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偽りの悪旗~地球(テラ)再調査編~序章 深海に潜む異邦の巨艦  作者: 新景正虎


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第1話 深海に潜みし異邦

 日本列島から北東に数千キロ。


 北太平洋、アメリカとロシアがにらみ合うベーリング海。 


 アリューシャン列島ロシア領コマンドルスキー諸島とアメリカ合衆国領アラスカ州ニア諸島の間の海底に潜む漆黒の塊。


 先端部が丸みを帯びた横に伸びた筒、途中から縦に伸びる筒。

 後部には推進用の水流噴進(ウォータージェット)


 アメリカ合衆国海軍所属の原子力潜水艦、ロサンゼルス級ミシシッピ。


 その任務は自国を狙う弾道ミサイルを搭載した潜水艦を補足し、撃沈することが任務の攻撃型潜水艦である。


 そのミシシッピの中央部、縦に伸びた潜望鏡などが納められた司令塔の下部。


「感有り。音源の種類は不明。前方二時方向から十時方向へと移動中」


 灯りが落とされ、赤い灯りとモニターディスプレイの灯りが室内を照らす。


 そんな中、聞き耳を立てていた聴音(ソナー)手が不審な放射音を察知し、報告をあげてくる。


「スクリュー音の識別完了。これは?」


「どうした?どこの潜水艦だ?ロシアか?中国か?」


「いえ、それが……」


 ソナー手の報告に艦長は目を見開き、思わず声を上げてしまう。


「我が国のガトー級だと?我が国では何十年も前に退役している、スクラップ同然のやつではないか!?

しかもこんな深度に」


 ガトー級とはかつての第二次世界大戦時、アメリカの主力を務めていた潜水艦である。


 だが、戦後の発達した技術の前では旧式も良いところ、しかも本来なら彼らがいる深度に潜ることすら出来ない性能のはずである。


「幽霊でしょうか?」


「いや、待て…もしかしたら例のやつかもしれん」


 ソナー手の呟きに艦長は被っていた軍帽を深く被り直し、声を潜めてそう答える。


「艦長?」


 首を傾げるソナー手、答えない艦長に傍らに控えていた副長がささやく。


「国籍不明の謎の音源。三ヶ月まえに大西洋で確認され、政府の命令で国防総省ペンタゴンとノーフォークの海軍本部が血眼になって行方を探しているやつですか?」


 副長の質問に艦長は無言でうなずくも、ふと笑みを浮かべる。


「尻尾をつかめれば大西洋のやつらを悔しがらせられるな」


「日本の海上自衛隊が極秘裏に開発したという秘密兵器ではないかという噂もありますが」


 副長の言葉に艦長は不機嫌そうに肩をすくめる。


「そんなことを言い出すやつはどうせ日本の漫画や特撮映画が死ぬほど好きなやつだ。

 何にしてもだ、悟られないように後を追うぞ。

 タンクブロー」


「アイ、サー」


 ミシシッピは海底から土煙をあげてゆっくりと海底から離れるとその慣性で前方に向かって浮上していく。


 彼らの向かう先に確かにそれはいた。


 だが、そのはるか真下、潜水艦の下方から伸びるワイヤーで繋がった先、海溝の奥深くには更なる巨大な物体が存在することにミシシッピの乗組員は誰も気づいていなかった。


 現在、通常の潜水艦は多くの場合、水の抵抗を減らす涙滴型の艦体に潜望鏡や吸気管が集まる司令塔を持つ、横からみると片方の横棒が伸びたいびつな逆T文字の外観であることが多い。


 しかし、今、アリューシャンの海溝に潜んでいる物体はその常識を逸脱した存在であった。


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