第19話 「ただ君が欲しい」
漫画として週刊誌で連載したいので、作画担当をしてくださる方を募集中です。
ジャンヌの言った言葉が忘れられなかったヤマトはその日の夜、洞窟で一人ジャンヌが言った言葉の意味を考えた。満天の星空がヤマトを照らす。
(もし俺が鬼との共生の道を歩んだら、あいつらはどう思うんだろう… 正直俺は… よくわからない… 鬼は嫌いだけど… ジャンヌは好きだし… 町にいた鬼も、別に何とも感じなかった。 あいつらは民間人だからか? 武装していないから何とも感じなかったのか? 逆に言うと、武装していたら憎いのか…?将軍らを殺した鬼も、この町を守ったってだけで、別に悪くないのか…?むしろ、鬼の世界に勝手に侵入したのは俺達だから、俺たちが悪いのか…?クソッ…! わかんねぇ…!)
(なんかもう… いろいろと疲れたな… 正直もう考えたくない… 自分が何者で、何をすべきなのかをこっちに来てからずっと考えてたけど、考え過ぎなのかな… もっと楽に。単純に。単純に…)
(──俺は、ジャンヌと一緒に居たい。鬼とか人間とかもうどうでもいいから、ただ好きな人と一緒に居たい…!)
そして、結論が出たヤマトは深い眠りについた。
翌朝、目が覚めると傍にはジャンヌが。
「おはよう」
昨日の一軒があったのに、ジャンヌはいつも通りの笑顔でヤマトに朝の挨拶をした。
ヤマトはこんな自分を嫌わないでいてくれたジャンヌの寛大さと、自分の犯してしまった過ちを後悔して、涙ぐむ。
「ど…どうしたの…?」
「ごめんジャンヌ… 俺、昨日イライラしてて思ってもないこと言っちゃった… 俺、ホントはジャンヌと一緒に居たいんだ…! でも… 人間の俺が、鬼の世界で鬼と一緒に居たいって思うだなんておかしいって思って… それで… 鬼を全員殺すことで人間としての体裁を保とうと… ごめん…」
ヤマトの懺悔を聞いて、少しほほ笑むジャンヌ。
「わかってくれてよかった… 気にしないで、ヤマト。あなたが本当は優しいってことは知ってるんだから…」
「ごめん… ありがとう…」
ジャンヌのその言葉を聞いて、さらに涙を流すヤマト。
朝日が二人を照らす。




