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最果て、待つ人魚

作者: 秋葉竹


 


秋の森には、青いそよ風が吹いて

森の中のおおきな池には

なぜか、

金色の人魚が棲んでいるらしいのです


うっそうと陽光を遮る森たちの

樹々の隙間をぬうように

さやさやとしたやさしい光が

人魚を照らすらしいのです


眼鏡をはずさなければ

みえない光景だと聴きます


さまざまな気体と

白くて細い陽光が

おおきな池に降り落ちて

そこに初めてみるしあわせが

うすくにじむように

波に変わってゆくのです

左手の薬指を池につけるのです

ひんやりとした夜を想い出すのです

云いたいことなど

ないのです

ただ、かすかな声が聴こえた気がしたのです


それで、いいから早く夜になればいい


金色の人魚が棲むという

おおきな池の水は澄み

しあわせいろの波が立ち

孤独が流れて消えてゆく


秋の森には、青いそよ風が吹いて

森の中のおおきな池には

いつからか、

金色の人魚が棲んでいるらしいのです


それをみたものは

池の底へ連れてゆかれるという

永くこの池に棲みついた

長い髪をしたやさしげな笑顔の

金色の人魚、

秋の夜にはさみしげな歌を歌う

金色の人魚、

しずかなこころもちで、

いつも

いつまでも、

いつも、

いつまでも、


最果てのだれかを、

じっと待っているらしいのです








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