表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
rough  作者: ayu
ETERNAL FLAME 【第一章】鬼の世界編 後編/LAST STAND
33/52

第29話「さらば友よ」

漫画として週刊誌で連載したいので、作画担当をしてくださる方を募集中です。

001

人類を裏切り自分の前に立ちはだかるハナビの考えを、ツカサは理解できなかった。

「なぁ……お前は一体何を考えているんだ……?目的はなんだ……?なぜそこまでして俺たちの邪魔をするんだ?」

怒りや悲しみではなく、ただ理解できなかったソウスイはハナビに質問する。

早朝の静かな世界で、朝日に照らされた二人が対峙する。

「そうだな……俺は、ただ抗ってみたかったんだ──自分の『運命』に……」

「──くだらん……抗ってどうする……?それでお前は満足なのか?自分ではどうにもならないから運命というんだ。 鬼は人類の敵で仇だ。──無論、それに異を唱える者も敵だ……これが世界の真実で、どうにもならない運命なんだよ」

「そうだな……それでも──俺は、ヤマトを信じる」

ハナビが剣を構える。それをみてソウスイも仕方がなく剣を構え、襲い掛かる。

「ハァ……残念だ……──天国で俺の創る世界を見ていてくれ……『友』よ……!」




002



ハナビとツカサは剣の腕にほとんど差はなく、お互いのことを知り尽くしているため、なかなか決着がつかなかった。

「ツ……ツカサ様……!助太刀いたしましょうか……!?」

互いに消耗していく姿を見て、十影は助太刀を提案するが、ツカサが拒む。

「だめだ……!これは俺とこいつの問題だ……!俺が死ぬまで絶対に手を出すな……!!」

「は……はい……」

ソウスイの剣幕に圧倒された部下は、萎縮して下がる。

「ハァ……!ハァ……!──お前、全然衰えてないな……!」

ハナビも、ソウスイの予想外の強さに少し冷や汗をかいている。

「ハァ……!ハァ……!──当たり前だ……!」

それからさらに激しさを増し、どちらかが先に、あと一撃入れることができたら勝つ状況まで来た。

「なぁ……最後に一つだけいいか……?」

瀕死のハナビがソウスイに提案する。

「どうした……!」

「あいつらに……愛してるって伝えておいて欲しい……」

「なら……俺に勝つことだな……!」



003



激闘の末、勝ったのはソウスイだった。

ヒビの隙間から植物の生えたアスファルトの道路に、血まみれで仰向けで倒れ込むハナビ。

ほとんど虫の息だった。

「──さらば友よ……俺もすぐにお前の所へ行く……──その時はまた……昔のように、みんなで笑おう……」

そう言って戦友に別れを告げるソウスイの脳裏には、ハナビやミキオ、ゆきや様々な同期の面々が。彼らは学生時代からの知り合いで、鬼に日常を奪われる前から交友があったのだ。


(──ああ 久しぶりだな……この感じ……──ハァァ……長かったなあ……!けど……!──いい人生だった……!今日は死ぬにはいい日だ!俺もようやくお前らの所へ行けるよ……ミキオ……まつり……!)

こうして、藤原ヤマトの人生の兄貴分にして、憧れの存在、鬼丸ハナビの人生は幕を閉じた。


続く 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ