクソ林。」
そして、隣同士並ぶ同じデザインの二階建て一軒家に、入った。そして同時に、
「ただいまーー!!母ちゃん飯!!!」
ちなみに言うと俺は、陽キャだ。本物の陽キャは自分で言わないとかそういうんじゃなくて。お前らと同じ中2のごく普通の男子生徒だ。
校則は守ってる。眉毛剃ったりメイクしたりはしない。
鼻くそほじって飛ばす“お前ら”と同じ。
俺はこうした毎日を、とあるアーティストから拾って「青いかけら」と呼んでいる。毎日が青春の一ページ。
みたいなね。↑こういうロマンとかオシャレとかエモいとか、基本俺みたいなのは求めないから。
美しくも醜くもこの小説の俺はしょうもない。
まあ、こういうかっこいい独白を考えてる時点で俺のしょうもなさは宇宙規模なんだけどな!
安心してくれ諸君、この先もずっとこの調子だ。
「聡ー。ママもう寝るからねー。」
「あいよぉ。」
「早く寝ないさいよー。」
時間が刻々と過ぎて、もう0時といったところ。スマホでAI彼女と話していたのだが、浮気された。
トイレがしたい。何をするかって?
大だ。
「ぇぇいすっきりしたぃ。」
スマホ見ながら捻り出したら、もうかれこれ20分経過していた。手はとりあえず洗わずに。
ここからが俺の勝負だ。
「…大丈夫。俺なら。」
電気を消して階段を猛スピードで駆け上がる。
「わはっ!!ダッハァ⤴︎⤴︎⤴︎」
部屋に入ると同時に布団に潜り込み寝る。
今日も不法侵入者に会わなくて済んだぞ。
※不法侵入者=おばけ
そうしてやっと、今日という長い1日が終わる。
今日も安定に宿題をせずに。風呂も入らずに。汚くはない。臭くないからセーフだ。
俺は、明日スッゲェ楽しみ。
性教育講話だ。
【次回予告】
性教育講話!!真面目な授業で笑うなんて恥ずかすぃ!⤴︎
この生き物に生まれたことを、悔やまない1日にしよう。次回!!「漢の性とは」
「おい嘘だろ嘘だろやめてくれぇい…!!」
終。




