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rough  作者: ayu
ETERNAL FLAME 【第二章】獄中生活編(未修正)
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第三夜「略奪者シンドバード」


その日の夜、ロベスとアルーンは食堂でチンピラたちがバードを連れてくるのを待っていた。

「しかし遅っせえなぁ… あいつら逃げたりしてねぇよな…」

「さあ… こんな塀の中で逃亡しようだなんて思わないと思うけど…」

ロベスとアルーンがそんなやり取りをしている最中、昼のチンピラたちが帰ってきた。

「アニキ!バードってやつを連れてきました!」

「おう!で?バードはどこに居るんだ?」

「え?」

チンピラたちがうろたえる。さっきまで一緒にいたはずのバードがいないのだ。

「あ、あれ!? さっきまで傍にいたはずなのに!? 野郎! どこ行きやがった!?」

チンピラたちがあたりを見渡すが、バードの姿はない。

「お前ら… 俺に嘘ついてんじゃねーよな…」

ロベスがあきれた眼差しでチンピラたちを見る。

「い、いえ…! 嘘じゃないです…! さっきまで本当にいたんです!」

チンピラたちが必死に弁明するが、ロベスはまだ怪しんでいた。

「ホントかよ… そんな急に人が消える訳ねぇだろ… 第一…」

ロベスが言いかけた時、首元に冷たい感触が。

「ロベス!」

アルーンの叫び声が聞こえる。

「動くな」

ロベスが自分の置かれた状況を理解するより先に、男がロベスに命令する。

「お、お前!いつの間に…!!」

チンピラたちも驚いている。男の正体は、チンピラが連れてきた元ロベスの右腕、「バード」こと「シンドバード」だった。

ロベスがようやく状況を理解し、鼓動が高まり始めた頃、首元の感触が消えた。

「冗談だよ!久しぶりだな!ロベス!」

バードがロベスの肩を叩いて再会を喜ぶ。

一気に緊張が解けたロベスは、ため息をつく。

「ハァ… お前がバードか…」

「どうした?お前もしかして、俺のこと忘れたのか!?」

「いや、何ていうか記憶がおかしいんだ… 頭ん中がぼんやりするっていうか…」

「大丈夫か…? 俺の顔をよく見てみろ 何か思い出すはずだ… ずっと一緒に戦ってきた仲だろ?」

そういってバードはロベスの顔を見つめる。ロベスも必死に思い出そうと記憶を辿る。その時、脳内に電流が走る。頭の中には、白く荘厳な王都と仲間の死体の映像が。

ロベスは自分がこの刑務所に収監された経緯を思い出した。ロベスは貧富の差が激しい絶対王政の国、「ゾーニャ帝国」で革命を起こそうと、大勢の仲間を率いて、全てを賭けて武装蜂起したが絶対的な力を持つゾーニャ帝国最強の王「ルイス・ヴィエゴ」に大敗を喫し、この刑務所に収監されたのだ。家も仲間も、財産も、すべて失ったロベスだったが、今、全てを思い出した。

そしてロベスはバードにこう伝える。

「──バード… ごめん… 俺全部思い出したよ…」

「ロベス!!」バードは顔が明るくなり食い気味に反応する。

「俺達でヴィエゴを殺そう…!!今度は失敗しない…!!ここから脱獄するんだ…!!!」

全てを思い出したロベスはもう一度復讐することを決意する。


続く


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